10/31/2015

わたしの太陽







今朝、私はハニーを失いました。




ハニーは、体は小さいけれど、猫よりも小さいけれど、我が家で一番でっかいやつで、隊長、と呼ばれていました。
たぶん、自分では、黒犬達よりも大きいつもりだったと思います。
アホープに教育的指導を入れる



ブログをさぼってるせいでまだ書いていませんでしたが、ハニーは7月初旬に一度、心肺停止に陥り、心臓マッサージと人工呼吸で奇跡的に蘇生したことがありました。

その後、心臓の検査をしても異常はなく、軽い気管虚脱があるくらいで、突然の心停止の原因は不明。
蘇生後はいつも通り元気に暮らしていました。





そして今朝。
いつも通り、朝みんなで散歩をして、ハニーとフラは勝手にゲートの隙間から外へ出て(車はまず入ってこない)、私がゲートの外まで呼びにいくと、ぶんぶん飛ぶように走って戻ってきて、存分に遊んで家に戻りました。

ひと休みした後、本日は鶏のムネ肉のごはん。
海藻パウダーと、ビタミンのお薬をかけたものをあっという間に平らげました。

そして、食後にクレートから出て、少しうろうろして、


母がハニーが倒れたのを見ました。

母の叫ぶ声に驚いて駆けつけると、壁のそばで横倒しになったハニーがいました。
抱き上げるとすでに体にまったく力は入っておらず、もうこときれているようでした。

ところが、頭が真っ白になった私が、抱いたままハニー!ハニー!ハニー!!と叫ぶと、顔の表情はピクリとも動かないのに、嬉しそうにしっぽを小刻みに振り始めたのです。
一瞬、あ、助かるの?と思いました。

でも、舌は口から出たままだし、目はもう何も見ていません。
鼻から、血がぽたり、落ちました。
何度もいろんなことを乗り越えてきたハニー、今度は助からないのだ、とはっきり感じました。

泣き叫びながら体を抱きしめると、抱き上げた時は完全に脱力していた前足に、少し力が入っていました。
手のひらに、心臓の鼓動を感じました。
けれど、まもなくしっぽは止まり、足の力も抜けました。
少し遅れて、心臓が止まりました。

ハニーは、この世の時間を終えたのです。





今夜は当直なので、職場でこれを書いています。

朝10時頃のできごとでした。
今でも、怒濤のように押し寄せる悲しみと、嘘なのではないか、夢なのではないかという、信じられない気持ちとで混乱しています。

ちょうど今週の月曜日、遠くの友人が初めて我が家に遊びに来てくれ、一緒に湿地へ犬散歩に行った際も、ハニーが小さな体でどんどん悪路を進むことに感心していたのです。

同胎犬のフラは、今春から僧帽弁閉鎖不全の診断がつき、さらに目は角膜内皮機能不全で白濁してあれこれ薬を使わなければならない身体になっているのに、ハニーは健康そのもの、元気に毎日を謳歌していました。
往復1時間の山散歩もいつも一緒に行ったね
崖っぷちもへっちゃらでついてくるもんね

成人式も楽勝で迎えそうだなあと今朝もきびきびと走るハニーを見ながら思ったばかりでした。



ガディは別として、私はいつも別れが突然です。
ムギしかり、初代おもちしかり。
そしてまたハニーも。



健康そのものと書きましたが、それは正しくはないかもしれません。
ハニーはいろんなことを乗り越えてきました。波瀾万丈と言ってもいいくらいに。

特に今年に入ってからは、末梢性顔面神経麻痺、原因不明の心肺停止、秋になってからはある日急に斜めにしか走れなくなりました。
それでも全部乗り越え、だいぶまっすぐに走れるようになってきたところでした。

いろいろ抱えながら、ハニー自身がそれらを苦に感じず、元気に過ごしてくれていたのでしょうか。



今日も良いお天気で、暑くもなく寒くもなく、とても楽しく幸せそうでした。
倒れた後も、一度旅立ちかけていたのに、私と母の声を聴き、抱っこされているのを感じたのでしょう。
最後まで、嬉しそうにしっぽを振っていました。
最後の最後まで、幸せそうでした。





