2/10/2008

WellnessExpress12


毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
私がこれを書くわけは、こちらに。



頭部外傷シリーズ最終回。
今回は打撲直後ではなく、しばらく経ってからのお話。

頭を打ったあと、かなり経ってから、じんわりと出血
して手術をするはめになることがある。
最近はTVでもちらほら名前を目にする、
 「慢性硬膜下血腫」
である。
実はこの出血、知ってさえいれば、あまり怖くはない。


まず、出血部位は・・・
名前の通り、硬膜の下。
脳よりも外側である。
前回のWEを思い出してもらうと、普段は、髄液がたまってるところだ。
みかんの外皮と、袋の間ね。


血はまわりの膜の、どこからともなく、じんわりとしみ出てくるのだが、実は、そのしくみは、あまり細かくは解明されてない。
頭を打ったのをきっかけに起こるのは分かっているが、強く打ったからなるとも限らない。覚えてないほど
かる〜い打撲でなることもある。

乱暴な言い方をすれば、溜まる人は溜まるし、溜まらない人は溜まらないのだ。

              ?

とは言え、たまりやすいタイプの人はいる。
お年寄り、大酒飲みなど、脳萎縮が強い人たちである。
でも、ピッチピチの脳でも溜まる人もいるから、油断はできない。


ここに血がたまるとどうなるか。

外側には膨らめない。頭蓋骨があるから。
仕方がないので、内側へ膨らみ、柔らかな脳を圧迫する。
ゆっくり溜まるだけに脳が順応してしまい、症状が
出にくいが、もうこれ以上はムリ、となったところで症状が出始める。
だから、いったんそうなると、日に日に進行することが多い。

初めのうちは、脳梗塞や脳出血の症状を、軽くしたような感じだと思うといいかも。
例えば・・・

 頭痛   →なんとなく頭が重い

 手足の麻痺→同じ側のスリッパばかり引っかかって
         脱げやすい、字が下手になった

 意識障害 →最近ボケちゃった?

など。

トシかなあ、と思わず、一度CTをしてみるべし。
MRIなんぞ撮らずとも一発で診断できる。

         何トナク頭ガカユイ

・・・そんなの放っておきなさい。


そして、この血腫の救われる点は、よほど手遅れでない限り、手術できれいに治ることだ。
なにせ、脳は圧迫されてるだけで、破壊されたわけではないから、血さえなくなれば、またふんわり膨らんで
元通りである。
早い人は手術中から、
 「手が動くようになってきました」
と言う。


ちょっと待て、手術中に?
そう、手術中に。

なんとこの手術は、脳の手術でありながら、局所麻酔でできてしまう。
1円玉サイズの穴を頭蓋骨に開けて、細くて軟らかいチューブを血腫の中へ差し込み、血腫を吸い出した後、きれいに水洗い。
ここで、よく洗うのが再発を最小限に抑えるためのポイント。血の気が残ってると、呼び水になっちゃうのだ。

手術自体は、30分もあれば
終わる。
たいてい、2〜3日中に効果が出る。





3週間目くらいからゆっくり溜まるので、症状が出るのは、頭を打ってから1〜2ヶ月後。
量が少ないうちは、自然にひくこともあるので、症状がなければ気にしなくても大丈夫。
もしたくさん溜まっても、手術をすれば治るので、こういうこともある、と知っておくだけで、そう心配することはない。

知ってる、ってことが大事なんですよね。




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6 件のコメント:

ルフュママ さんのコメント...

弟さんのお帽子は・・・苗にかぶせるカバーなんですね(笑)。
いやぁ~に、シックリきてます?!

このお話、なるほどと思いました。ヨット部時代、わたしが何より恐れていたのが頭を強く打つ「ブームパンチ」でした。打った後、時間の経過によって症状が現れる場合もある、こういうお話を知っていることは、大事だな~と思いました。過去のわたしといえば、翌朝元気だったらオッケーみたいな感じでした・・・(汗)。

わたしも過去に原因不明の体調不良の時期があり、CT受診したことがあります。その時の写真ではこれといって問題は見つからなかったのですけど、CTを撮ったことで何となく安心したのを憶えてます。頭は大事にしないといけませんね。

ハニフラ さんのコメント...

ルフュママさん、実はこれ、順番に、私も母も順番にかぶって携帯で写真撮りました。売り場で。
アホな家族です。

いえ、まあ、いちおう翌朝元気だったら、とりあえずはオッケーですよ。
頭を打った後意識を失い、その後いったん回復して、さらにその後急に意識を失うというタイプの外傷後出血もありますが、24時間も経ってから起こる心配はないです。

あら、具合が悪い時期がおありだったのですね。異常がなくて何よりです。検査をしても異常は出ないんだけど、でも何かおかしいのよー!ということってあります。
その時は、東洋医学の出番じゃないかなと、私は個人的に思っているのです。

bun さんのコメント...

