6/30/2010

犬めしの御師匠



週末、また大阪に帰ってました。
今回は単身で。


この季節のお楽しみ、本村先生の関西セミナーを受けるためです。


このセミナーを受け始めて、どのくらいになるのかな。

とにかく、毎回なるほど!と瞠目する話が聞けるので、楽しみで仕方がない。
シーザーさんが、犬本来の自然な状態がどういうものかを、心の面から教えてくれるなら、本村先生はそれを体の面から教えてくれる。




今回のタイトルは

 『自然治癒力の3つのバランス』

待ってました!
なにがなんでも聞きたいぞ!!


てなわけで、凄まじい豪雨をついて嬉々として車を走らせ、約440kmの道のりを関西へ戻ったのだ。






明け方6時過ぎに家に着き、3時間ほど仮眠。

セミナーは昼過ぎからだったが、2時間前に集合して、このセミナーのお世話をしてくれてるYuさん(ジェニ母さん)と、お勧めクロワッサンサンドを買ってきてくれたルフュママさん、はるばる岐阜から新幹線を飛ばして(?)きたしょこらさんと”ランチdeおしゃべり”。

案の定、2時間では全然足らんかった。

           ダロウネ

先生が登場し、講義が始まろうかという時には、ルフュママさんが
 「自然治癒力か・・・いよいよ本丸ですよね」
と嬉しそうにニヤリとしたものだ。




話のキモは、
『内分泌系、自律神経系、そして免疫系の3つのバランスがとれて初めて、強い自然治癒力を作ることができる』
というもの。


それぞれについて詳しく講義があったが、本当なら10時間くらいかけてしゃべりたいところを、3時間半に圧縮するからたいへんだと先生が言われた通り、一瞬も気を逸らせない濃厚な内容であった。




病気にならずに、健康に犬たちに生きてほしいと思う時、”免疫系を強化する”という枕詞にはどうしても惹かれてしまう。

でも、免疫力を上げる食材やサプリメントを摂っても、それだけではうまくいかない。
内分泌系と自律神経系がきちんと働くような生活をすれば、免疫力は自然に高まってくる。


