12/15/2008

犬の事は犬に


移住計画もまったく無い頃から、「もしもワタシが家を建てるなら」と、床材はあれこれ見ていたのだが、
2年ほど前、ソイルセラミックスという素材を知った。

ソイルセラミックスはタイルではあるが、やわらかく、犬の爪で傷がつく。徐々に表面がすり減っていく。

          (ジェニ母邸)

経年変化が、とてもいい味となる。いつまでも新品の美しさを望む向きには不評かもしれないが、我が家の好みにはぴったり。


初めてソイルセラミックスの床を見たのは、素敵な
フラット・コーテッド・レトリーバー、ジェニファーと暮らすジェニ母さん(以前、こちらでYuさんと紹介した方です)のおうちに遊びに行った時だ。

       才色兼備のジェニファー嬢

犬にもヒトにも優しく、素朴でありながら洒落た雰囲気に、すっかりとりこになってしまった。

んが、ジェニ母邸は、床のせいだけではなく、お家自体がお洒落なのであって、予算と睨めっこしながら建てた我が家で、同じ雰囲気が出せるかはまた別問題だが。

      屋上庭園にたたずむジェニさん
        ↑
  注:庭がないのではない。
    隣接して私設ドッグランをお餅、いやお持ち
    なのである。
    (今年のRETRIEVER 4月号を見てね。)


当然、床材を検討する時、私は最初からソイルセラミックスを希望した。

けれど、熱心な建築士さんは、ソイルセラミックスの他にも、同じメーカーのペット用タイルも取り寄せて、サンプルを送ってくれたのだ。
ソイルセラミックスに比べ、ペット用タイルは、より滑りにくく、汚れもしみこみにくいのでお勧めとのことだった。



しばらく迷った。

気持ちの上では、憧れのソイルセラミックスにしたかったが、メーカーが勧めるのなら、こちらの方がいいのだろうか。

床に並べて、裸足で踏んだ感じでは、タイルはひやっとするのに、ソイルセラミックスの方はそれがあまりなく、優しい感じだった。
それって、私のひいき目だろうか・・・?
でも、他の家族に訊いてみても、やはり決めかねるという。

         ボク、迷ッチャウ

待てよ。
犬のためを思って床材を選んでるのなら、犬に選んでもらえばいいではないか。
簡単で、間違いないやり方だ。
最初からそうすれば良かったのだ。


さっそくグローネンを連れてきて、踏ませようとした。
が、踏んでくれない。
タイルが小さすぎる様子。
ある程度、タイルの上で歩き回ってくれねば、有益な情報は得られない。

待てよ。グローネンがだめなら、チワに試してもらえばよいのだ。
最初からそうすれば良かったのだ。


さっそくチワ小屋に、サンプルのタイルを並べて敷いた。

          ペット用タイル

         ソイルセラミックス

キズをつけたり、汚したりして存分に調べて下さい、と業者さんから言っていただいていたので、あえておしっこゾーンの近くに敷いた。
(位置は適宜入れ換えをした)

こうして1週間ばかりハニフラに試用してもらったが、
大成功。
あっけなく、ソイルセラミックスに軍配があがった。
ワーイ。(←ひいきである)

         テスターの方々

まず、ペット用タイルは、滑りにくい分、汚れが落としにくかった。

落ちやすい、という触れ込みだが、実際の感触は逆だった。もちろん、上薬がない分、ソイルセラミックスは時間が経てば落ちにくくなるそうだが。

         アッチ行ッテヨ!

