12/09/2009

命と命と命と







  犬と猫と人間と

を観た。



特に目新しい内容があったわけではないが、それでも「観に行って本当に良かった」と思ったのは、次のような理由からだ。

 1.それぞれ別々の場所で吸収し、自分の中で一箇所
   にまとめていた知識を、ひとつの繋がりのある話
   として見ることができた。

 2.もともとは動物にそれほど関心の無かった監督の
   目を通して、また違う感覚で見ることができた。


そう、これは、特に関心の無かった人(監督)が、一歩一歩、手探りで進みながら知っていく物語である。

こういった問題に情熱を傾けてきた人が、熱く強く語ることももちろん大事だが、この映画には、観る者に歩調を合わせて、ゆっくりゆっくり「知る旅」を歩んでいく優しさがある。


そして、ここで扱われている内容は、「動物愛護」や、「命の大切さ」という言葉よりも、ただ「命」という言葉だけで表す方がふさわしいと思う。

私の表現力が乏しくてこれ以上具体的に説明できないが、「命」の映画である。
犬や猫に興味がある・なし関係なく、皆に観て欲しい。




ところが、たいへん驚き、ショックを受けた事がある。

私が観に行った映画館は、96席ある。上映後に大急ぎで数えたところ、観客は・・・15、6人であった。


確かに平日の昼間ではあったが、先日の「未来の食卓」は少なくとも7割方、席は埋まっていたように思う。
ぼつぼつ新聞やインターネットなどでも取り上げられているのに、何故だ。


かわいそうで観に行けない、という人たちもいるだろう。

確かに何度もスクリーンが滲んだが、これまでネットで見聞きしてきた話に比べれば、マイルドだ。
殺処分箱に入れられた犬たちの映像も写されるが、断末魔の惨状はない。以前に動画で見た、窒息してのたうち回り、痙攣を起こす犬達の様子をまた見ることになるのかと覚悟したが、無かった。


それでも、犬達を待つ無情な運命は十分すぎるほど伝わる。
どうか、恐れることなく観に行って欲しい。


悲しく、辛い場面ももちろんある。
だが、悲しい事、辛い事はこれっぽっちも見たくない、と言うのは、現実に殺されていく犬猫が、毎日1000頭近くいる事を考えれば、少々無責任だ。
私も悲しい話(特に動物もの)には耐性がなく、避けている方なので、あまり偉そうな事は言えないが、この映画の内容くらいは、知っておくべきだと思う。




いつものジレンマだが、こういう映画を観に来る人は、もう観なくてもいい人がほとんどだと思う。
観に来ない人達こそ、本当に観て欲しい人達である。


だから、このブログを見てくれている人で、この映画「犬と猫と人間と」を観るつもりが無かった方。
どうかどうか、観に行って下さい。できれば、同じように興味のない友達を誘って。

学校の先生がおられるなら、子供達に見せて下さい。

犬好きとか、犬嫌いとか、関係ないです。
先に書いたように、「命」についての映画ですから。



一緒に観に行った(というか連れて行ってもらった)ルフュママさんのブログにも、記事があるので見てみて下さいね。

12/02/2009

よい石けん

3日前、つまり先週の土曜日、トイレで右手を使えるようになり、小さくガッツポーズをしました。
今や、手を広げる動作以外はほぼ何でもできます。
皆様、ご心配いただき、ありがとうございます。
(と、この文章を書いたのが11月24日のことでございました。)




さて、手のひらをケガしていると、指先をちょっちょとしか洗うことしかできません。

しかも、ちょうど生命線の端っこ当たりのケガなので、指、特に親指を動かすと傷口が開いて激痛が走ります。
石けんをつけても、十分にはすすげないのです。


でも、私には心強い味方がいる。

ほら。

ほら。

ね。

いいでしょ。

洗えば洗うほどお肌がきれいになる、むつきさんの手づくり石けんです。

    こちらむつきさんの愛娘、まいろちゃん




ワタクシ、はっきり言って手づくり石けんをナメておりました。

ちょっとジャガイモっぽい感じの、ドロドロしてあんまり泡が立たない、でもなんとなく洗い上がりがぬめっている、そんなイメージ。
そういう手づくり石けんに一度遭遇したことがあったからです。
以後、手づくり石けんには興味ゼロ。