そして、内分泌系と自律神経系がきちんと働く生活、というのが、見事に「自然な生活」そのものなのだ。


例えば、内分泌系を刺激する方法(つまり健全に内分泌系が働ける環境)は、

  朝の光をちゃんと浴び、
  朝の新鮮な空気を吸い、
  夜はちゃんと暗くなり、
  夏には暑く、
  冬には寒く、
  絶食も時々あり。

当たり前のようだけど、都会暮らしの犬や猫には、これが難しいことが多い。

        夕闇迫る大阪の裏庭

我が家だって、そうだった。
日中はずっと室内だし、私の仕事が忙しい時期は、朝の散歩はトイレだけで、存分に走り回るのは夜中、ということもあった。


でも四万十に来てからは、がらりと変わった。

朝一番に全員でまずは外へ出る。


朝露に濡れながら走り回って、のどが渇いたら敷地の奥の湧き水で潤す。


家に入るのは、暗くなってから。晩ご飯を食べてちょっと甘えて、寝るだけ。
絶食は、もともと様子を見ながら頻回に取り入れていたので、これは変わりなし。

何も考えず、自然にそんな生活になっていたのだが、今回の講義を聴きながら、
 「四万十に来て良かった・・・」
としみじみ思った。


たぶん、豊かな自然の中に放り込まれれば、理屈を考えなくても、生き物はひとりでに、自分の心身にとってよりよい生活スタイルをするようになるのだろう。




本村セミナーのすごいところは、上記のようなことが何故良いのか、という根本的なことが分かることだ。

例えば、絶食がなぜ大事か?という話。
単純に、解毒のためとか、肝臓や消化管を休ませるためということだけが理由なのではない。


低血糖時に、血糖を上げる働きをするホルモンは何種類もある。
対して、高血糖時に、血糖を下げる働きをするホルモンはインシュリンただ一種類だけ。

あ、ほんまや、そう言えばそうだなあと聞いていて、次のくだりで「おお、なるほど!」と心の中で膝を打った。

野生の状態では飽食はあり得ないのだ。

何日も獲物が捕れなくて、低血糖になるリスクには常に直面している。
だから、その危機を乗り越えるためのホルモンは10種類ほども用意されているのだ。

          飽食の屋形船

ところが、現代の飼い犬たちは飽食の時代に入り、低血糖を改善するホルモンはほとんど刺激される機会がなくなった。
使われないホルモンは、分泌されなくなってしまう。

絶食で、めっきり使われなくなった血糖上昇ホルモンを刺激してやれば、そのぶん内分泌系は活性化される、というわけである。


こうやって聞いていくと、こうするのが健康にいいからやりなさい、とただ項目だけを羅列するのとはまったく違ってくる。
シーザーさんと同じで、根本的なことが分かるから、応用が効くのだ。
おかげで、Kyokoさん健康講座も存分に活かせるし。




かように、たいへんに中身の詰まった3時間半を堪能した。


あ、免疫系のところには、ちゃんとpsychoimmunology(精神免疫学)の項目も入ってるところが本村先生らしい。
心理社会的因子が免疫系に与える影響を科学的に研究する分野の話である。
(それをううーんと噛み砕いて話してくれる)






いつも、このセミナーに出ると、気づかぬうちに表面的なことに目と思考が向きがちになってることに気づかされる。

人間が、犬たちにしてやるべき『良いこと』はシンプルに。
あとは、彼らの体と、自然とが、すべてちゃんとやってくれる。


先生が言っていた。
 「手づくり食をして、セミナーに出る人は、
  熱心なのだけど、熱心すぎることがある。
  手づくり食はシンプルに。やたら多種類の食材を
  入れればいいというものではない」
と。

少し足りないくらいが、体にはちょうどいいのだ。
外から与えられるばかりではなく、体自身が、健やかであろうと頑張ること。
それが、生きているということだ。


6/22/2010

おまかせで。


先週末、民族大移動してきた。
大阪へ一家で戻ってたのだ。

用事はふたつ。
  私の散髪。
  犬たちの受診。

どっちも、そんなん四万十でやれ!と言われそうなことばかりだが、まだ安心してお任せできるとこが見つかっていないので、今回は馴染みの場所へ行くことに。






犬たちの受診内容は、まず、毎年恒例の血液検査と、フィラリアのチェック&投薬。
ソフィの避妊手術を決めたので、その相談。
そして・・・またもや災難に遭ったハニーの診察。

          サンザンッス




血液検査は、全員問題なし。


ガディ爺さんは、最近ときどき息が荒いのが気になったが、心音などには問題ないとのこと。
肛門周囲10時の方向にできものがあって、1年半かけてだいぶ育ってきたけど、このまま見ることに。

先生には「この大きさの犬で15歳は、奇跡のような年齢です」と言われた。
寝起きはヨロヨロしてるけど、散歩に行けば40分くらいは小走りだもんね。周りにはもっと年上の達者な犬たちがいるし。


体重は、13歳頃までは、ずっと30kgだったけど、去年は26kg、今年は25.5kgとだいぶ落ちた。
もともとやせっぽちだったから、減少分は、筋肉かなあ。


相変わらずビビリのウェルは、診察台の上でオモラシ。

          バラサンデヨ・・・

ハニーはオモラシ&うんこ。先生、手早く片付けながら冷静に「いいうんこです」。

そうだ、昨年、ホープが股関節をチェックしてもらうためレントゲンを受けた時、どえらい迷惑をかけたんだった。
「撮影時、下痢便を噴射しました」と先生がまじめな顔で言われたことが脳裏に甦った。

噴射・・・

          バラサレタ

良かった、今回はキッカブルなうんこで。
(いいのか?)


