11/19/2007

Wellnessのわけ


毎月0のつく日はWellness expressとして、頭関係を中心に、健康についての記事を書いている。

Dogblogなのに、なぜ
健康の話?


Blogは日記だから、
別に気兼ねなく、書き手が書きたいことを
書けばいいとも思う。
だから、花火の話だの、テルミンの話だの、いろいろ
書いてる。

だが、Wellness express(長いので、以下WEと略)は、明らかに読み手に向けて書いていますよね。
なんでか。

WE 5を明日に控え、私の思いを説明します。


これまでのWEでお察しかとも思うが、私は脳神経外科医として働いている。
仕事をしていて、”ほんの少しの知識があるだけで、もっと後遺症が軽くてすんだ、あるいは命が助かった、かもしれないのに”と思うことがしばしばあるのだ。

 「昨日の晩から手が動きにくかったけど、寝たら
  治るかと思って様子を見ていた」
 「頭を打ったけど、外に血が出たから中は大丈夫
  と思って様子を見ていた」
  ・・・・・・
”様子を見て”からでも、治療が奏功すればそれでいい
のだが、取り返しのつかない結果になることもしばしばある。











              ケンカしても

ではちょっと異変があれば、いつもいつも、夜中でも
明け方でも、病院にとんでいかねばならないのか。
それでは、毎日気が休まらない。
人間、生きていれば、別に病気でなくても、頭痛がすることもあれば、手が痺れることもある。

大事なのは、ポイントをきちんと知っておくことだ。


最近TVでは、医療関係の番組が多くなり、一般の人の
知識もだいぶ増えた。

だが、TVでは番組としてのインパクトも大切なため、
どうしても情報が偏ったり、一気に多くを詰め込みすぎたり、実生活にはうまく組み込めないなと、見ていて
思う。










                   小競り合っても

だから、外来に来た患者さんには、検査結果が異常なくても、
「今回は大丈夫でしたが、こんな時は要注意なんです」というように、なるべく分かりやすく話をして、知識を増やしてもらうように努めてきたのだが・・・


もう半年以上も前になるが、ある人が、クモ膜下出血で亡くなった。
その人は、私のブログ友達の、ブログ友達だった。

直接の交流はなかったが、2〜3回、ブログを見に行ったことはあるし、私のブログ友達に入れているコメントをいつも目にしていた。

その人が亡くなったのを知ったのも、そのブログ友達の記事でだった。驚いて見に行って、ショックを受けた。


2日間に渡り、激しい頭痛をブログ上で訴えていたのだ。

朝から頭痛がひどい、午後からはガンガン状態だった、肩の筋肉が硬直している、薬も著効なし・・・
脳外科医が読めば、誰でも「クモ膜下出血」の病名が
よぎったはずだ。

その人は、頭痛をおして犬の散歩に行き、
写真を撮り、ブログを
書き、そして、3日目に
倒れ、帰らぬ人と
なった。

頭痛が出たとき、すでに出血していたはずだが、頭痛
だけということは、その時に治療を受けていれば治った可能性は十分あったのだ。
3日目に、再破裂したのだろう。WE 4で書いたように、再破裂したときの死亡率はほぼ90%だ。

もし、私が記事を目にしていたら、早く病院に行って
CTを撮ってもらうよう急いでコメントかメールを入れただろう。実際、他のブログ友達には、そのように勧めたことがある。幸い、その人は異常はなかったが。


だが、彼女は逝ってしまった。
今さら、「私が見ていれば」と言ってみたところで、
なんの意味があろう。



直接の交流はなかったのに、その人の最後の記事を読むたび、今でも
涙が出る。

その人自身は写ってないが、犬たちの幸せそうな写真。
クモ膜下出血の、あの激痛をおしてでも散歩に行くほど、その人が愛していた犬たち。それほど犬を愛する人は、当然ご家族も愛していたはずだ。

愛する家族も、犬たちも遺していかねばならなかった
無念さ。
遺されたご家族の悲しみ。
そして、人間と違って、ママが急にいなくなった理由を言葉で説明してもらえない、犬たちの寂しさ。

その人がこの記事を書いた時には、そのような事を
すべて回避する道がまだ残されていたかもしれないのに・・・。


このできごとが、私がDogblog expressを始めるに当たり必ずWEシリーズを書こうと決めた理由である。

犬が幸せであるためには、まず飼い主が、その家族が、健康で幸せでなくては。

まずは自分の専門分野から、できるだけ分かりやすく、伝えたい。知識を並べるだけではなく、ちゃんと頭に残って、実際に生活に生かしてもらえるように。
そう思って、毎回書いています。















                          ほんとは仲良し

ただ、人間の身体はひとりひとり違います。治療方針
ひとつとっても、ケースバイケースで、様々なパターンがあります。
それをいちいち書いていては、結局こんがらかるばかりで、実際の役に立ちません。

だから、枝葉をばっさり落とし、非常にシンプルに
書いていますので、実際に気になることがあったとき
には、ここの話を基礎知識として頭に置きつつ、
かかりつけ医に相談するか、私宛 kawatas10@gmail.com に訊いていただければと思います。

           キイテネ
        (左からソ、ル、ウ)



我々脳外科医が、暇になることを祈って。

          ル、ソ、ガ




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ブログランキングに登録しているのも、少しでも見て
くれる人がいるかと思ってのこと。
そんなところにでも出てなければ、ほとんど誰の目にも止まらないだろうから、意味がない。
だから、別に順位はどうでもいいのだ。

6 件のコメント:

MK さんのコメント...

