うちのまわりの田んぼはいろんな人が作っている。
ゲートを出てすぐの田んぼを作っている「かずはるさん」は、以前に区長もつとめた方で、六十代半ばくらいの世話好きのいい人だ。
ご自分の畦の草刈りをするついでに、いつも我が家のゲート前の草もきれいに刈ってくれる。
御礼の電話をすると、
「分からんもんが勝手にせられんと思って、
そこそこしか切っちょらんけん」
そこそこしか切っちょらんけん」
と謙遜なさるものだから、実は毎回トキワマンサクの苗が切られていることは言い出せない。
先日も刈ってくださったので、今朝電話をして話していたら、うちの犬たちをもっと遠慮無く放してくれていい、イノシシを追っ払ってほしいと仰る。
ちょうとこないだアニューがイノシシを捕まえていましたよと話すと、とても喜んでいた。
そのせいかどうかは分からないが、午後になって「かずはるさん」から電話があり、風蘭(フウラン)を持って来てくれるという。
大阪で一度買って、もみじの古木のうろに植え付けたけれど枯らしてしまった風蘭。
「かずはるさん」宅の柿の木にたくさん花を咲かせているらしい。
いざ持って来てくださったものを見れば、思いもよらない大株で、しかもいい風情に作ってある。
「かずはるさん」宅には大きな柿の木が二本並んでいて、富有柿の方にはどんどん茂るが、伽羅柿の方にはいくら植え付けても育たないそうだ。
「お母さんも竹藪が好きなら風蘭見たら和むんじゃないろうか」
と感激のありがたいお気持ちと共に頂いた。
さっそく、ほどよく隂になり、夜露も当たる場所を選ぶ。
今度こそ、この風蘭たちが快適に育ってくれるように。
ひとつは、母がベッドに寝転んだまま見える場所、つまりアニューの小屋の軒先。
もうひとつは、我が家のシンボルツリー、ガディの記念樹として友人達から贈ってもらったアキニレの木に。
細い苗木だったこのアキニレは、いまや鶏たちの大好きな憩いの木陰を提供してくれている。
爽やかでやさしい香りがした。
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