”お届け物”をちょぼっとしか見せずに、一部をイライラさせているようですが、いい加減生ませてあげねば、
ソフィも大きなお腹を抱えたままイライラしていると
思うので、今回は子犬シリーズで。
自然交配で3回確認できていた我らは、一番可能性の高いソフィの出産予定日を1月11日頃と計算していた。
年が明けたら、子犬用のリボンも買いに行かなくちゃね、などとのんびりしていたのだが・・・
ハシャイデル場合ジャナイノウ
年が明けてから、ソフィのお腹はみるみる大きくなっていった。
ソファで眠る顔も、心なしか苦悶に歪んでいるような気がする。
お願い、白目をむかないで。
出産直前の動画はこちら。
見られない場合はこちらを。
1月3日の夕方頃から、ソフィが何度もトイレを要求し、かといって庭に出しても何も出ず、すぐ家に入る、と
いうことを繰り返し始めた。
もちろん体温はこまめに測っていたが、まったく変動はない。
獣医さんでもらった出産についてのプリントに、
「体温が37.2度以下に下がったら24時間
以内に出産が始まります」
とあったのだが、ついぞそこまでは下がらなかった。
当たり前だが、なかなか教科書通りにはいかぬものよ。
それでも、産室用サークルに、頑として入らなかった
ソフィが夕方くらいから自ら入り始め、敷いておいた
新聞紙をずたずたにし始める(産床を作っているつもりらしい)に及んで、のんびり屋のニンゲンどもも、
「どうも今日だな・・・」と思い始めた。
最初の陣痛らしきものが見られたのが、19時半ごろ。
ぶるぶると全身が震え初め、我らにすりついてきて、
泣き声をあげる。
よしよし、と撫でてやっていると、まもなく落ち着き、リラックスする。
徐々に徐々に、この感覚が短くなっていった。
予定日が11日で、まだまだ先だと思っているものだから、なんの準備もしていなかったのだが、陣痛を確認してから、わらわらと物品を揃え始めた。
子犬用のリボンも買ってないから、贈り物でいただいたリボンで取っておいたものの中から、使えそうなのを探す。
いかにも贈答用リボン
そして、”手引き”プリントだけでなく、何度も読んだ
参考書(?)も読み返す。
ふむふむ。
「陣痛が強くなってくると、速い呼吸を一瞬止め
・・・力む様子が見られ・・・さらに強い陣痛が
くると、犬は立ち上がって排便をする時のような
体勢をとり、強く力むようになり・・・繰り返して
いるうちに・・・胎児が産道へ・・・」
なるほど。
ソフィはまだ力む様子はまったく見せない。
この分だと、もう少し時間がかかりそうだ。
お産が始まったらそれどころではなくなるから、
それまでに軽くお茶漬けでも食べておこうか。
ということで、まず、私と愚弟がお茶漬けを立ったまま食べ始めた時、きゅう、と変な音がした。
母「何あれ、産まれたんじゃない?」
私「まさか。そんなはずないやん、ダンボールが
こすれた音じゃないの」
ダンボールがこすれた音ではなかった。
午後9時42分、ソフィはあっさり450gの元気な雌の
赤ちゃんを産み落としていた。
私の自信満々の答えにも関わらず、念のためにと産室をのぞき込んだ母が、まるまるした第一子の姿を確認したのだ。
慌てた我らが、米粒がお茶を吸って膨らむにまかせて
ドンブリを放り出し、手に手にカメラやビデオを持って駆けつけた時には、へその緒もきれいに噛み切られ、
食べさせるなと言われていた胎盤も、跡形もなかった。
そして5分後、第二子を産んだ。
こうして、初産にも関わらず、五頭目と六頭目の間に
43分間の休憩をはさんだ以外は、次々と元気いっぱいの七頭の赤ん坊達を産み終えた。
実に2時間と8分間のことであった。
人間は、リボンを結んで、体重を量る他は、ただ見守るだけであった。
第三子 まだシワくちゃ
胎盤を食べると産後の肥立ちがよいと言われるが、医学的根拠はなく、食べ過ぎるとひどい下痢になるので、
すべて回収するように。
そう、獣医さんから指示されていたが・・・胎盤は
ついぞ目にしなかった。
7つ、全部、目にする間もなくソフィに食べられてしまったのだ。
先生、ごめんなさい。
お産に問題がなさそうだと安心すると、今度はソフィが赤ん坊を踏みつぶさないか気が気でなくなる。
実際、母犬に潰されてしまった子犬の話は聞いていたので、見守る我らの方が、はらはらして心臓が潰れそうだった。
8ヶ月もすれば、こんなもの
それにしても、子犬はたくましい。
生まれ落ちた時は、今にも消えそうな命の炎のように見えるのに、実のところは、少々のことでは吹き消せない、力強い炎なのだ。
お産の動画はこちら。
(1分41秒あるので、小さい画像も用意しました。)
見られない場合はこちら。
この動画の最後の方で、よじ登ろうとしている子犬は、産まれて1時間ほど。
ちょっと前まで、使い物にならなさそうな手足を
ぷるぷる震えさせていたとは、とても思えないでしょ?