我が家の女子チームは、全員がヒート中なので(一ヶ月ほど早くヒートになったソフィに、他の2頭がつられた)、避妊は8月頃になりそうである。
ヒートが完全に終了して、そこから更に1ヶ月おくと、卵巣や子宮が十分落ち着くのだそうだ。

     ウ;オペダッテ ソ;合点承知!

オペって何か分かってる、君たち?

避妊はだいぶ迷ったんだけど、四万十に来て決心がついた。
またその辺りはゆっくり書きたいと思います。
(いつもゆっくりなんやけど)




7頭一度に診てもらったので、ふたつある診察室を一時間ほど占領することに。

私が診察室で付き添い。
外で愚弟が次の犬を連れて待機&終わった犬の受け取り。
歩いて2分ほどの駐車場で、冷房をかけた車内で母が他の犬達と待機。
ベルトコンベアに乗ってるように、どんどん犬を入れ替える。

間に別の患者さんを診ていただいてけっこうですとお伝えしてあったのだけど、一気に診てくれました。

        ヤレ 続ケヤ 続ケ


この病院が近所に開院した時から、長かった我が家の獣医巡りは終わった。

よけいなことは言わないけれど、大事なことはしっかり話してくれる先生方が気に入って、ずっとお世話になっている。
食餌についてだけは、まったく方針が合わないんだけど、他は全部満足。

ムギが急変した時も、ソフィの妊娠中も、生まれた子犬たちも、みんなここで診てもらった。
我が家のホームドクターである。
この病院があると思うとホッとする。四万十へ持って行きたいんだけどな、病院丸ごと。

そうも言ってられないので、頑張ってかかりつけを探さなきゃね。




そんなこんなで、今年の健康チェックも無事終了。
ずっと気がかりだったので、ホッとした。








今回、楽しい出会いがふたつあった。

ひとつめは、ブログでお知り合いになった、ミニチュアシュナウザーのJOJOくんとJOJO父さんに偶然お会いできたこと。

同じ裏庭(毎度すみません、公園です)で遊んでいたらしいのに、大阪在住中は一度もお会いできずじまいだった。
競技会で同じ時間帯に会場にいたこともあったのにね(JOJOくんはアジリティを頑張ってます)。


犬を交換しに病院の前に出ると、愚弟とお話中だった。

愚弟によると、病院の表で立っている時、向こうから犬連れの男性が歩いてきて目が合ったので「こんにちは」と挨拶したのだそう。
すると男性が「こんにちは」続いて「四万十から帰っておられるんですか」
JOJO父さんのことを全く知らなかった愚弟は腰が抜けるかと思ったという。

           どひゃ

ま、そらそうだ。
通りすがりの人がそんなコアな(?)情報持ってたら、驚くわな。
なんでも、ブログで見た愚弟の風体と、連れてる犬から、「もしや!」と思って声をかけて下さったらしい。

びっしょ濡れのJOJOくんは思ったよりずっと小さく、くるくる巻き毛が地肌に貼りついてとても可愛かった。


私はJOJO父さんともちょびっとしかお話しできなかったのが残念。愚弟は「めっちゃええ人やった」と喜んでいた。
今度はゆっくりお話しできるといいな。




もうひとつは、久しぶりに広大な裏庭でガディを散歩させたときのこと。

オフリードのビーグル2頭と、オンリードのバセットハウンドをつれた男性とすれ違った。
もちろんビーグルたちはガディのところへ走ってきて、お互いに挨拶。進行方向が逆だったので、飼い主同士も挨拶だけ交わして別れた。


公園をぐるっと一周したところで、反対回りしてきたそのチームとまた会った。
と、ビーグルの一頭、どうやらベン君というらしい(飼い主さんが呼んでた)が、キューキュー鳴きながらガディに寄ってくる。どうやら、ガディが気に入ってしまったようなのだ。

