2/20/2008

WellnessExpress13



毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
私がこれを書くわけは、こちらに。



この数年、外来患者さんから一番よく
 「私は大丈夫でしょうか」
と質問されることは、何でしょう。

答えは、「認知症」です。
年配の方なら、本気で心配してなくても、とりあえず
訊いてこられます。
驚くなかれ、30代の方でも訊いてきます。
「若年性アルツハイマー」などという病名も耳にする
からかな。

あ、お待ち下さい、今回書くのは、アルツハイマーに
ついてではありません。


認知症の原因はさまざま。

そもそも認知症というのは、なにか身体に問題が
起こり、そのために正常な判断や認識、記憶ができなくなった状態をいう。

その「身体の問題」が、脳炎だったり、ホルモン異常だったり、感染症だったり、脳出血だったり、アルツ
ハイマーだったりするわけだ。

アルツハイマーは、残念だが、現時点では治療が難しい。せいぜい薬で進行を遅らせるのが精一杯だ。
だが、ホルモン異常や、感染症などは内科的治療で良くなる可能性があるし、脳出血なら、血が吸収されれば、かなり良くなる。

           ソリャ朗報


そんなわけで今回は、脳外科の専門分野、手術で良く
なる認知症にスポットを当ててみたい。

並べてみると、
  慢性硬膜下血腫
  正常圧水頭症
  脳腫瘍
もちろん、細かいことを言えば他にもあるが、いつものごとくしぼり込み。
はじめの二つは、これまでのWEで出てきまいたよ。




慢性硬膜下血腫

 高齢の人に多い病気だが、若い人にだって起こる。

 道に迷うようになった、仕事が穴だらけになった、と
 休職し、精神科で治療を受けたあげくにようやく
 脳外科へ来た、30代の人がいた。
 なぜか、それまで一度も脳の画像検査をしてもらって
 いなかった。
 CTで一発で診断がつき、その日のうちに手術をして
 2週間後には職場復帰していた。

         治ッチャッタノ?

 治療方法については、もう書いてあるのでそれを
 ご覧になって。


正常圧水頭症

 これは、クモ膜下出血シリーズで出てきた。
 しかし、クモ膜下出血後でなくても、脳炎や、外傷に
 よる出血の後に、なることもあるし、高齢の人では、
 特に何も理由がないのになることがある。
 症状はもう書いてあるので、ご覧あれ。

 治療のための手術は、一般に「シャント手術」と
 呼ばれるもので、シャントというのは、別の通り道を
 つくることだ。


 頭の中で、髄液がたまりすぎるので、余分をお腹へ
 運んでいって捨てる。そのための水路を、頭から
 お腹へ通す。全身麻酔が必要だが、早ければ30分強、
 てこずっても2時間はかからない。

 たまりすぎてた髄液が減れば、症状は見違えて
 良くなる。

 だが慢性硬膜下血腫と違い、この病気は、CTやMRI
 だけでは、症状を引き起こしているのかどうか、
 正確に判断できないことがある。

 画像上は、見るからに髄液の流れが悪そうなのに、
 実はあまり症状は出しておらず、
 (つまり認知症の原因になってない)
 手術を受けても症状が変わらないかもしれない。


 もちろん、術後、画像所見は良くなっているのに、
 だ。


 だから、手術の前に、特殊な検査をすることが多い。
 脊髄に注射をしたり、水を抜いたり。

 それでも、やっぱり、「やってみないと分からん」と
 いう部分が多分にあるのがつらいところである。


脳腫瘍

 これは、前の二つと違って、かなりシリアスな病気
 である。
 脳腫瘍と一口に言っても、放ったらかしOKの憎めない
 ヤツから、画像を見た瞬間「ああ・・・」と肩を
 落とす凶悪なのまで、さまざまだから、軽々しく
 ”手術で治るよ”とは言えないが。
 いちおう、手術で治る(軽くなる)認知症には含まれ
 よう。




手術で認知症が治った!などというフレーズを見ると、なにか画期的な治療法が見つかったかのように思えるが、実は、あんまり変わったことはない。

          ソウナノカ・・・

でも、まずは、治療で良くなる、あるいは進行を止められる病気がないか、画像検査をするのは、認知症診療の基本中の基本。
脳梗塞だって、認知症と間違われることがあるのだから。



手術で治る認知症以外は、脳外科は、一応診療範囲に入ってはいるけど、あんまり専門ではない。
神経内科(神経を内科的に診る)か、精神科(精神・心を診る)が主な診療科になる。

インターネットでも、いろいろなサイトがあって、調べやすくなっている。
私は個人的には、ここなんかは結構きちんとまとまって、見やすいと思う。


しかしながら。
あんまり、神経質にならんでください。
人間、100人が100人、年を経るにつれて、記憶力は落ちてきます。
そのかわり、”経験”という強みが増えてるはず。


物忘れが、ぜんぶ悪者ではありません。
わすれる、ということも時には大切・・・




 クリックありがとう!でも、忘れすぎも難儀。
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6 件のコメント:

jick-jick さんのコメント...