無事お産を終え、ソフィ母子がすっかり落ち着いてからも、気持ちが高ぶっている我らは、全然眠くならない。
だが翌日は1月4日、仕事始めであるから、いい加減
床に就かねば、新年早々遅刻というのも具合が悪い。
しぶしぶ布団に入ったが、思いのほか消耗していたようで、すぐに眠りに落ちた。
ムニャムニャ、誕生、おめでとう
翌朝、誇らしげなソフィ母さんに挨拶をし、昨夜と
打って変わって静かにお乳に吸いついている子犬たちを眺めてから、仕事に出かけた。
1時間後、間もなく職場に着こうかという頃、母から
メールが入った。
「子犬が一匹増えてる気がする・・・何回数えても、
八匹いるよ」
どこまでものんびり屋のニンゲン共が、隣の部屋で眠りこけている間に、ソフィは一人で、最後の1匹を産んだのだ。
頼りない飼い主でごめんよ、ソフィ、そして8番目の
赤ちゃんよ。
先生だって、
「もう1頭いるかも」
て言ってたのにね・・・
ノンキナ飼イ主ジャ
8つ目の胎盤ももちろん、回収できませんでした。
クリックありがとう!ようやく生まれたね。
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2/03/2008
ようこそ、世界へ!
ラベル: ソフィ&ベビーズ
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12 件のコメント:
8頭ですか! にぎやかですね
これからが楽しみですね
ジックも37日で譲り受け
8時間おきの離乳食時代もあったので
懐かしく感じます
1時間遊び、3時間寝ての繰り返しでした
jick-jickさん、大型犬は、8頭とか、9頭とか、けっこうたくさんの兄弟になるみたいですね。チワワなんて1~2頭も珍しくないようですが。
ジック君は37日で迎えられたのですか!?
それはまた早かったのですね。さぞかし手がかかったでしょうけど、素敵な思い出ですよね。
我が家は、ソフィが驚くほどいいお母さんで、ニンゲンは楽させてもらいました。
はじめまして、暫く前からロムっておりますpixcyと申します。
やっと、ウェルちゃん(でいいのかな?)、 産まれましたね(^_^;)
ここには犬ではなく、確か「原種シクラメン」で辿り着いた気がします。
家にも10年選手が居ます。
大阪co-opで購入(今は他県在住)し、去年も可憐な花を咲かせてくれました。
手間要らずのけなげな子です。
WEシリーズ、大変興味深く読ませていただいています。
今回の、お皿の中に浮かんだミカンの例えはとても判り易かったです。
脳いっ血、脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、脳卒中・・・
どうやら、私の頭には新旧の病状と病名がこんがらがってインプットされている様です。
過去のWEを遡り、少しづつ勉強しながら整理しています。
ところで、ひとつ質問させてください。
脳卒中とは、どんな病気(病状?)なのでしょうか?
電子辞書の家庭の医学で調べてもそのような言葉はありませんでした。
追伸)
遡っていく途中で 「テルミン」に出くわしました。
笑わせて頂きました。
時々のぞいては「何文句垂れてんの?」の突っ込みいれています(笑)
pixcy_catさん、ようこそ!
はーい、やっとウェルが産まれました。
明日書く、明日書くと言いつつ、嘘ばっかり続いてまして。
おお、10年選手の原種シクラメンですか、素晴らしいですね!
球根も大きいのでしょうね。我が家のは、えーと、たしか3、4年目くらいなので、しかもけっこう劣悪な環境なので、ブタノマンジュウなんて言うと、豚が「足りない!」と怒りそうな大きさです。
去年咲いたということは、秋咲きでしょうか?
おっしゃるとおり、手間をかけずとも咲いてくれる子は、愛おしくなります。
以前は大阪に住まわれていたのですね。大阪co-opなんて、なんだか身近な感じがします^^
園芸がお好きなのですね!
私も大好きです。犬はもはや家族なので、庭仕事が趣味、てことになるのかな。
WEシリーズ、お役に立てていますでしょうか?