ガディは年寄りらしく、完全にマイペース。なのにベン君は後をついてまわる。
まるで大きさは違うのに、親子みたいにガディを慕って、一緒にマーキングしたりする姿は、とてもいじらしかった。
飼い主さんがいくら呼んでも、ガディから離れない。

仕方がないので、最終的には私がベン君を飼い主さんのところへ連れて行き、リードにつながれる羽目に。

ガディ爺さん、万人(万犬?)受けするわけではないけど、実は昔からけっこう熱烈ファンがいるんだぜい。

          ツイテコイ。

また帰阪した時には会えたらいいね。


いずれも残念なのは、カメラを持ち歩いていなかったこと。
ちゃんと四万十から持ってきたのに、大阪では家に置きっぱなし。
JOJOくんの写真とか、ガディとベン君の仲良し姿とか、撮りたかったものだ。
やはり、カメラは必携だな。






久しぶりに古巣で他の犬たちと交流できたせいか、四万十に戻ってから、ガディが以前より生き生きしている気がするのは、嬉しい限りである。


犬たちに負担をかけまいと、行きも帰りも夜中に移動したせいで、飼い主は死にかけてるけど。
(月曜日は朝帰宅して、犬を散歩させて、そのまま出勤した。しかもその夜は当直だった。)






あ、そうそう、大阪でのもうひとつの用事、私の散髪ね。
今お願いしてる美容師さんも、獣医さんと同じく、ようやく見つけた人。
安心して任せられる。
今回も、小池さんみたいな頭にしてもらい、大満足で四万十に戻ったのであった。わはは。




やっぱり、長年の付き合いがある、こちらのことを分かってくれてる、というのは、他の何にも代え難い価値があるよね。

6/09/2010

犬の御師匠

ほんとは6月1日にアップするつもりで書いてた記事でした。
変に手直しして話がおかしくなるといけないので、もうそのままアップします。
いや、手直しが面倒だからとか、そういう理由ではけっして。


今月7日から、ナショナルジオグラフィックチャンネルで、私の敬愛するドッグトレーナー、シーザー・ミランさんの番組『Dog Whisperer』が始まります。
それを観たいばっかりに、初めて有料放送(スカパー!)に申し込んでしまいました。


2007年にも一度、NHK-BS2で放送されたが、そのときのタイトルが

 「さすらいのドッグトレーナー
          あなたのダメ犬しつけます」


という、まったく番組内容を理解していないもの。

理解していないどころか、わざとかと思うほど、シーザーさんのポリシーと正反対である。
シーザーさんは、「ダメ犬」なんて絶対言わないし、訓練するのは飼い主の方だといつも言ってるのに。
ちゃんと番組見てつけたのか?

           オイオイ


で、今回は本家ナショジオでの放送だから、邦題も大丈夫だろうな!?とちょっとドキドキしていたのだが・・・

 「ザ・カリスマ・ドッグトレーナー
           犬の気持ち、分かります」


声に出して読んでみよう。
なんだか、3年前のNHKのタイトルに引きずられてるよね。
ずいぶん改善はされたけど。



私がシーザー・ミランさんのことを知ったのは、2007年の放送直前のことである。
当時、ブログを愛読していた川野なおこさんという素敵なドッグトレーナーさんが書かれた記事で。
    ↓
  シーザー・ミラン

たいへん楽しみに放送開始を待っていたのに、当時は非常に忙しかったこともあり、ついに一度も見られずじまいであった。

そのまま、気になりつつ日が過ぎていった。




再び私の中でシーザーさんが大きくなったのは、あがさんのブログを訪ねるようになってから。
貴重なシーザーさん情報を現地LAから発信(それもとても情熱的に)して下さるのです。

当たり前じゃない、おかーさんはシーザー教の大司祭なのよ!


