6/30/2008

WellnessExpress17


毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
   私がこれを書くわけは、こちらに。

でも、以前のように、ほぼ毎日記事を書いてはいませんので、月に3回あるとは限りません。




すっかり間隔が開いてしまったWE。

今回は、目が見えなくなる症状の話。

最近、ちょっと理屈が多くなり、
 「シンプルに覚えてもらって、
  とっさに役立つ」
という当初の趣旨から外れかけてる気がする。


であるので、今回は、スッキリと、短く。




脳梗塞の前触れで、目が一時的に見えなくなることが
ある。
普通は片目だけ。
急に、目の前がスーッと暗くなる。

経験した患者さんにその時の感じをきくと、
「墨が広がるように」
「暗幕がかかるように」
暗くなって見えなくなるのだという。

          暗くて分からん

あれ?とまばたきしてみたり、目をこすったりしているうちに、もとどおりに。
だいたいは2〜3分のことである。

          あ 明るくなった

これで眼科に行けば、たいてい脳外科に紹介してくれるからいいのだけど、すぐに治ったからと、そのままに
してると、あんまりよろしくない。


これは「一過性黒内障」といって、見えなくなった側の頚動脈が詰まりかかっている時に起こるのだ。

うーん、救急車を呼ぶほどの緊急性はないけど・・・
そのままにしてると、しばらくして本当に詰まってしまう危険が高い。

そうそう、WE15で取り上げた、「一過性脳虚血発作」の仲間みたいなもの。

      モグモグ そんなの覚えてません
    (虫が苦手な向きはクリックせぬよう)

頚動脈って、脳の血管の一番太い幹の部分だ。血が、
心臓から脳へ行く途中のメインストリートだ。
ここで詰まると、かなり大きな脳梗塞になることも多い。

私の親なら、遅くとも1〜2日中には、検査を受けさせるだろう。




実際の患者さんの話を。

ずいぶん前のことだが、初老の男性が、2、3日前にその症状があったと、午前中の私の外来に来た。

私は、数日以内に一過性黒内障が起こったばかりの人は、できるだけ即日入院させる方針である。
(これは医師によっても少しずつ違うし、ケースバイ
 ケースだけど)










だがこの人は、どうしても入院は嫌とのことであった。

やむなく、必ず本日中にMRIを受けてもらい、翌日結果を聞きに来てもらうこと、帰宅後、少しでも変わりがあれば(同じような症状でも、違う症状でも)すぐに病院に来ること、を約束してもらって一旦帰宅することになった。

放射線科に頼み込み、すでに予約がいっぱいだったMRIの検査枠を無理やりあけて、その日の夕方に検査をねじ込んでもらった。

その晩、その患者さんは意識不明で救急搬送された。

MRI検査は予定通り受けたが・・・夜遅くになって倒れたのだ。

不幸中の幸い、意識はほぼもとどおりに回復したが、重い麻痺と言語障害が残った。


せっかく病院に来たのに、結果的にはぎりぎり間に合わなかった。嫌なタイミングだった。

”入院していれば”というのももちろんだが、もし受診が一日早ければ、脳梗塞にはならずにすんだだろうし、
乱暴な言い方に聞こえるかも知れないが、いっそのこともう一日遅ければ、脳梗塞になってしまったことに対する悲しみ、辛さに加えての、
『せっかく受診までしていたのに・・・』
という”やりきれない思い”はなかっただろう。















私にとっても、決して忘れられない患者さんである。

病院からの救急搬送の電話を受けた時の悔しい気持ちは、何年経っても薄れない。






もちろん、この話は特別なケース。
一過性黒内障は、すべてがこれほど急な展開になるわけではない。
MRIをしても、頚動脈・脳の動脈のいずれにも異常はないこともある。

でも、放ったらかしは危険なり。
一度は、脳外科を受診して下さいね。







         フワワワ・・・・・


あれ?
結局、長ったらしくなってるやないの・・・


         ゴメンネ 見テタ?


いいの、長々書いた私が悪いの。

6/29/2008

小さな記念品




私がばたばたと日を過ごしている間にも、
ホープはどんどん成長中。



足はすらりと長くなり、赤ちゃん毛は抜け始め、そして
乳歯も抜けた。


我が家の犬たちの乳歯は、どの子のも大切に取ってある。
ただ、残念きわまりないことに、ガディの乳歯だけ無い。家族に迎えた時、すでに生え替わっていたから。

チワワの、ケシ粒みたいな乳歯だって、ちゃんと見つけて拾ってあるんだから。

       それは君のと違うよ、ハニー


そんなわけで、ホープの乳歯コレクション。



いつも思うが、犬歯のない犬の口は、何となくこっけいだ。
写真では分かりにくいが、何かが足りない感じ。
いや、もちろん犬歯が足りないのだが。



普通の肉はいいけど、手羽先を食べるのにひと苦労。
でも、最後に抜けた犬歯ももう頭を出しているので、永久歯が生えそろうのも間もなくだ。



ちなみに、自分の乳歯は、全部どっかへやっちゃった・・・

           歯ー磨ケヨ!