ハニーは、毎日毎日、一瞬一瞬が、最高に幸せだったと自信を持って思えます。
そして、最後まで最高に幸せなままだった、と思うことができるのは、ハニーがしっぽを振ることで、私達に遺してくれた贈り物です。



ありがとう、ハニー。

ハニーにまた会える日を、「ハニー!」と呼ぶ声に、宙を飛ぶように走り寄ってくる姿を見られる日を、楽しみにしているよ。

ハニーと半分こしていた枕が、これからは広くて寂しいのにも、負けないでこの先を精一杯生きるよ。

10/05/2015

おじやさん









おこぶ三部作の予定を変更して。





去る9月26日の土曜日、またしても猫を拾ってしまいました。

けっこうな頻度で、土曜日の朝にいちえん農場さんへお邪魔する予定が入っており、その時はいつもアニューを連れて、途中の海で社会学習という名のお散歩をして行きます。
海に向かいてバナナ食うわたくし
ヒトツワタシニクダサイナ
落ち着いて分け与えるわたくし
突如謀反に遭うわたくし

この日、天候が悪く涼しかったこともあり、愚弟と共にたっぷり遊んで、さあいちえんさんちへ行きましょうと浜の前の駐車場に戻ったわけです。
アニューは、私より優しい愚弟が好き
ナイスコンビなのだ

先にアニューをクレートに入れてから、砂だらけの長靴を洗うべく足洗設備と車の間をウロウロしてたら、近くにある東屋に一匹の猫が現れました。
矢印がその東屋(後日撮影したもの)

普段からここは猫が多く、外飼いの猫がしょっちゅう子連れで姿を見せるので、可愛い半分、暗澹たる気持ちになるの半分、というところなんであります。

この日も、また猫か、くらいの気持ちでちらりと目をやったのですが。
後日撮影

遠目にも分かるくらいの痩せぶりに驚きました。
 「ええー、えらいガリガリの猫やん」
 「大丈夫かあれ」
と言いながら見ていると、のろのろと歩き出しました。

ただ歩いているのか、こちらへ向かっているのか分からないようなふわふわした足取りでしたが、突っ立って見守っている私達の足もとまでやってきました。
しゃがんでみると、足の間に入り込んで、小さな声でゴロゴロ言っています。
愚弟と私の間を、ゆっくり行ったり来たりしながら、まとわりついて離れないのです。


しかし我が家は、この夏おこぶを保護したばかりで、猫がついに4匹になっています。
しかも、久々の子犬(アニュー、でかいけどやっと生後半年の子犬です)の参入で、例年になく大わらわ。
家族皆いっぱいいっぱいです。

しばらく、二人ともただただ猫を撫でていました。
時折
 「これ、もう1週間もしたら死んでるよな」
 「ケガだらけやな」
 「明らかに独りぼっちよな」
 「ほっとくわけにいかんよな」
と、ぽつりぽつりと話す他は、ほぼ無言で。

10分ほどもひたすら撫でていたでしょうか、ついに私が
 「里親、探そう、とりあえず連れて帰って」
そう言い切ると、愚弟も即座に
 「それがええな!」
と猫を抱き上げました。


羽毛のように軽いその猫は、子猫時代のおもち(現)よりもさらに痩せていて、あちこちにケガの後がありました。
肩のあたりには、左右対称に傷があり、カラスかトビに一度は掴まれたんじゃないか、などと想像しました。
たまたま猫にあう直前に撮った写真
カラスとトビが低空飛行していたので愚弟が撮影

母からはいい加減にしなさいの一言くらいもらうかと思いましたが、
 「こんな子放っとくわけにいかんよねえ」
とノープロブレムでした。
(というか速攻で愚弟から抱き取っていた)


