11/30/2007

Wellness express 6

毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
私がこれを書くわけは、こちらに。




長かったクモ膜下出血シリーズも、今日でおしまい。

クモ膜下出血の症状、治療法、検査方法について書いてきたが、では、クモ膜下出血はどうなっちゃうから怖いのか?

ここらでそろそろ、クモ膜下出血になった場合の経過について書こうと思う。
それを正しく知らないと、未破裂脳動脈瘤にどう対応すべきか、考えようもないからだ。
ただやみくもに怖がってはいけないのは、何についても言えること。

          怖ガラナイデネ



10人の人がクモ膜下出血になったとする。

3〜4人は、治療を受けるまでに亡くなってしまう。
さらにそのうちの半分の人は、病院に来る前にすでに
亡くなっている。

病院に来ることができ、治療を受けられた残りの6〜7人のうち、すべての合併症を乗り越えて社会復帰できるのは、半分、すなわち3人そこそこである。
3〜4人の人は集中治療を受けても、重い障害が残ったり、寝たきり状態になる。


非常に厳しい話だ。
他の脳出血と比べて、どうしてこんなに悪いのかというと、クモ膜下出血では、越えねばならないヤマが全部で
3つあるからだ。

   ヤマ1:出血
     ↓
   ヤマ2:脳梗塞
     ↓
   ヤマ3:水頭症

なんで、クモ膜下「出血」
なのにヤマ2と3がくっついてくるのか?

一つ一つのヤマについて、
簡単に説明します。

                   耳カユイ

ヤマ1:動脈瘤破裂による出血

          カイカイカイ

まあこれは当然だが、ここには再破裂も含まれる。
この1つめのヤマを乗り越えるために、WE4で書いたような、手術を行うのだ。
手術により、出血の危険は去り、ヤマ1を越えたことに
なる。


ヤマ2:血管攣縮による脳梗塞

         カイカイカイカイ

クモ膜下出血の、この2つめのヤマもまた、高く、
険しい。

動脈瘤から出た血液が悪影響を及ぼし、脳の大事な太い「血管」が、「攣縮」つまり縮むのだ。
血管が縮むとは変な言い方だが、スパゲティほどあった脳血管が糸ほどに細ーくなると考えてほしい。
当然、血が十分流れなくなる。そして脳梗塞になる。
悪いことに、ほとんどの場合、脳梗塞は非常に大きい。
片方の脳が全滅することもある。

血管攣縮は、出血後4日目くらいから始まり、2週間以上にわたって続く。
せっかく無事に手術を終え、ヤマ1を乗り越えられても、ここで悪化する人が残念ながらいるのだ。
もちろん、最初からありとあらゆる手を打っているにも関わらず。

人事を尽くし、神様にお祈りして、無事ヤマ2を越えられれば、ほっと一息。
主治医の顔にもようやく安堵の色が浮かぶだろう。


ヤマ3:正常圧水頭症

           プウ・・・

このヤマはあんまり高くない。命に関わることはない。
ヤマ1とヤマ2が富士山なら、ポンポン山くらいだ。
(地元の人間にしか分からん)

脳の周りや内部には、澄んだ水が循環している。髄液という。
毎日新しい髄液ができ、古い髄液は吸収されるのだが、出血の後遺症で、それがうまくいかなくなり、髄液が
あふれ気味になる。

これは3週間め以降に起こることが多い。
症状は、歩行障害・記憶障害・尿失禁。
手術で症状は良くなる。

            ZZZ...



動脈瘤の破裂率そのものは1%と低いのに、
手術すべきかどうか皆が悩むのは、万が一破裂した時の病気がこれほど恐ろしい病気だからである。

でも、クモ膜下出血が何故起こるか、予防するにはどうすればよいか、治療方法は・・・もはや、すべて
お分かりのはず。
確かにクモ膜下出血は怖いが、対抗できる病気なのだ。

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。

          危ウカラズ!




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11/29/2007

グローネンの信州


いつ来ても蓼科は、犬たちにとっては天国。
何が嬉しいのか、相変わらずプロレスと駆けっこに
興じている。

中・高生の頃、陸上部に入る人の気が知れないと思っていたが、ひたすら走っている犬たちを見ていると、
こちらも胸がすく。
ので、動画にしてみた。

11月の蓼科で犬どもが、走ったりバトルしたりしている様子は、去年も本家DogBlogで動画にしたので、またかという感がないでもないが・・・


 てなわけで、動画はこちら
 見られない時はココ
 (ところどころ、母と愚弟の声が入ります。
  夕食がひじきハンバーグだったことまで
  バレます。)


たぶん、来年には川だの海だので遊んでいる様も見て
もらえるかも知れない。

なんでかは、まだ、秘密。









飼い主以外には、どれが誰だか絶対に分かるまい。
獲物役がだいたいはウェル、威力ある加速で追いつくのがソフィ、おおむねビリッケツを走っているのがルースである。


ガディさんは?