それから、ペット用タイルの方が硬い感じだった。
ハニフラは、自主トレの垂直跳びをよくやるので、分かり易いのだ。

また、爪が当たる音も、ペット用タイルの方が大きく響く。

こげな感じ。
薄い色(右側)の方が、ペット用タイルである。


音あり。澄んだ、美しい音ではある。


最終的にはショールームへ出かけて、全てのペット用
タイルとソイルセラミックスを十分チェックし、詳しく説明を聞いたうえで、結局ソイルセラミックスに決定。
念願叶ったり、である。

          こうなりました

予算的には苦しくなったが、私は大満足なのであった。
これで、無理なく外国暮らしである(=半土足)。
いちおう足洗場もつけたけど。
(ドッグドアもジェニ母さんちで実物を見て、真似。)



ガディ爺さんは、絶対くぐってくれないだろうな、
これ。

          クグルモノカ

12/14/2008

孤独の無毛地帯



先月完成した四万十川畔の我が家。


これを建てるにあたり、どうしても叶えたい事があった。
それは、
  『床を犬仕様にする』
こと。


以前も書いたことがあるが、うちの黒グロ軍団が3頭から4頭に増えた時点で、彼らの足洗い作業に音を上げた。

で、ダイニングを土足にして、万事解決。
・・・だったはずなのだが、

            ダガ?

ハゲた。

            エ

いや、喧嘩のハゲではない。あー、いや、喧嘩のハゲは至るところにあるんだけど、そうではなくて、ストレス性のハゲ。

         ウェルの喧嘩ハゲ

写真は撮っていなかったので出せないが、ウェルの
右大腿と、左前足に無毛地帯が出現したのだ。
とくに右大腿のは、500円玉3枚分はゆうにあった。

         ソフィの喧嘩ハゲ
             ↑
           1ヶ月前

最初は、皮膚炎か何かだろうかとも思ったが、なんだか様子が違う。
他に原因もなく、なにより、春頃からウェルの目が寂しそうな気がした。

同じ屋内とはいえ、我ら人間は居間でくつろぐ時間もけっこう多い。
そうそう外国(=土足の部屋)にばかりもいられない。

だが、犬たちはいつも人のそばにいたいのだ。


我らと彼らの間を隔てる、ペットゲートの上から伸ばせるだけ体を伸ばして、こちらに近寄ろうとする姿に、
この10月初めをもって、国境廃止することに決めた。
もちろん、全ての部屋を土足にしたのではナイ。


ふたたび、四六時中我らの傍にいられるようになって、無毛地帯はみるみる姿を消した。
そんなに辛かったのかい、ごめんよウェル。
他の子達もね。



が、人間は再び足洗い地獄に落ちた。


そんなわけで、今度の家は、そんなにゴシゴシ足を洗わずとも気軽に家に入れられるような床に、ぜひともしたかったのだ。
第一、しょっちゅう足を洗われるのは、犬たちだって嬉しくなかろう。

もうひとつ、今の床が滑りやすいことも気になっていた。
若犬もそうだが、足腰が弱くなったガディには、フローリングは酷である。
で、1年ほど前から、タイルカーペットを敷いているのだが、

        これがタイルカーペット

できれば、そのままでも足腰にやさしい床にしたいではないか。


そんなわけで、床材の話はつづく。

12/09/2008

その名は光


今日の写真は、黒くて分かりにくいので、
クリック拡大がお勧め!


ルースは他の犬たちとちょっと違う。
何と言うか、ぽんわかしているのである。


皆がごはんの気配を察知してダイニングへ馳せ参じているのに、独り居間でうろうろしていたりする。

甘える時も、他の子達と違って、体重をそのままぶつけてくるから、叱られる。



寝相ひとつ取っても、何となくそういう雰囲気が
ある。

たとえば昨夜。

        ルース、だ、大丈夫?

            ン?

たとえば今夜。

         これは・・・何?

    また小っちゃく畳まったね、ちょいと!

頭隠して尻隠さず的な寝姿。


          いい夢見てるの?



