10/09/2007

露と消えにし

7日、WGPライダー阿部典史選手が亡くなった。交通事故であった。

突然の悲報に誰もが呆然とするばかりであったが、3日経った今でもショックだ。

愚弟も
「現実味がない・・・」
と言っていた。

これまでに亡くなったライダー達のことも浮かぶ。


人間の身体がどれほどもろいものか。
ほとんどの人はそれが分かっていない。

理屈で分かっているのと、実際にそのはかなさに触れて実感するのとは違う。
何度もそういう場面に立ち会うとそれがよく分かる。

ほんの数分前まで何の問題もなく動いていた身体が、二度と取り返しのつかないまでに壊れてしまう。
しかも実に簡単に。

どれほど人間が賢くなろうと壊れた命は元に戻せない。

我らが生きているということは、奇跡に近いのだ。
生きていることが当たり前ではないのだ。


命は、細く張りつめた糸の上に、絶妙のバランスで
乗っているようなもの。
人間だけではない。犬だって、虫や植物だって、
ごく自然に生き物としてそこに在り続けていること自体が驚くべきことだといつも思う。


32歳という若い命は、恐るべき力で強引にもぎ取られたのではない。
いともたやすく、壊されてしまったのだ。


どうか、どうかみんな、自分の命と、自分の周りにある無数の命を、こわさぬよう、大切にいたわってほしい。













心より冥福をお祈りする。

2 件のコメント:

MK さんのコメント...

地球上で、最上級の腕を持つライダー。

 にもかかわらず、こうしてあっさりと
 命を失う。本当に、儚い。

 トラックの運転手の無謀なUターン
 が原因とか。道を間違えたことに
 気づくのがあと数秒、早ければ、
 また遅ければ。

 彼が、出発前にほんの少しゆっくり
 していれば。

 「危ないなぁ」と悪態をつきながら、
 日常に埋没してしまうような、ありふれた
 「ヒヤリハット」事例ですんだだろうに。

 信じられないような偶然が幾重にも
 重なりあい、事故は起きる。

  腕や、注意力で確率を下げることは
 できても、やはりゼロにはできない。

 千分の一を万分の一に。
 億分の一に。

 彼ほどの人でも、避けられないことは
 あるから。
 慎重に、でも恐れすぎずに。

  油断の恐ろしさは思い知った
 ところだし。思い知る機会が多いので
 慢心しようがない。。。

ハニフラ さんのコメント...

MKさん、こんばんは。

このような事に出遭ったとき、いつも
「もし」
「こうであったなら」
ということを考えてしまいます。
まさに、”ちょっとしたこと”の重なりが、その人の運命を決めているのでしょうね。

中には別に幾重にも重なってないのに不幸な目に遭うこともありますけど・・・