こちらに、このようにおいでである。

       Row, row, row your boat...




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11/27/2007

ハラペコ信州


我が家は、信州に行っても、あちこちへ遊びに
出かけることは、あまりない。
いつも4~5日程度の短期間なので、ゆっくりのんびり
過ごし、犬の散歩に行きまくり、夜はワインを飲みまくり夜食を食べまくる、という過ごし方だ。
(いちおう愚弟は勉強しまくっている・・・か?)

           知らん

子供達(=私と愚弟)が学生の頃は、長期滞在していたので、けっこう遠出もしたが、私が仕事をするように
なり、父が亡くなり、その後犬が増えたのとで、いろいろ制約が多くなったのだ。

久しぶりに、美ヶ原高原美術館でも行ってみたいなあ。
ガディは何度も行ったね。
潰れてたりしないだろうな。
(↑とっても失礼。調べた
 ところ、潰れてなかった
 ^^;)


そういことなので、信州に行ったとは言っても、特に
変わった話題はないのだけど・・・
そうそう、ひとつだけ。



到着した22日の朝に、犬たちの食料が届く手筈だった。

これまでいつも、朝9時になるかならないかに届いていたから、そのつもりでいたのに12時になっても届かない。
こんな時に限って、店からの「発送しました」メールを確認せずに来ている。

交通事情で遅れているのか、店の発送が間に合わなかったのか、それとも私が日にちの入力を間違えたのか。

          ゴ、ゴハン・・・

間に合わないなら、それも仕方がないが、とにかく今日来るのか来ないのか、だけでも知りたい。
犬たちは昨日の朝食べて以降、夕方にスープを飲んだ
だけだ。
(空腹過ぎても吐く連中なので、
 絶食中もスープは飲ませる)





ネットが繋がらないので、店の連絡先も分からん。
結局、愚弟の友人で、いつもコメントをくれるMK氏に
連絡し、番号を調べてもらった。ありがとう。
お店はとっても親切な対応で、雪のため遅れているが、本日届くことが分かりひと安心。

          ゴ飯ハドコダロ

           ホーヤレホ

結局、届いたのは3時過ぎ。
解凍している間がないのでお湯をかけて、芯はカチコチに凍ったままの肉を配る。

         ご飯届いたって!

寒風の中、冷たい野菜と冷凍肉・・・
(いちおう温スープはかかっているが)
腹の中から冷えそうで見てるだけで寒かったが、
ガディ、ソフィ、ルース、ウェルと配り終えてふり返ると、すでにガディとソフィは食べ終え、お代わりおねだりモードになっていた。
う・・・ 作るのに20分くらいかかったんだぞ。

      共喰いモードになってたウェル


でも、これで明日からの食料は大丈夫。
存分に運動し、存分に食べたまえ。わはははは。




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11/26/2007

晩秋の信州へ


昨夜、晩秋の蓼科より戻りまいた。
と、晩秋と書いてみたが明らかに初冬だった。

      冠雪の八ヶ岳。(photo by 愚弟)

でも、大阪でかれこれ1ヶ月ほど縁が切れなかった風邪が完治した。うれちい。
それにしても、寒いところに行って風邪が治るとは
あまのじゃくなこって。


今回も例によって、夕方出発のはずがずれ込み、
こうなったらいっそ、明け方到着の方が良かろうということで2時半(もちろん夜中の)に出発した。
ほんとは1時半出発のはずだったのだが。

夜中から明け方行動が得意の我が家である。

    諏訪湖近辺 高速走行中(photo by 愚弟)

車も少なく、すこぶる快調に走って、途中2回も休憩したにもかかわらず、6時半には高速を下りられた。

         今回は全員参加ナリ


交代要員の愚弟が助手席に控えてくれてはいたが、あの熟睡ぶりを見れば、どうみても自分が運転し続けた方が安全である。
たとえ、ラインを踏む音ではっとしたことが、一度ならずあったとしても。


そうして到着した蓼科は、昨年の同じ時期より寒かった。


山道を上る途中、
昨年、ソフィ・ウェルと愚弟が漬かった川を横目に見て、
「愚かなり、我ら」
との思いを全員が噛み締めたのであった。






             朝っぱらから暖炉焚く焚く


ひとり、昨年その場にいなかった母だけが、「貴方達、思慮が浅いねえ」と得意げであった。

        昨年ルスバンはルース




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    楽あれば苦あり。今日は泊まり込み。
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11/21/2007