あがさんのお陰でナショジオの配信動画を知り、観るうちにどんどんハマってしまいました。
私以上に英語が分からない母も、シーザーさんの表情と犬の変化を見ればすごさは分かったようで、親娘揃って、めでたくシーザー教に入信。

           入信の証。
左側のペーパーバック『Cesar's Way』は、あがさんがわざわざ送って下さったもの。
訳本(『あなたの犬は幸せですか』)には書かれていないシーザーさん入国のくだりなど、ハラハラしながら読みました。


おかげで、我が家の犬たちも以前に比べればずいぶん幸せになったと思う。たぶん。

         だよね、ソフィ?

          シーザー最高!




シーザーさんの理論は、筋が通っている。
彼が伝えるのは、犬が「犬として」幸せであるとはどういうことか、人は犬にとってどういう存在であるべきか、というもっとも根本的なこと。

つまり、
犬は;
 安定した群れの中で暮らす生き物
 穏やかで毅然としたリーダーを求める生き物
 毎日群れと共に移動する本能をもつ生き物
これらを満たしてやってこそ、犬としての幸せが得られる。
ということである。

テクニックはそれを叶えるためについてくるもの。
上っ面のテクニックがメインではないから、自分と自分の犬に置き換えて考えることができる。




シーザーさんの理論は新しくない、という人もいるが、「”真理”に新しいも古いもないやんけ」と私は思う。
ただテクニックを追求するだけなら、新しいものが有り難がられるだろうけど。

       新しい鍋。さりげなく自慢。

例えば私は自分のドッグトレーナーから、散歩に出たら、飼い主が許可するまでオシッコをさせないように教えられていた。
公園の然る場所まで道草食わずに脚側で行き、そこでいったんスワレ、マテをさせてから、ヨシ、の号令で排泄、である。

「飼い主主導で散歩しなければならないから」という理解しかしていなかったから、超甘甘の私にすれば、「トイレは生理現象だし、途中マーキングしたいのも本能だろうし、そこまで厳しくしなくても」とどこかで思っていた。



でも、シーザーさんの説明は違ってた。
「リーダーに従って群れが移動する時、それぞれが前進するよりも匂い嗅ぎを優先させたら、群れはけっして食物にありつけない。リーダーに従って歩くのは、犬にとって生きていくために自然なこと。」


そうか、リーダーが許可するまで、好き勝手せずについてこさせるのは、人間の支配力を誇示するためのテクニックではなく、もっと本質的なこと、犬にとって自然なことなんだ!と理解したとき、散歩はぐっと明るく、楽しいものになったのだ。


今まで長年私が受けてきた説明は、「人間がリーダーであると示すため」という人間サイドの都合ばかりだった。

間違いではないが、これでは半分しか説明できてない。
どうしても「かわいそう」「うちの犬は順位はもう分かってるもん」という気持ちがつきまとう。


シーザーさんの視点は、犬の側にある(犬が優位という意味ではない)。
「こうすれば、犬がみずから喜んで人間をリーダーと認めて従いますよ」という説明だ。

今自分が犬に対してしていることが、犬にとって自然なことである、と言われれば、こちらも自信を持ってふるまえるというものだ。






シーザー教の教えにはいろいろあるが、私が特に感銘を受けたのは、

犬に与えるべき大切なものは「運動・規律・愛情」、
  この順番で。
リーダーたる人間に必要なのは、
 ”穏やかで毅然とした”態度。
一緒に歩くことで、群れのリーダーとして、
  犬と真の絆を結べる

もちろん、これはごく一部なんだけど。
もう少し詳しく言うと、


運動・規律・愛情ーこの順番で

これは、犬が生まれながらに持つ欲求の自然な順番なんだって。
私は、完全に、愛情、規律、運動の順番で与えていたと思う。人間ならこの順番でも良かったのかもしれない。

だが、狼の子孫である犬は、食べ物や水を探して何十キロも歩くことが本能であり、群れの一員でいられるために群れの規律を守るのが本能だ。

本能を満たしてやったとき、犬は犬として幸せになれるのだ。




穏やかで毅然とした態度

シンプルな表現で、これほど的確に理想のリーダー像を表すことができるとは。


「散歩の時もあなたがリーダー。頭を上げて胸を張り、肩の力を抜き、穏やかで毅然とした態度で歩く」
シーザーさんのこの言葉を頭において門から一歩踏み出したら、その瞬間から犬たちが変わりました。