でも、むつきさんの石けんはそんな私の誤解を一撃で払拭してくれました。

やさしい手ざわり。
小さな粒の泡がほわほわと立ち、しっかり汚れは落としてくれるのに、さっと流れる。

すぐとろけるってむつきさんは言うけど、べつにそんな風には感じません。


そして、この見た目。


なんか、見てるだけで嬉しくなりますね。
使うの惜しいけど、使いたくてたまらない。

お店で選んで買った石けんだって、使う時に
「そうだ、この石けんだったんだ。嬉しいな」
と思うことはあっても、
「あの石けんを使いたいな。何か台所仕事ないかな」
と思ったことはありませんでした。



さらに。
むつきさんによる、それぞれの石けんについての丁寧な説明がまた楽し。

例えばほら、お手紙もこんなに可愛いのだ。
まいろちゃんの写真付きだし。

お手紙でつけてくれてることも、メールで詳しく書いてくれることもあって、それを石けんをひとつひとつ手に取りながら読んでいくのがまた幸せなひとときなんですよね。

私もいつか、自分でもこんな素敵な石けんを作ってみたいなあ。




さらにさらに、もうお気づきかと思いますが、このラッピング。


ラッピングはすべてむつきさんの手になるもの。

実は私は、高校を卒業する頃までは、ラッピングが大好きでした。
それも、再利用でいかに素敵に見せるかがポイントで。
いつの頃からか、そんな心のゆとりはまったく失いましたが・・・

むつきさんが、箱の再利用などで見事になさっているのを初めて拝見した時、昔を思い出し、ただ嬉しいというのでなく、胸がじーんと熱くなったのであります。


もちろん、当時の私なんぞと比べるのも失礼な、それはそれは素敵なラッピングですよ。


リボンもオーダーメイド。Miloveって、読めるかな?




そしてまた、今シーズン作りたてをむつきさんがお届け下さいました。

むつきさん、実は両手を負傷しまくっておられます。
特に、左手の人差し指は、短い間に3回も切ってしまって、ラッピングもままならなかったそうです。

そんな時に無理をおして、送って下さった石けん。
我が家で台所用石けんが切れて、私や母が手荒れにならないようにと、やさしいお心遣いで送って下さった石けん。

大事な友達に、すでに3個お嫁入りさせてしまいました。
そしてお嫁入りさせる時はいつも、自分が作ったんか!と言われそうなほど、得意満面で自慢してしまうのでありました。

そうそう、まいろちゃんはこんなに嫋やかなのに、実はアジリティ界のオリンピック選手なんですよ。
しかも、9歳でこのぴちぴちさ!!


ええ、今回は、石けん自慢でした。
しかも、自分で作ったんとちゃうし。

       ヒトノフンドシデー・・・

しっ!しーっ!
それは言わんの、ソフィ。





あ、どんなケガか気にかけて下さっている方もおられますので、ちょっとご報告。

庭仕事をしていて、めまいがし、よろよろよろ、と手をついたところに、斜めに尖った木の枝が・・・
そのままぶっすり、でした。

犬が通るところは、絶対そんな風に枝を切らないのですが、人間しかウロウロしない場所だったもので、ちょっといい加減な仕事をしておりました。
庭師として、反省です。

         しっかり頼むぜ...

11/16/2009

うぬぬ

すみません、先日、右手の平を切ってしまい、キーボードが打てません。
そのようなわけで、コメントのお返事ができてません。
この文章は左手の一本打ちしてますが・・・

          ゴメンナシャイ

もうちょっと良くなったらすぐお返事しますね。
マウスも持てないので、しばらくパソコンには向かいませぬ。

皆様、お風邪を召されませぬよう。

11/06/2009

さらば我が愛車よ

明日更新します〜とか言いつつ、延びに延びて一週間経っちゃった。
できないことを言うもんじゃないな。

           ソノトオリ






パンクはしたものの、大きな危機は回避した我が愛車。

実は、パンク以前から持病を抱えていた。

それは、オーバーヒート。


            冷却中

一年ほど前から、3回繰り返した。
不幸中の幸い、三回とも帰宅後にオーバーフローした(一回目は普通に漏れたのだが)ため、困ったことにはならなかったが、走行中も常に水温計に気を配りながらの運転になった。

もちろん、毎回原因を調べて修理はしている。
だが、最終的には、回ったり回らなかったりするファン(当然取り替え済み)のせいで、クーラーをかけっぱなしで走らねばならないはめになった。クーラーをかければ、必ずファンは回るから。






10月9日金曜日。
仕事を終えて帰宅途上、水温計に目をやると、水温が上がっている。
やばい、持病が出た。しかも、夕方で渋滞の国道だ。こんなとこで何かあったら、他のドライバーに殺される。