今宵発つ

今夜から、信州へ。

寒波のただなか、我が愛車は暖房が壊れて
いる。
たまに温風が出てると思っても、すぐまた
冷風に変わる。

明日の朝はしんしう!と思うと道中の寒さなんてなんのその。
どうせ夏だって、犬のためにクーラーをガンガンに
かけ、人間は厚着をしてたんだから、変わらないやな。

体感温度差の違うファミリーの宿命なり。

         あったかいのが好き


てなわけで、今日から週末にかけて更新がなくても、
それは単にネット環境がないだけで(それどころか
電話もTVもない)、3ヶ月坊主というわけではアリマ
セン・・・




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11/20/2007

Wellness express 5

医学の進歩により、検査で色々なことが分かるようになった。
いいことなのだが、悩みも増える。









  悩み中の
  ルース君



未破裂脳動脈瘤が見つかった場合が、そのいい例だ。
これまで何年も、あるいは何十年も知らずに平気で
過ごしてきたのに、知ったばかりに、気にかかって、
気にかかって・・・

もっともなことだ。
今日は、前回の続きになるが、未破裂脳動脈瘤が
見つかったときどうするかを、お話しします。


まだ破れていない動脈瘤を治療するのはなぜか。
答えは簡単、クモ膜下出血にならないため。


確かに、クモ膜下出血は怖い病気だ。
だからちょっと前までは、動脈瘤が見つかったら、
みんな手術だった。
こんなコワイものが見つかってるのに、そのまま
置いとくなんてとんでもない。

         コワイジャネーカ



今は違う。

10年ちょっと前から、何年もかけて、日本人の未破裂
脳動脈瘤がどのくらい破れやすいか、大々的な調査が
なされた。
その結果、動脈瘤が1年間に破裂する率は、せいぜい1%
程度だということが分かったのだ。

1%を高いと考えるか低いと考えるかは、人それぞれだ。
WE4で書いたように、手術に伴う危険性が3%程度であることと、比較して考えてみるのもよい。

         考えるのメンドウ・・・

それから、一般的には大きい瘤の方が、小さい瘤より
破れやすい。
となると、小さな瘤なら、破裂率は1%よりさらに低く
なるということだ。

クモ膜下出血って、意外となりにくいのね・・・


それなら、「今」何ともないなら、そのまま過ごしてもいいのではないか。


今までだって、知らなかっただけで、瘤はあったのに
元気に暮らしていたのだから。
そういう答えも出てきたのだ。



手術すべきかせざるべきか、悩む原因はもう一つある。

ある人に瘤が見つかったとして、その瘤が破れるのか
破れないのか。
(破れないまま一生を終える人だっていくらでもいる)

破れるとしたらいつ頃なのか。

それが分かる医者は、いや人間は、誰も
いない。神様だけだ。

だから、絶対の正解がないのだ。

ゆえに、その人が、
瘤か、手術か、どちらをより恐れるかで治療方針が決まることが
多い。


実際のところ、最近は「経過をみる」という人が増えている。特に瘤の大きさが3mm以下の場合は。

その場合は、半年〜1年ごとにMRIなどを行い、瘤の
大きさや形に変わりがないかチェック。
たいていは変わりない。

もし、大きくなったり、変形してきたなら、これは医者にも未来が見える。破れる瘤だ。
経過観察は終わりにして、治療を考えた方がいいだろう。



でも、やっぱり何をしていても、頭の中に動脈瘤があると思うと、気が塞ぐという人は、治療を受ける方がよいかも知れない。

幸い、時間の猶予はある。
信頼できる病院・医者をじっくり選んで、万全の体制で治療を受けよう。


いずれにしても、自分と、家族と、それから
愛犬と(?)よくよく相談して方針を決めることを
お勧めする。



それから、補足が3つ。

破れるかどうか誰にも分からないと書いたが、色々な
 要素で、それがある程度予想できる瘤もある。
 その場合は主治医が手術の方を勧めてくれるだろう。

経過観察する場合、瘤の大きさ・形が変わらなけれ
 ば、破れる可能性がないんだ、というふうに勘違い
 しないこと。もし変われば破れるのはほぼ確実だが、
 変わらなくても破裂率は1%のままと考えて下さい。

経過観察中に、WE2で書いたような頭痛があれば、
 夜中でも病院へ。もしCTで出血所見がない、と
 専門が脳外科ではない当直医にいわれても、
 「動脈瘤がある」と伝えて入院させてもらうべし。
 本格的な破裂の前に、CTでも分からないほどの
 わずかな出血を起こしていることがあるから。
 (痛みは本当の破裂と同じくらい強いざます)





今回は、スッキリ
しない内容だったでしょうか。

でも、未破裂脳動脈瘤の治療は、患者さんとその家族の意思による部分がとても大きいものなのです。
だから、正確な知識を十分得ておく必要があります。


と、いうわけで、次回の0のつく日、Wellness expressはクモ膜下出血最終回。
クモ膜下出血になったら、どんな経過を辿るかについて。




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