見る限り、ノミがいそうにはありませんでしたが、念のため別室に隔離し(板の間をおこぶに使っているので、お客用玄関の間をあてがった)、室温を低めに設定しておきました。
オオサカ先生に教えてもらったのですが、室温が低いとノミは宿主から離れないので、散らばるのを防げるそうです。
(目安の温度も教わったのに忘れた)





人の顔を見れば喉を鳴らして寄ってくる気だての良さ。
頭上からおとうさまが見下ろしても動じない肝っ玉の太さ(その元気がなかっただけか)。

ひどい栄養失調と脱水なのは見れば分かるので、緩いペースト状のフードを小分けにして何度もやりました。
幸い、食欲は旺盛で、どんどんたいらげるので、これなら無事元気になりそうとほっとしました。
正直、帰りの車中では手遅れなんじゃないか、数日で死ぬんじゃないかと危惧するほどの弱りぶりだったのです。
いつも右目から赤茶色の涙が出る


月曜日は偶然、遅い夏休みをもらっていたので朝のうちにシマント先生のところへ連れて行きました。

やはりノミは見あたらず、耳もきれいでしたが、念のためレボリューションは処方してもらいました。
ちょうど乳歯と永久歯が並んでいるところもあったりして、生後4ヶ月くらいでしょうとのこと。
血液検査では特に大きな問題はなく、エイズ・白血病もマイナス(できれば生後半年以降に再検査しておいた方が確実とのこと)でした。
あと、虫下しとして、ドロンタールももらいました。





今、保護して10日ほどになりますが、ゴリゴリしていた骨の周りにうっすら層ができた気がします。
三つ折れのカギしっぽ
しっかり幸せを引っかけるんだね

喉を鳴らす音も、当初はツブツブツブと、小さなあぶくが弾けるような弱々しい声だったのが、ちゃんとゴロゴロと聞こえるようになってきました。

体中にあったケガのあとの無毛地帯(真菌症かな?と心配しました)にも、毛が生えつつあります。


そして、本当に人懐こい子です。
ケージから出して餌をやるでしょう。
食べ終わって、うろつき始めるでしょう。
いろんなものがあるから、子猫だし興味津々で探検すると思うでしょう。
違うんですよ。
食べ終わったら、膝へ直行ですよ。
保護して1週間になる金曜日、一度だけ、あちこち調べて回って頭にホコリをくっつけたりしていましたが、それ以降、探検よりはヒトの方がいいようで、とにかくすぐに膝に乗ってきます。
そして、丸まってこちらを見上げ、立ち上がって肩に手をかけて、頭をぐいぐい押しつけ、また丸くなり、こちらの手を舐め・・・
その間、ずーーっとゴロゴロ言いっぱなしです。
めちゃくちゃ可愛いです。
子犬の世話でくたびれきってる私の、今一番のリカバリータイムが、この子の餌やりです。

まだあちこち汚れたままですし、そろそろシャンプーしても大丈夫なくらいの体力はついたと思うので、今週中に一度洗ってやろうと思っています。

で、里親さんを探す予定です。
でも、名前がないと不便なので、仮名はつけました(愚弟が)。
『おじや』です。
(おこげとおもちも愚弟の案ですからね)





おじやの紹介動画を作りました。
私があぐらをかいているのは、おじやが乗りやすいようにです。
お見逃しください。


おじやの里親は、ネットで探せば早いのでしょうけど、ちゃんとした人か見きわめたり、一見いい人そうでも条件次第ではビシッと断らねばならなかったり、いろいろたいへんな要素も増えるので、基本的に、身近な人たち経由で探してみようと思っています。






おじやを拾ったその日、いちえん農場で用を済ませた帰り道、もういちど駐車場に通りかかると、親子猫が現れていました。

もし家族のようなら戻そうか・・・と迷いながら車を停めましたが、違っていました。
この親子はもっと栄養を摂っているようでしたが、皆、目からは青緑の目やにが出ており、ひっきりなしに体や耳を掻いていました。

他にも何組も親子がいます。
自治体から補助も出るのだから、避妊手術を飼い主さんはしてほしいです。