「お座りしてる子が好き」と母が何度か言ったら、
かまって欲しい時にはかならず座ってるようになった。

我らが外出から帰り、他の犬たちがワーイワーイと迎えに出て我先に甘えている時など、仲間の勢いに叶わないと思うと、すぐ輪の外に出て、三つ指ついて正座する。


こっちは足もとに群がる犬どもを、順位に従って撫でてやるのだが、ルースの番になって初めて、彼が輪の中にいないことに気づく。

はっと顔を上げると、少し離れたところで、見事なスワレをして、ひたとこちらを見つめる、無垢な目。



ああ・・・ルース、あんたって子は。



ガディの、糸が張りつめたような繊細さも、
ソフィの、目から鼻へ抜けるようなキレも、
持ち合わせてはいないが、その純粋さ、ひたむきさが、彼の良さなのだ。

我が家の光・LA LUZ、そのままでいてね。

            スピー

(La Luzは、スペイン語で「光」の意。愚弟命名)

12/07/2008

温泉土産


こないだ正月だったと思ったら、もう師走である。
日本の冬を、温泉抜きでは語れまい。

と、いうわけで、行ってきたぞな有馬温泉。



大学時代のバスケットボール部の仲間で、11月29日から30日まで泊まったお宿は、中の坊瑞苑という。


なかなかにお値段も良かったが、それだけの満足を得られる一泊二日であった。




お湯は、赤茶色の金泉で、つかると小さな傷にちと染みた。
人も少なく、いろんなお風呂が落ち着いて楽しめる。

浴場の外にはくつろげるスペースがあり、りんご酢、
オレンジジュース、麦茶、アルカリイオン水、緑茶、
梅昆布茶、そして夜はビールが、湯上がりに飲み放題である。素敵。




ほどよくふやけたところで、夕食の時間となり別室へ
移動する。
我ら7人が通された別室は70畳の大広間であった。
(私達だけ!)


幹事をして下さった先輩より、「食事は量より質でいきます」とのお達しであったが、なんの、量も十分ではないか。
おかわりもしたけど。

ビールとざくろ酒に、日本酒も少しだけ追加。
この度は、天狗舞と、瀧鯉をいただいてみました。



すっかりお酒が回ってゴキゲンになったところで、そのままもう一度温泉に直行するという、医者にあるまじき行動に出る私達。

           オイオイ・・・

しかも、二日酔いの特効薬だけは抜かりなく持っているという、部分的に医療知識を有効活用する私達であった。

夜はオヤジギャグカルタで微妙に盛り上がり、夜中過ぎ床に就く。






翌朝もしっかり朝食と温泉を堪能してから、散策へ。







炭酸煎餅など試食したりしながら、有馬の町並みを楽しんだ。




古き良き温泉街というものに初めて行ったが、恋人同士よりは、気が置けない友人同士や、家族で来るのがふさわしいように、しみじみと感じた。




















今回、私はお土産で試してみた事があった。
それは、『有馬温泉をお土産に持って帰る』だ。
必要なお土産はこの三つ。

金泉の素。(ま、入浴剤)



中の坊で焚かれていた香。



温泉といえばこれ、炭酸煎餅。



家族がこの温泉の素を入れた風呂に入っている間に、
香を焚く。
(我が家は普段から玄関で香を焚くので、香炉はある)


お風呂から上がったら、その香り漂う中、炭酸煎餅を
お茶とともにどうぞ。

これは、大成功であった。
愚弟など、風呂上がり炭酸せんべい片手に、
「ここは有馬や!」と喜んでいた。

          イイオ湯デチタ

もちろん、赤錆色に濁り、塩辛い本物の金泉と異なり、家で入るお湯は濁ってはいなかったが。

温泉みやげにキーホルダーも悪くないけど、いかがですか、温泉まるごと持ち帰り。
幸せ気分が続くことは保証いたします。





おまけ

夕食の一部はこのような感じ。
胃の中にて写真が撮れなかったものも多数。

          食前酒と前菜

       焼き茄子、汲いゆば掛けなど

          寒鰤うす造り

      これは、座敷で焼いてくれました

      あんぽ柿、真っぷたつのぶどう


けっこうでございました。