では、昨日のつづき。
その2;その名はエボニー
ひと月近く名前が決まらなかったガディと違い、彼女の名前は、父が生前決めておいてくれたおかげで、すんなりソフィと決まった。
名前は決まったもののとっても凶暴で、
走っていても通りすがりに我らに跳び蹴りをしていったり、
後ろから、我らのふくらはぎやかかとに噛みつきまくって流血させていた子犬は、
なんとなくキツくて、心ここにあらずという感じだった。
母は「目が狂気じみている」と心配したくらいだ。
そんな時、彼女のアメリカでの呼び名が「エボニー」だったことを知る。
軽い気持ちで、試しに母がその名を口にしたとき、彼女の顔つきが変わった。
ちぎれんばかりにしっぽを振り、満面の笑顔で
(犬が笑顔?と笑う人には、いずれお見せしよう)
飛びついてきて甘えたのだ。
知らない場所で、知らない人々に囲まれて、
(外国から来たからその時期がより長かったはず)
独りぼっちで、どれだけ心細かったか。
その時あらためて気づいた。
家が変わったばかりの子犬は心細いから云々と、どの本にもあるし、誰でも考えるし、我らだってもちろん知っていた。
だがそれは、ただ頭で分かっていただけだった。
毎日、どれほど大きな不安や孤独感が彼女の心を占めていたか、実際はまったく感じ取ってやれていなかったのだ。
ほどなくして、自分がソフィであるとはっきり覚え、
家族の中の自分の居場所に自信ができてきた彼女は、
凶暴なことには変わりなかったが(これは寂しさから
とかいう問題ではなかったらしい)、喜びがいっぱい
詰まった暴れん坊になった。
中途半端に思い出させてはかえってかわいそうだからと、その後彼女をエボニーと呼ぶことは二度としなかったが、最近試してみたところ、無反応だった。
彼女は今やもう、
芯から我が家の
「ソフィ」なのだ。
ほっとしたところで、続きは明日。
クリックありがとう!
ソフィも優しくなりました。
↓
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11/04/2007
ソフィのひみつ 2
ラベル: 日々
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2 件のコメント:
いきなりの長旅を経てここに。
そんな経緯だったんですね~。
なんとなく、より身近に感じられてきた。
エボニー。
つけたくなる気持ちが良く分かる。
ソフィは・・・?
ソフィアからかと勝手に。
なんか知的だし。
MKさん、身近に感じられましたですか。
ソフィも苦労してるんです。
ソフィは、父の勘違いからついた名前なんですが、詳しくはいずれ、別で書きますね。
知的・・・
ソフィが喜びます。
伝えておきますね、ありがとう。
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