6/08/2008

蟻事を尽くして…



一昨日のことだが、帰り道、信号待ちでふと見ると、運転席のドアに、アリがいる。
なんだか、たいへんに慌てているようである。
まあ、アリって、そう見えるものかもしれないが。

窓を開けて、外へ吹き飛ばそうとしてふと思った。

ものすごい交通量の国道のど真ん中。
道路の両側には、ろくに土の部分などない。
たぶん、病院の職員駐車場(民家の敷地を間借りしている)か、我が庭か、どちらかの出身のはずの彼(彼女?)は、こんなところで放り出されても、生きられる望みはないだろう。


よし、じゃあ、うちまでついておいで。

しかし、うろちょろうろちょろ、どこへ行くか分かったもんじゃない。

          落ち着き無し。

どうしようか、何か容れ物ないか・・・
と、思いついたのが、お弁当の、果物を入れていたタッパ。
ここへお入りいただき、無事帰り着いた。


実は、タッパへ入れる際に、若干、押しつぶしてしまったので、心配していたのだが、そこはさすがアリ。
1分ほどで復活した。(あーー 良かった)


道中、助手席のタッパが気になって目をやると、タッパのヘリまで這い上がってきている。
そして、キウイの汁でベタベタになりすぎたらしい触覚や足を、懸命にきれいにしている。

         一心にお手入れ中

君、それどころじゃないんじゃないか?

朝、私と一緒に車に乗り込んだのなら、めでたく自分の巣にご帰還だが、職員駐車場から乗り込んだのなら、仲間とは永久にお別れだぞ。
これからどうしよう、とか全然思わないのか。
アリは、よそ者を受け入れてやるほど寛大なのか?

           イヤダネ

いささか擬人化しすぎなのは承知の上で、アリンコの
今後を案じたのだが・・・


当のアリは、そんな細かいこと気にしないらしい。
考えたってしようがないことは考えない。
とにかく、今自分にできる最大限のことをやってるというわけだ。

ほんとに、擬人化しすぎなのはよっく分かっているが、なんだか感心してしまった。

どうしようもないことに囚われ過ぎな自分。
とんでもない状況に陥っているのにも関わらず、泰然自若、落ち着き払っているアリンコ。


えらいなあ・・・
と、信号待ちのたびに、タッパを目の高さに持ち上げては、しみじみと眺めた。

周りの車からは、あの運転手、止まるたびに、なんで
弁当箱をしげしげ見つめてるんだろうと、訝られたかも知れない。



我が庭に放たれたアリ。
今頃、仲間とともにせっせと働いているか、それとも、他のアリの餌食になっているか。

今夜も、思い出すのである。




あ、アルゼンチンアリでないことは、ちゃんと確認
しました。

6/03/2008

その名は希望



思いも寄らない事情から、我が家の
メンバーがひとり、増えました。


飼い主さんの事情で、この2〜3週間、預かっていたの
ですが、結局、我が家で引き取ることに。

名前は我が家で改名。
ホープくんです。


うーん、現時点での5頭目は、本当はちょっとキビシイ
んだけど・・・

実は、ソフィやルースの孫に当たる子です。
放ってはおけませんがな。


一年たてば、環境面で、それほど大変じゃなくなる見通しも立ちそうなので、晴れて我が家族となりました。


最初はちょっとおっかなびっくりだったけど、上は
13歳から下は2歳まで、大きいのやら小さいのやら、
気性も六者六様(?)なのに揉まれて、短期間に
ずいぶんたくましくなりました。

       ガディ爺様に寄り添って

また食費がかさむと思うと、少々頭は痛いけど、可愛く、いじらしい子です。
これから、どうぞよろしく!

6/02/2008

したばら対策


4月の始めにいっこ歳をとって
から、さらにお腹が出てきた感じ。

しかも、年々、自分に対する厳しさが薄れていくので、以前は何もつけずに食べていたサラダも、
ドレッシングやマヨネーズをしっかりつけて食べる。

おやつ時には、食パンを「切れてるバター」で食べるのが最高においしくて、「切れてるバター」2かけらと、
食パン2枚を毎日のように食べて、何の焦りも後悔も感じない。

幸か不幸か、バターが店頭から姿を消したので、この
暴食は止まってしまったが。


そんな生活をしていた先月初め、当直の夜。
深夜1時過ぎに、ボーッとした頭で当直室のベッドに
倒れ込み、TVをつけたら、やっていた。

           コアリズム。

疲れて、判断力を失った頭に、楽しそうなダンスが
しっかり焼き付いたのだった。

数日後、購入。
さらに数日後、到着。

なぜか、私よりも先に、愚弟と、友人MK氏がまず挑戦した。

簡単そうなのに、おたおたしている愚弟たち。
非常に愉快なり。

あはははは。


      (にぎやかな音が出ます)


おっと、ちゃんと書いておかねばならん事がふたつ。

 ・ひとを見て笑う前に、まず己を見よ。
  (そりゃ ひどいもんでした、私。)

 ・こんな母だが、その後見る見る上達した。
  (人間、やればできる!)



実は、調子に乗って、5枚セットを購入していたなんて、カッコ悪くて言えないや。
オマケのマットとメジャーもゲットしたってことも。

これで、ちょっとはへこむかなあ、お腹。


            オヤ。

・・・気づきましたね、ソフィさん。

ビデオに、何か気になる点がおありのようで。
まま、その話は明日にでも。

6/01/2008

脱出

いい感じにスローペースになっております、拙ブログ。
月が変わり、気持ちも新たにコンピューターに向かっています。



書きたいことはてんこもり。

まずはワタクシ、電子攻撃から逃れることができました。以前働いていたところへ、再度転勤です。

やーれやれ。
これが「古巣に帰る」という感覚なのだなあ。

古巣の病院は、建物そのものは古くても、人同士の
つながりが濃い、地元密着型病院。

機械は、あくまでも人間の仕事を助けるものでなくちゃなりません。
機械が仕事の中心では、効率は良くても、だんだん
おかしくなってくる。

     他人が飛ばす飛行機に見とれる愚弟


正確さや、効率を考えれば電子カルテは素晴らしいのだろうけど、たった1年半で、本当に疲れました。

そんなん、私だけじゃろか。


        飛行機はココ(着陸寸前)