脳の病気になったときのために、と言うよりも、ならないための助けになれたら、という思いで書いています。
たしかに、脳の病名って、なぜかいろんな言われ方をして、ややこしいですよね。
脳卒中というのは、脳血管のトラブルにより、脳に急性の障害が起こる病気の総称なんです。
たとえば・・・
血圧が上がって脳出血になったら、脳卒中です。
でも、頭を打ったせいで脳出血になったら、脳卒中ではないのです。確かに血管が破れてるという点では一緒なのですが、破れた原因は、外傷、ケガですから。
脳梗塞は、脳卒中ですね、血管が詰まる病気なので。
頭の中にゆっくりゆっくり、血がたまっていく病気がありますが(次回のWEで書く予定)、これは、原因が何であれ、急性ではないので、ふつう、脳卒中には入りません。
脳腫瘍は・・・もうお分かりの通り、脳卒中ではありません。
脳卒中は、英語で言うとbrain strokeもしくはbrain attackになります。何となく雰囲気が分かるような気もします。
そうか、ややこしい呼び名の説明というのも、WEシリーズでした方がいいかもしれないですね。ありがとうございます。
テルミンの記事・・・あんな懐かしいところまで見てくださってたのですか〜^^;
ほんと、これ以上ないほど情けない音でブーたれてまして。
アーカイブがぱっぱと開かなくってゴメンナサイ。
これからもどうぞよろしく!
感動的なドキュメント、わくわくドキドキしつつ読みました。こんなドラマを体験なさったハニフラさんご一家がうらやましいけれど、読んでいる私も追体験した感じになるほど臨場感にあふれていましたよ!
動画は目を見開いて「黒くてよくわからんー!」と叫びながら…(笑)
おっぱいの奪い合い、あの後足ずりずりがかわいいですねえ!
最近のことではないとわかっていても、思わず「ソフィ、でかしたー、お疲れさま!」と言いたい。
Bunさん、「つづき」がすっかり遅くなってしまいました。
追体験したように、少しでも感じていただけましたら本当に嬉しいです。
私も、つい今しがたのできごとのように覚えていますので、勝手に筆が進みました。
で、気がついたらえらい長文に・・・^^;
仰るとおりなのです。
黒犬、写真を撮っても、動画を撮っても、何がなにやらさっぱり。黒い塊がごにょごにょしている映像がいっぱいです。
うっうっ。
あ、今回、パカパカいかがですか?
ソフィにねぎらいのお言葉、ありがとうございます。私達も、いまだに時々話しかけてます。
「偉かったねえ、
立派に育てたものねえ」
って。
2年の歳月を隔てて、これから子犬たち、育っていきます。こんな長編にはもうならないと思いますので、よろしければ今後も、どうぞお気軽にお楽しみくださいまし。
そうそう、今回は「パカパカなしで見えます!」のご報告を忘れてました。なにか対策してくださったのですね。
こめきまかい(タイプミスではありませんョ)ご配慮、ありがとうございます。
子犬ちゃんたちの育っていく様子も書いてくださるの? わー、楽しみー♪
「第三子 まだシワくちゃ」の写真、かっわいいですー。生まれたてはこんなにお鼻がつぶれてるの?
ぜひ、このお鼻がスラリと伸びる過程を見たいものです。(私の鼻は生まれて半世紀以上たつのに、なぜつぶれたままなんだっ!?)いや、これは愚痴でした…
ハニフラさんっ!
よよよ、ようやくブログ廻りできるようになりましたっ!
そしたらたくさん産まれてましたっ!!
ばんざーい。
いいですね、やっぱりお話聞いてるだけで先日まで欝だった自分が消え去って行きます。
ところで、かかりつけの獣医さんの「胎盤は下痢の原因になるから食わせるな」のお話しがちょっと気になって。
胎盤は確かに下痢の原因になります。
でも必ずしも、ではありません。
下痢をすると母体の体力が消耗してしまうからという考えもありますが、しかしそこに含まれるホルモンやタンパク質のことを考えるとやはり昔ながらの「産後の肥立ち」にはかかせない「母犬の食材」で、また一方でお産による産道の肥大・腫れ・痛みを必要以上に刺激しないためにも「胎盤食って下痢」は自然の摂理にかなっているのです。
私も娘を産んだとき、数日どころか4週間も痛くて椅子に座れませんでした。
そんな究極の状態の産後しかも直後などに固いウンチなんてごめんでしたよ。(^^;)
というわけで「胎盤食い」に一票。
これがいいたかったのです。
あ、私は食べてませんよ。
でも産婆さんに「持って帰る?お花のいい肥料になるわよ?」といわれました。
ボダイに食わす?とかも一瞬考えましたけど、やめました。
それだとあまりにもグロイので。(笑)
Bunさん、パカパカなしですか。良かったです。編集するときに少し注意をしたのですが、うまくいっているか分からなくて。ホッ。
Bunさんのコメント、いつもとてもテンポが良くて、ちょっとクスッとするこめきまかい言葉遊びが入っていて楽しいです。
Bunさんのお名前は、”文筆業”からかしら、と家族で話しています。
生まれたての顔は、もう、くっしゃくしゃです。ワタクシ親近感を覚えるほどです。
耳の穴も塞がってるのですよ!それが、10日もするといつのまにか目も耳も開いてきて、ちゃんと働くので驚きです。
しかし、目が開きかけの頃って、正直言ってコワイですよー。また写真をアップしますね!