硬膜下血腫、母がこれになったことは以前のWEコメント欄に書きましたので重複になりますが…
そのとき母は老健に滞在しており、私が異変に気づいたのは新年を家で迎えるために帰宅した直後でした。食事中、スプーンが手から落ちたのに、手はスプーンをまだ持っているかのように器と口を往復させ、食べ物が口に入らないことに気づいたらしくついに手づかみ! 私、ショックで固まりました。
「初めのうちは、脳梗塞や脳出血の症状を、軽くしたような感じ」とのことですけれど、その軽い症状は老健滞在中に出ていたのかもしれませんね。
推測ですが、家へ帰る車の振動で出血が加速されたのかもしれないと。

しかし一番ビックリしたのは、症状のひどさに比して治療が非常に短時間で済んだことでした(20〜30分)。もう、これからどんな難しい段階に突入するのか! と覚悟しちゃってたもんですから。

手術してくださった女医さんは、「100cc以上たまってましたよ。フツーは局所麻酔だけなんですけど、穴あけ始めたら<ひぃー!>とか言うんで、軽くボンヤリしてもらう麻酔を追加しましたけどねー、あっはは」
まことにざっくばらんな方でした(汗)。

そうそう、話は前後しますが、「スプーン落とし」の翌朝、母は(脳内でそんなことが起こっているにもかかわらず)きっちりと外出着に着替えて玄関を出ようとしていました。どこへ行く(帰る?)つもりだったのでしょう。
それは昨日までいた老健だったようなんです。

症状に驚いて老健に電話、「目を離せない状況でしたらこちらに戻られますか?」と有難いお言葉。途方に暮れていた私は「お願いしますっ」
(硬膜下血腫が見つかったのは正月明けにCTを撮ってもらって)
再び老健に連れていくと、担当してくださっていたイケメン介護士サンが
「ちょうどおやつの時間ですよ〜」と手を差しのべてくださり、母はるんるんで手を引かれてテーブルに向かうのでした。

その時の母の頭の上に「♪」マークが浮かんでいるのを私、はっきりみました(笑)。「家ですごす方がいいに決まっている」という思い込みが覆された一瞬でした。はぁぁ〜(淋しいというか、拍子抜けというか)。
でも、おかげでとても気が楽になったのも事実。もともと仕事の関係で、母が家で一人になる時間が心配で、心ならずも老健に頼ったのでしたから。

ああ、また超長くなっちゃいました。<(_ _)>

ハニフラ さんのコメント...

Bunさん、以前のコメントでも書かれていましたね。お母様の症状も、場合によっては、認知症?と誤解される可能性がありますよね。若年性アルツハイマーって診断されてた30代の人もいました。

しかし、手術で劇的に良くなるのですよね、これが。
脳外科では、こんな病気はめったにありません。

確かに局所麻酔なのですが、骨に穴を開けるのは、手回しドリルですので、患者さんにしたら、あんまり気持ちのいいものじゃないんですよ。頭がご〜りご〜りするのは。硬膜を切る時は局所麻酔をしてても痛いですし。
だから、私はほとんど、注射でうつらうつら眠ってもらって手術します。ちょうど手術が終わる頃に、目が覚めるように。

お母様、幸せですね。
お家にはちゃんと大切に思ってくれる御家族がおられるし、老健にいるのも楽しいし。老健でも、皆に愛される方なのですね。

腸長いの、いえ、超長いの、歓迎です。
皆さんとコメント欄でお話しできるのが、ほんとに楽しみなんですから〜。

Aya さんのコメント...

頭部外傷〜慢性硬膜下血腫。子供がまだ小さい頃、ベッドから落ちた、とか、転んで頭を打ったとかの後、様子をみながら、半日ほどかけて、これらのことを調べた記憶があります。そのとき、「ひえ〜、この心配をかかえてあと1〜2ヶ月も過ごさなきゃならないの?」と、一瞬途方にくれました。が実際は、1〜2日で心配はほぼ霧散したように思います。その時、本当に、この記事に出会えていれば!と思いますよ〜。

ハニフラ さんのコメント...

Ayaさん、子供さんが頭を打ったりした時は、「家庭の医学」なんかで調べて、心配したり、安心したりするんですよねえ。
でも、最近の親御さんは、わりと他人任せ(病院まかせ)の人も多いです。

慢性硬膜下血腫は、子供ではほとんどならないです。やっぱりお年を召したかたが多いです。
昨日も夕方、その手術をしましたが、ほとんど意識のない方が、今朝はいろいろしゃべってました。ほんとに嬉しくなる瞬間です。