それまでの脚側歩行は、「しなければならないからしている」だけだったのだが、私の心の持ちようが変わった途端、リラックスしてごく自然に横を歩き始めたのだ。

犬が喜んで私の隣を歩いていることに気づいたときは、嬉しかったなあ。


一緒に歩く

「群れとともに移動する行為は生まれたときから犬の脳に組み込まれている」

それまで、散歩は運動と刺激のためのもの、と思っていたから、オフリードもしくはロングリードでできるだけ自由にさせていたが、このシーザーさんの言葉には目から鱗が落ちる気がした。

ただやみくもに走り回ってエネルギーを発散させればよいわけではない。
リーダーたる威厳を持った飼い主とともに外の世界を歩く、ということが犬には必要だったのだ。






目からウロコばかりではなく、これまで父やトレーナーに教わったことを、再確認できる事も。

例えば、父からは教わったのは、

「犬が怖がった時は絶対に”ヨシヨシ”だの”大丈夫やで”とか声かけたらいかんぞ。
例えば急によその犬に吠えられたりした時、犬は必ずさっと飼い主の顔を見上げる。
そんな時飼い主が素知らぬ顔で、吠え声なんてあまりにも些細な事すぎて気づきもしなかった、という風情でいれば、犬も『ああなんや、どってことないんや』と思う。
犬が怖がっていないか見たり、まして声をかけたりしたら、犬は『やっぱりこれは大変なことなんや!』と認識して怯えるようになる」

ということだった。

          ボク怖イ〜!

うそこけ。


シーザーさんの「犬が怯えている時に愛情をかけてはいけない」という話と、この父の話がつながった時、真剣に犬と向き合えば、国や時代が違っても、出てくる答えは同じなんだ、真理ってそういうものなんだ、とちょっと感動した。




私がシーザーさんを好きなのは、犬にも、人にも優しいから。

犬の専門家なんだから、犬の心理や行動が分かって、導いてやれることは、まあ当たり前かもしれない。

シーザーさんは、犬に対する以上に、飼い主の心を汲み、まさしく「穏やかで毅然とした態度で」導いてくれるのだ。


いたずらに厳しい事を言って飼い主を傷つけることも、当たり障りのない言葉ばかり並べてうわべだけうまくやっていくこともしない。

犬に会う前に飼い主とじっくり話をしながら、心の奥に隠された、一見犬とは全く関係のない(でも実は犬との関係にも大きく影響している)悲しみやトラウマを見抜く。
そこから脱するために必要な事ははっきりきちんと伝える。
そしてしっかり飼い主の手を握って泥沼から、乾いた暖かい大地へ引き上げる手伝いをする。

シーザーさんを見ていると心がぽかぽかと暖かくなり、元気が出るのだ。


笑顔も、とってもチャーミングだしね。




私があれこれ言うより、もっといい方法でシーザーさんを知ってくださいまし。

お勧めは、あがさんのブログ『SMILES@LA』で、”シーザー・ミラン”カテゴリの記事の読破。
エネルギー理論とか、大変分かりやすく書いて下さっています。
古い順に読むのがよりよろし。

しかるのちに、上に書いたナショジオの動画とか、とか、DVDとかをご覧になって下さいませ。


もし心に響いたら、ようこそ、シーザーワールドへ!






えっと、それからシーザーさんに見入っているソフィの写真ですが・・・

すみません、やらせでした。ターゲットは大羽いりこ。

          イリコ最高!

ソフィ!シッ!シッ!!