毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
私がこれを書くわけは、こちらに。
長かったクモ膜下出血シリーズも、今日でおしまい。
クモ膜下出血の症状、治療法、検査方法について書いてきたが、では、クモ膜下出血はどうなっちゃうから怖いのか?
ここらでそろそろ、クモ膜下出血になった場合の経過について書こうと思う。
それを正しく知らないと、未破裂脳動脈瘤にどう対応すべきか、考えようもないからだ。
ただやみくもに怖がってはいけないのは、何についても言えること。
怖ガラナイデネ
10人の人がクモ膜下出血になったとする。
3〜4人は、治療を受けるまでに亡くなってしまう。
さらにそのうちの半分の人は、病院に来る前にすでに
亡くなっている。
病院に来ることができ、治療を受けられた残りの6〜7人のうち、すべての合併症を乗り越えて社会復帰できるのは、半分、すなわち3人そこそこである。
3〜4人の人は集中治療を受けても、重い障害が残ったり、寝たきり状態になる。
非常に厳しい話だ。
他の脳出血と比べて、どうしてこんなに悪いのかというと、クモ膜下出血では、越えねばならないヤマが全部で
3つあるからだ。
ヤマ1:出血
↓
ヤマ2:脳梗塞
↓
ヤマ3:水頭症
なんで、クモ膜下「出血」
なのにヤマ2と3がくっついてくるのか?
一つ一つのヤマについて、
簡単に説明します。
耳カユイ
ヤマ1:動脈瘤破裂による出血
カイカイカイ
まあこれは当然だが、ここには再破裂も含まれる。
この1つめのヤマを乗り越えるために、WE4で書いたような、手術を行うのだ。
手術により、出血の危険は去り、ヤマ1を越えたことに
なる。
ヤマ2:血管攣縮による脳梗塞
カイカイカイカイ
クモ膜下出血の、この2つめのヤマもまた、高く、
険しい。
動脈瘤から出た血液が悪影響を及ぼし、脳の大事な太い「血管」が、「攣縮」つまり縮むのだ。
血管が縮むとは変な言い方だが、スパゲティほどあった脳血管が糸ほどに細ーくなると考えてほしい。
当然、血が十分流れなくなる。そして脳梗塞になる。
悪いことに、ほとんどの場合、脳梗塞は非常に大きい。
片方の脳が全滅することもある。
血管攣縮は、出血後4日目くらいから始まり、2週間以上にわたって続く。
せっかく無事に手術を終え、ヤマ1を乗り越えられても、ここで悪化する人が残念ながらいるのだ。
もちろん、最初からありとあらゆる手を打っているにも関わらず。
人事を尽くし、神様にお祈りして、無事ヤマ2を越えられれば、ほっと一息。
主治医の顔にもようやく安堵の色が浮かぶだろう。
ヤマ3:正常圧水頭症
プウ・・・
このヤマはあんまり高くない。命に関わることはない。
ヤマ1とヤマ2が富士山なら、ポンポン山くらいだ。
(地元の人間にしか分からん)
脳の周りや内部には、澄んだ水が循環している。髄液という。
毎日新しい髄液ができ、古い髄液は吸収されるのだが、出血の後遺症で、それがうまくいかなくなり、髄液が
あふれ気味になる。
これは3週間め以降に起こることが多い。
症状は、歩行障害・記憶障害・尿失禁。
手術で症状は良くなる。
ZZZ...
動脈瘤の破裂率そのものは1%と低いのに、
手術すべきかどうか皆が悩むのは、万が一破裂した時の病気がこれほど恐ろしい病気だからである。
でも、クモ膜下出血が何故起こるか、予防するにはどうすればよいか、治療方法は・・・もはや、すべて
お分かりのはず。
確かにクモ膜下出血は怖いが、対抗できる病気なのだ。
敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。
危ウカラズ!
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11/30/2007
Wellness express 6
ラベル: ヒトの健康
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