とにかく、左車線を走ろう・・・
(またか)


本当はすぐに左に寄せて停めたかったが、通勤路の国道はただでさえ狭い。めいっぱい左に寄せても、大迷惑になる。

5分ほど走れば、いつもお世話になってるガソリンスタンドがあることを思い出し、なんとかそこまで、愛車には頑張ってもらおうと思った。焼けてしまうかも知れないが、背に腹は代えられない。


みるみる水温はMAXまで上がり、ボンネットからは蒸気がもうもうと立ち上った。
そして、何度も耳にしてきた、水がオーバーフローするあの嫌な音。
ローバーが悲鳴を上げている・・・
どきどきしながら、なんとかスタンドに滑り込んだ。






車のことではいつもお世話になっているM氏に連絡を取る。
大手自動車メーカーにお勤めのM氏は、愚弟のバイク仲間であり、愚弟よりずっと年上だが、気さくでとても親切で、車が大好きな方。どれだけ助けてもらったか。

注:愚弟の格好はただのサバイバルゲーム好き。思想とは全く無関係です。

ローバージャパンに直せなかった故障も、M氏が直してくれた。
我が家では『大明神』と呼んでいる。
足を向けては寝られない恩人である。


スタンドのおじさん達が、忙しい合間を縫って、ゆっくり停めておけるスペースを空けてくれた。

40分足らずで、M氏が部下と共に到着。
お二人の姿が光り輝いて見えたのは、スタンドの照明のせいだけではないだろう。





ファンがまた回るようになっていることを確認し、水を補充し、家までM氏が運転して送って下さることになった。
こんな惨事を引き起こしたサボリのファンは、今は何食わぬ顔してぶんぶん回っている。
ローバーはそのまま、M氏がお店まで乗って行き、精密検査をしてくれることになった・・・






数日後。
大明神からの連絡内容に、私は打ちのめされた。

廃車か、高額でエンジンを直すか、どちらかだ、と。
エンジンがひずんでいるらしい。
今のエンジンを使うなら、各面を丁寧に削って修理することになるが、高額になり、それでもきちんと直るかは分からないとのこと。

お金が有り余っていて、無駄金になってもいいからやれることやってくれ!と言えるようなら断然修理をお願いするが、今の私にそのような余裕はない。



こんなに愛しているのに別れなければならないなんて。しかも突然に。
あのハンドルが二度と握れないとは、信じられない。
自分の手足同然だったランドローバーは、私にとっては『ただの道具』ではないのだ。



しかし、春にも大々的なメンテナンスを行ったばかりで、これである。
おまけにタイヤも総替えするつもりだったし。

しかも、今回の修理で直るならともかく、それでも不具合が出る可能性の方が高いらしい。

やはり、英国生まれの彼には日本の気候はあまりに過酷だったのだろう。
私が酷使したしなあ・・・

今年の12月で、まるまる12年乗ったことになるはずだった。
そう、まだたったの12年しか乗っていないのに。







こうして、私の愛車、ランドローバー・ディスカバリーは、静かに任務を終えることとなった。

免許もないうちから憧れ続けたランドローバー、私の初めての車。
いつも誇らしく私を待っていてくれた、泥んこの大きな車。

さようなら、さようなら。
ありがとう。




11/04/2009

白髪三千丈





母はけっこう毒舌です。いや、毒舌よりは暴言です。
しかも、本人はあまり自覚がない様子。

また、言うことが大げさ。
例えば、母の実家の真ん前に小さな山があるのだが、

       右側のシルエットがその山。

その山に登るのが朝飯前だということを表して
 「あんな山赤ん坊でも登れる」
いや、赤ん坊はムリでしょうが・・・


そういえば母の実家のお隣さんも、ご飯が少ししか茶碗に入ってないことを愚痴って、
 「底の方にハゲの毛くらいしか入ってない」
言ってる御本人がつるつるなので、まあ問題は無いのかも知れませんが・・・


口が過ぎるのは、どうも母の出身県民の特徴らしいです。

            デヘ


わたくし最近、今月末にある『友の会』のバザーに出すと母が言うので、せっせとアクリルたわしを編んでいます。
先日も、編んでおりましたら、母が悪気なく言いました。
「あら、面白いの編んでるね、壺?」



つぼ?


確かに壺か・・・



魚のつもりだったんですけど。


たまに、母の暴言を暴露しようと思ってます。