素人的感覚だと、お医者さんは相当遠い存在なんですよね・・・。

 本当に敷居が高い。
いつ行ってもいっぱいだし。

今は暇人ですが、会社勤めなど社会生活を送っていると病院に行く時間はなかなかとれず。

 なんとか決心して病院に行ったのに、お医者さんに、本当に軽く扱われた(と感じた)ときのやるせなさなどを考えると。さらに肢は遠く。症状が軽いゆえの対応なのでしょうが、余裕がないと誤解してしまうんでしょうね。

 最近は、お医者さんのイメージも変わりましたが。いい人ばかり。

 病院にいくかいかないか。今までの経験や聞いた話しを総合して、自己判断するわけです。この『聞いた話』っていうのが相当いかがわしくて。

 正確な、わかりやすい情報を提供してくださるのは、助かります。少なくとも、僕とその周りの人たちには必ず。今後もよろしくお願いします~。

ウズラ さんのコメント...

やはりそうであったか・・・。
あなたが意識しておられることはそういうことじゃないかな?と思いながらいつも読んでおりました。
後からは「タラ」「レバ」いろんなことを思うもの。
我が父の死だって、どうにかなったのではないか?といまだに思うし、きっとずっと思うだろう。でも仕方ない。その繰り返し。
でも、その方も我が父も、最終的には本人の選択の連続の結果でしかない。おそらくご家族は悔やんでおられるだろう。
残された者はそれぞれ犬達に救われている。
説明まではわからずとも、犬達はすべてを理解している。
それについては深く尊敬し、感謝しています。
だから見習って、「たまにしか泣かない」と決めています。
ランキングのカテゴリーは「犬」でよいの?「医療と健康」にも半分でも入れているのかしら?

ハニフラ さんのコメント...

MKさん、私も病院にかかるの嫌なんです。
注射されるのも嫌い。

偉そうな医者は今もけっこう多いですよー。
隣の診察室から聞こえてくる声を聞きながら、呆れることもあります。
医者ばかりでなく、患者さんの方も色々ですけどね。

「聞いた話」ね、玉石混交ですよね。意外によい情報も入ってたりするのだけど・・・。
お婆ちゃんから教わるような「聞いた話」は、大切だと思います。
医者まかせにしなくても、自分たちで自分たちの健康がきちんと管理できていた時代の、本当に値打ちのある知識がたくさん含まれています。最近の健康雑誌なんかよりもずっと。

MKさんも、若いからと油断せず、健康には気をつけて下さいね!

ハニフラ さんのコメント...

ウズラさん、そうであったのですよ。

今さら言っても仕方ないこともあるし、それを基にして、これから何とかしていけることもある。そこの見分けをちゃんとしなくちゃと思ってね。

ランキングカテゴリー、犬だけです。
「医療と健康」に入ってる人達にも見てもらえればいいけど、むしろ、そんなカテゴリーに興味のない人にこそ、見てほしい。

だから、興味のない人もつい読んでしまうような、取っつきやすさを重視しているつもりです。分かりにくいところがあったら教えてくださいね。

jick-jick さんのコメント...

はじめまして 夫jick-jickです
ちょっと気になる頭痛が以前にあったので
気になってます。
物心ついた時からの偏頭痛?持ちで
人ごみの中、体調の崩れる前などに
後頭部に激しい痛みと嘔吐、時間にして約2時間くらいでしょうか、何とか眠くなって一眠りするとケロッと治るという事を繰り返していて
小学生の高学年ではあまり起こらなくなってきてましたが
その頃から急激な肩こりからくる?頭痛が激しく
現在に至ってます
数年前には後側頭部に短時間(3~5秒間)に味わった事の無いくらいの激痛と共に嘔吐寸前までの痛みが入ります
MRI検査も受けましたが異常なし。(函館市の脳神経外科専門医)
今現在は起こってませんがチョット気になってます
検査の結果解った事は頚椎の7、8番?が伸びきってない?詰まってる?事が発覚
おそらく先天性のものではないかという回答でした
それが原因で肩こりがおきやすく、頭痛とはうまく付き合っていかなければならないと。

そこでクモ膜下がとても気になってます
MRI検査は毎年でも受けた方が良いでしょうか?
宜しくお願い致します

ハニフラ さんのコメント...

ウズラさんのご主人jick-jickさんですね、はじめまして。

お話を拝見しますと、幼少期の頭痛は、おそらく片頭痛でしょう。成長とともに軽快することもありますが、その後気にしておられる頭痛も、片頭痛の要素が残っていることは十分考えられます。

頸椎は7個の骨から成りますが、病気でなくても、並びがちょっと不自然な人はけっこういて、肩凝りが出やすいです。

いずれ記事で詳しく書くつもりですが、片頭痛と、肩凝りからくる頭痛は混在していることも多いのです。ひどくなると、主に後側頭部に、触れることもできないくらいの激痛が走ることもあります。
(どちらも、症状は辛いものですが、怖い頭痛ではありません。)

対応としては、鎮痛薬を早めに飲むことです。我慢してからでは効きが悪いです。
でも、いつもと感じが違うときは、まず受診してからにしてくださいね。

あと、MRIで動脈瘤がないのであれば、クモ膜下出血の心配はありません。
しかし、もしご家族でクモ膜下出血になった方がおられるなら、数年に一度受けてみてもいいかもしれません。家族性の動脈瘤というのがありますし、一回のMRIではうまく検出されない動脈瘤も中にはありますから。

脳の病気は、動脈瘤だけではないので、ご心配なら、健康診断のつもりで年に一回受けられてもいいのではないでしょうか。