3/31/2017

なに食べてるの



我が家は口が多いので、食費をいかに節約するかが重要である。
(2012年頃)

かといって安ければいいというものでもない。
母はこの圧に負けがち
(私はまったく負けない)

病気をしない、ではなく、プラスアルファの健やかさを保つことが目標ラインだ。



この難題に解決法を与えてくれたのがいちえんさんとの出会いだった。

毎週木曜日の朝に、奧さんからメッセージが届く。
生きている間は自然のまま、幸せいっぱいに暮らした鶏達のモツを頂きに行くのだ。
人間が食べる肉を取り除いたあとの、全部である。
200〜700g台と大きさには幅がある
この他、頭、もみじ、手羽、首皮なども頂く

可能なら捌いたその日、無理でも2日以内には行くようにしている。



以前、グローネンたちは何故かレバーがだめだった。

嫌いなのではなく、むしろ喜んで食べるのに、小指の先サイズまでが限界で、それ以上食べると全員がひどい血便をした。
人間用のきれいな鶏レバーでもだ。
あじみネコ

他の内臓も、少し量が過ぎると下痢をしたり吐いたりしやすく、そのために大阪にいる頃は、肉や骨は与えられても、なかなか内臓をしっかり食べさせてやれず、それがいつも気になっていた。

ところがいちえんさんのところのモツだと大丈夫なのだ。

一般の養鶏業では鶏に病気予防のための薬をかなり投与すると聞く。
いちえん農場ではそういうことをしない。
そもそも薬うんぬん以前に、体力がないと生き延びられないかもしれない。
もちろん家も餌も水も愛情もたっぷり与えられる
しかし自由とは危険を伴うものだ
崖の向こうにお出かけする一行

犬たちが平気な理由はそういうことじゃないかな、と私は考えている。

いちえんさんも、廃棄のコストがかからないのもあるが、
 「なにより鶏達があますところなく他の命に役立てて嬉しい」
と喜んでくださる。
仕事だからシメるが、鶏達へ惜しみない愛情を注いでおられるのだ。
ラジオを聞いて育つ土佐ジローの雛たち



八方幸せで最高なのだが、一点だけ問題があった。
我が家の犬たちでは消費しきれないのである。

犬用冷凍庫に入り切らなくなり、泣く泣くコンポストに入れたこともあった。
肥料になるので、ちゃんと活用できてはいるのだが。
ぬすみぐいネコ
うっとりネコ
肉食獣だなあ

数年前から、アニューの親元である友人宅の狼犬にも食べて貰うようになり、コンポスト行きはほぼ回避できるようになった。

昨夏からは狼犬の保護団体にも送るようになり、ようやく安心して毎週頂けるようになった。

毎週の捌く数は注文次第のため、時期によっては100羽超の週が続くこともあるからだ。





モツは全員に大好評だ。
私もモツの日はらくちん

卵管内に翌日産まれるであろう卵もそのまま入っていたりするし、骨もせせりもぼんじりもあるから、歯ごたえ・匂いも複雑で美味しくてたまらないのだろう。
ただし食べるには慣れが必要だ
真剣に取り組むブラウニー

さすがにガラは食べないが、内臓はフラも大好きで、
 「今日のごはんは臭いよ〜」
というと大喜びでがっつく。
(新鮮なので嫌な匂いはまったくないが、腸などを細かく切るとそれなりの匂いはする)
使いやすいよう個別に袋詰め
頭付きのは、念のため嘴先をカットしておく
たいてい頭は別なので、加圧調理して毎食やる

友人宅の狼犬は、毎夏ぐったりして弱るため、涼しい山奥の狼犬飼いの知人宅に預けていた。
それが、モツを食べるようになってから夏バテしなくなり、自宅で元気に夏を越せるようになったと喜んでくれた。





そんなわけで、私は毎週末、嬉々としてモツの仕分けと発送を行っている。
いちえん農場にて
この坂を上がると処理棟
レモン畑(正面)のそばに建っている(左の建物)
冷蔵庫に入れて置いてくれている

以前は何時間もかかり、ふらふらになったものだったが、5年以上もやっていると、60羽くらいなら1時間半くらいで仕上げられるようになった。
作業準備オーケー
きれいな色のモツ
これでもまだ途中

では、動画でどうぞ。
今回は音楽や人の声がけっこう入るので、音量にご注意。





仕分けたモツは必ず一度、業務用冷凍庫で凍らせる。
万が一、寄生虫がいた場合、凍らせれば安全だからだ。
とはいっても、5年以上毎週やってきて、寄生虫がいたのは数えるほどしかない。
しかも全部死んでいる。

仕分けが済んだら、前週に仕分けて凍らせておいたモツを冷凍庫から取り出して発送用に箱詰めする。

空いた冷凍庫に仕分けたばかりのモツを入れる。
箱詰めした方は、クロネコさんに持ち込んで発送する。
いちえん農場の守護神『みーた』氏

クロネコさんでは、冷凍は重さの上限が15kgだ。
いつの間にか、持った感じで『12kgくらいかな』『15kgギリギリかな』『少し越えたな、ひとつモツを減らそう』と分かるようになったので、最近では箱詰め後に計量する必要もなくなった。