ネット開通したよ!
開通したのも知らずウズラさんは
熟睡3時間目も もう終わろうとしています

低血圧だからと言いながら
よく寝ます…そろそろ起こしてみようかな?

ウズラ さんのコメント...

起きました!
でも夫jick氏が寝ました・・・。

嬉しいね!開通!!
こうしてコメントを書けることが嬉しいよ!
明日からボチボチ過去記事拝見させていただきます。

ここで質問してみよう。

ウズラはとにかくよく寝ます?!マジで。
スキあらば居眠ります。
腰掛ければ居眠りします。
寝不足でなくても居眠りします。
車の助手席は、見事に寝ます。
起きていようと努めますが、無駄な抵抗のようです。
もうこれは病気なのでは?と思うほどです。
そんな病気の人はいるのでしょうか?
母も私も昔から同じタイプです。
新聞読んでても、食卓でも・・・?!

ハニフラ さんのコメント...

jick-jickさん、ネット開通おめでとうございます!
待ちに待った・・・ですねえ。
いや、奥様よく眠らはりますなあ。
同じ低血圧なので、よーく分かります。
起きたばっかりでも、寝られます。

ハニフラ さんのコメント...

ウズラちゃん、おお〜お久しぶりです。
交代でjickさんが寝られましたか。なんとモグラたたきのようなご夫婦であることよ。

学生時代、眠り病というのを習いましたよ。
ズールー族だか、グールー族だかに特有の病気だそうで。その病気の正体は、実はすごい病気なんですけど、まあそれはまたの機会に。

私も同じ低血圧なので、分かります。
可能なら、13時間でも15時間でも眠ります。
眠いのは、一説にはビタミンが足りないとかいう話もあります。野菜を増やしてみましょう。
眠り自体が浅い人、夜間になんかが原因で安眠できてない人も、日中居眠りが増えるよ。アイスが布団に乗っかって熟睡できない、とか、布団の堅さが合わなくて熟睡できない、とか、何かないか考えてみよう!
他には、自律神経の調整かなあ。

でも、運転中に眠らなきゃ、居眠りが多くってもノープロブレムということで。
そのままでいいのでは?

bun さんのコメント...

「認知症」というとシロウトは即、アルツハイマーを思い浮かべてしまいそうです。そういえば母の硬膜下血腫のときも、私達家族はまず「アルツハイマー?」と思ってしまいました。そのような症状でもアルツハイマー以外の原因がありうるということ、憶えておかなくては。

まぁ、フツー、そういうことはお医者さんがちゃんと考えてくださるはずだ、と思ってしまうのですが、精神科からやっと脳外科へまわされた30代の方の例もあるわけですものね。患者もしっかりせんと。

脳の病気はほんとにコワイです。インフォームド・コンセントやQOLなどが一般にも浸透してきた昨今、患者とのコミュニケーションを大切してくださるドクターも格段に増えましたが、まだまだ…。ハニフラさんほどコミュニケーション能力のある方なら安心です。なにかあったら大阪へ行ってハニフラさんに診ていただきたい〜!

ハニフラ さんのコメント...

Bunさん、アルツハイマーは皆恐れていますから、変事があった時真っ先に頭に浮かぶのですね、きっと。
でも、認知症の原因って、実にたくさんあるのです。神経内科でなければ分からない病気もあります。

認知症に限った話ではないですが、今は、医学が進歩しすぎて細分化され、広く浅くか、狭く深くか、両極端です。
狭く深くやってる医者も、自分の科の病気でなければ、せめて次はどの科を受診すればよいかを患者さんに説明すべきなのですが、
「検査の結果、異常はありません」
で終わらせる人がけっこういるのも事実です。
じゃあ、この症状は、どうすりゃいいの!?ってなりますよね・・・

よい医療を行う上で、コミュニケーション能力は非常に大切だと思いますが、医者同士しゃべってても、「??」となる人は多いです。
かく言う私も、どんなもんだか、怪しいなあ(苦笑)。自分ではちゃんとやってるつもりでも、一人相撲だったりして。
でも、そんな風にかって頂いて、ありがとうございます〜!