11/10/2007

Wellness express 4

今回は、動脈瘤が見つかったらどうするかについて。
治療法も含めて簡潔にお話しします。


クモ膜下出血を起こした動脈瘤を、破裂脳動脈瘤という。
それに対し、MRIなどで見つかった、出血していない
動脈瘤を、未破裂脳動脈瘤という。

破裂脳動脈瘤では、治療の選択肢は手術しかない。


破れた瘤は、
しぼんでしまうわけではないので、そのままだとまた破れる
危険が高い
からだ。

再破裂すれば、死亡率は90%
近くにのぼる。



さて、手術には、実際に頭を開ける手術と、メスを入れない血管内手術とがある。


頭を開ける手術

色々な方法があるが、クリッピング術がほとんど。
瘤の入り口を、チタン製のクリップではさみ、閉じて
しまう方法だ。
要は、動脈瘤の中に血が入らないようにするわけである。

            治療前

            治療後

            解説

一番確実な方法だ。
全身麻酔で行う。


血管内手術

比較的新しい方法。
足の付け根の動脈から、カテーテルという、細長い
ストローのような管を入れる。
このカテーテルが動脈内をさかのぼって、動脈瘤の入り口まで到達したら、その中を通って、コイルと呼ばれるプラチナ製の詰め物を瘤の中に詰め込む。
これで血液が瘤の中に入りにくくなるはず。

       満員御礼 もう入りません

つまりカテーテルは、足の付け根から動脈瘤までの通路を確保するためのトンネルみたいなもんである。
トンネルと言っても、直径0.6mmとか、2mmとかいうようなレベルの話だが。
だいたいは局所麻酔でできる。


どちらの手術も、脳出血や脳梗塞を含め、手術に伴う
危険性が3%くらいはある。
ひとりひとり、どちらの方法がより向いているかは違うので、主治医とよく相談せねばならない。
切らずにすむ血管内手術の方が断然いい、とも限らないのである。



で、不幸中の幸い、破れる前に動脈瘤を発見した場合の、治療法は?
上の二つの方法に加えて、「経過観察」という選択肢が加わる。つまり、なんにもしないで様子を見るのだ。


さあ、ややこしくなってきました。
アクビをしているひともいます。

てなわけで、未破裂脳動脈瘤の治療方針については、次回のWellness expressで。




毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
次回もまたまたクモ膜下出血について。



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