今や母に
 「本職はなに?」
と笑われるくらいである。

いえいえ、趣味ですよ、お母さん。










3/03/2017

淡路島の小さい家


私が応援している猫(犬も時々)の保護団体
 『淡路ワンニャンクラブ』
さんが、今月いっぱいパネル展をされています。

→こちらをどうぞ 『明日からです!
淡路島なので、簡単には行きづらいかもしれませんが、後半は春休みにもなるし、そちら方面に行楽に行く予定の方はぜひちょっと寄ってみられては。

というか、本当はあんまり興味のない方に見てもらえたらいいと思うので、お知り合いで可能性がありそうな人がおられたら、お声をかけていただけたら嬉しいです。



ワンニャンクラブさんのブログは2本立て。
 『あーもんさんちはニャンとも幸せ
 『にゃんむすび

「あーもんさんち〜」は毎日更新、猫たちの様子が生き生きほのぼのと描かれ、たくさんいる猫たちの個性や特徴が知らず知らず頭に入り、保護部屋にとても親しみを感じられます。

「にゃんむすび」は月に2~3回の更新で、「あーもんさんち〜」の補足や裏話など、細かいことが説明され、悩みや苦労の様子がよく分かります。

ふたつのブログが、保護部屋の様子を伝える両輪となって、うまく機能しているのです。



これらのブログを読むうち、野良猫に対する姿勢が変わりました。
それまで私は、「仕方ない」「気になるけど私にはどうしようもない」と思って横目に見て通り過ぎていたのです。

ワンニャンクラブに出会っていなければ、
おむすびも
一口ごとに周囲を警戒していた
・・・のが、こんなことに

おこぶも、
わりと楽しくやってた
外暮ラシモ悪クナカッタ
少シ家ノ方ガ居心地イイカナ

今は「心くん」となって神戸で暮らすおじやも
今はまるまるしてる
(これは保護1ヶ月ちょっとの頃)

いませんでした。



淡路ワンニャンクラブさんは、暖かで、でもすべきこと・考えるべきことはきちんと成しながら保護活動をされています。
保護団体って、いろんなところがありますから、ちょっと関わるのに腰が引けている方(私がまさにそれ)でも大丈夫。

小さいけれど、cool heads but warm heartsを地でいく素敵な保護部屋さんです。



3/01/2017

ヤギさんに会いに



いちえん農場では一昨年の秋からヤギを飼っている。
増えすぎる雑草を食べてもらうためだ。

ところがミカンの葉っぱが大好物なのだそうだ。
ポンカンやレモンも出荷しているいちえんさんとしては苗木を何本かダメにされて、思わぬ痛手もくらったとか。



生後5ヶ月のヤギが農場に来たとき、私もさっそく会いに行ったが、あんまりうまく写真が撮れず、ブログにも書かずじまいだった。
2015年11月19日
これを撮るのがやっとだった

でも、はじめて間近で見る子ヤギは、雄と雌一頭ずつ、それは可愛らしかった。
いちえんさん撮影
(11月2日に農場の一員に)
今年1月9日撮影
ヒモが外れて脱走しポンカンの葉をむしゃっていた
私に見つかり逃走中



その子ヤギが大人になって、元気な赤ちゃんヤギを産んだ。
先週金曜日(2月24日)に、いちえんさんから3枚の写真が送られてきたのだ。
「生後11日の♂♀です」とのメッセージとともに

翌土曜日、母とともにいそいそと会いに行った。





私はヤギのことはほとんど何も知らない。

白状すると、草食動物の方が(ヤギに限らず牛でも馬でも)、臼歯で指をすりつぶされそうで触るのがなんとなく怖い。
こっちが断然平気

鋭い牙で噛み切られても一縷の望みが残されているが、すりつぶされちゃったら再建不能な気がする。
なじみがないから、怒ってるのか喜んでるのかもよく分からない。
分かり易い

だから、今までいちえんさんちのヤギもあまり思い切って近づけなかった。
だが、この子ヤギたちの可愛さの前では、怖さも忘れてしまった。
来訪者(我ら)に興味津々
柵からこぼれてる子ヤギたち
そばの木にお父さんヤギ

それに、よく見ればお母さんヤギもなんだか人懐こそうな顔をしているぞ。
田舎育ちでヤギ慣れ(?)している母が一緒なのもあり、少し気が大きくなった。
母の手から草を食べる
訝しむ子ヤギたち
私も雄ヤギに手から草をやってみた
怒らずに食べてくれたよ!
雌ヤギも少し撫でてみた
おっかなびっくり



あいにくいちえんさんは不在だったが、いちえんさんのお母様がいろいろ話をして下さった。
とてもパワフルで愉快で素敵な方です
(右はうちの老母)

雄は頭突きが痛いって。
夜、ドカーンドカーンとえらい音がするので何かと思ったら、小屋を頭突きで破壊していた音だったそうだ。
裏に回るとこんなだった

日曜日には小学校から子ヤギの見学に来ることになっているとのことで、なかなかの人気者になっていた。



これからモツをもらいに行った時に会えるのが楽しみだ。
もちろん動画もあるのでどうぞ。