とある篤志家の方から「使ってないPowerBookがあるけど、使う?」との太っ腹なお申し出をいただき、この機会に光ファイバーを導入。やっと動画が見られる環境とあいなりました(勿論これでコメントもじかに書き込めます)!
動画で見ると、表情もよくわかるし、ソフィさんをなでる手からもご家族の愛情が伝わってきて、熱いものがこみ上げてきました。
それにしても8頭とは。犬はお産が軽いといいますが、無事でなにより。ソフィさんすごいねえ、えらいねえ。子供たちの成長編も楽しみです。
kyokoさんの「胎盤食って下痢は自然の摂理にかなっている」というお話、なるほどです。わたしも確か産後しばらく緩下剤をのんだ記憶があります。
ああーKyokoさん、ご無事で何よりです。
正直、そろそろ本気で心配し始めていました。感染性髄膜炎にでもなられたんではないかとか、悪いことって考え始めると、どんどんそちらへ行っちゃいますから。
子犬を産ませるについては、本当にそれでよいのか等、ずいぶん考えたんです。
レスキューを待つ犬がいる一方で、意図的に犬の数を増やすのか?ブリーダーでもないのに?
でも、救いを待つ犬がいることと、計画的に、その犬種にとって良い子犬を増やすこととは、別の話だと思いましたし、ブリーダーではないからこそできる、ということも多いのではないかとの、自分なりの結論に達しました。損得関係ないですので、最高のことをしてやれますから(あ、ブリーダーさんにはそれができない、という意味ではないです。でも、限られた、良心的なブリーダーさんしかできないでしょうけど)。
おっと、これ、記事でも書いた方がいいかしら。
胎盤食い。
もう、とってもとっても納得いたしました!
なるほど、なるほど。
やはり、自然の摂理に間違いはないのですねえ。改めて感心しました。
いえ、我らも、昔からいいって言われてることなので、獣医さんには「分かりました!」とかイイコのお返事しておきながら、全部取り上げるつもりは内心なかったんです。
(先生ゴメンナサイ。)
んじゃ半分くらいは取り上げようかね、くらいの気持ちで臨んだのですが、実際はとてもとても。ソフィがバキュームです。
私達も結局、簡単には取り上げられないと見るや、「そんなに悪いものなら、野生の動物はどうするのさ」とか理由をつけて、あんまり取る気なし。
で、(また書くつもりでしたが)案の定、ひどい下痢でした^^;
しかし、その下痢も、ちゃんと理にかなっていたのですね。お産の経験がないものですから、その辺はまったく考えが及びませんでした。Kyokoさんのコメントを読んで、思わず膝を叩いた次第です。
遠く、ベルリンからプロフェッショナルにアドバイスいただけるなんて、ほんとに幸せ者です、我らも犬たちも。
う・・・胎盤は、ほかほかしてるうちならいいですけど(いいのか?)、お持ち帰りは、ちょっと・・・
そこだけ、花が咲き誇ってもちょっとフクザツだし。
ボダイ君、与えたら食べたかしらん。Kyokoさんの体のもと一部だって、分かったら食べないかも?
Ayaさん、おお、PowerBook+光ファイバーですか。もう怖いものなしですね!本当に太っ腹なご友人がおられて、良かったです。
私なんて、歴代のMacはセコくセコく置いてますもの。もったいないと言うより、なんだか愛着があって。
コメントいただくのにお手間をかけずに済むようになってよかった〜。
ソフィの出産を見て、犬が安産のお守りだというのにとても納得したのですが、トレーナーさんなんかに聞くと、2時間で7頭(第八子が何時に産まれたか謎なので)は、犬の中でもずいぶんスムーズなんですって。
私達が嬉しかったのは、ソフィが家族に対して、まったく神経質にならなかったことです。お産という特別なことの最中でも、安心しきってくれていました。
お産の後に緩下剤を使うのですね。
考えてみれば確かに、産後まもなくから、トイレでいきむなんて、経験のない私でも、辛いであろうことは容易に想像できます。
でも、未経験の情けなさ、そこへ考えが及びませんでした^^;
犬のあと産は、自然から与えられた緩下剤、人間が横から取り上げるようなことをしてはいけないのですね。
本当に目から鱗でした!
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