10/21/2013

白黒猫無宿





ここのところ、猫の話ばかりでなんだが、最近うちに放浪猫が遊びに来る。


初めて見かけたのは9月24日の夕方。
この日は火曜日だったが夏休みをもらっており、金曜日から民族大移動していた大阪に母だけ残して、私と犬猫で昼過ぎに帰高したのだった。


帰宅後しばらくはボロ雑巾のように横たわって旅の疲れを癒していた犬達も、夕方頃にはもぞもぞ起き出したので、庭の見回りに出かけた。
見回り隊白組

留守中に変わりがなかったか見ながらゲートまで来たとき、急にブラウニーがゲートに突進。
同時に、白黒の猫がぴょーんと飛び上がったかと思うとゲートをすり抜けて向こうに消えた。
我らとの距離は2mほどだったか。

ずいぶん近づくまで逃げずにいたものだと思いつつ、今までも宿無し猫や遠征中の飼い猫が敷地にやってくることは時々あったので、あまり気にしなかった。
その日まで4日間、犬も人も不在だったわけだし。

それにしても警戒心の薄い猫だ。
ブラウニーがいなかったら触れたかもしれないな、と一瞬頭をかすめたものの、それっきり忘れていた。
スンマセン




翌朝の散歩の時、ゲート近くにカエルが裏返って死んでいた。
せめて藪の中に入れてやろうと突いたら、動いた。まだかろうじて生きていたのだ。
しかし内臓が少しはみ出ていて、まもなく絶命するのは明らかだった。

カラスの仕業か水鳥の仕業か、敷地内でカエルの食べ残しはちょくちょく見かける。
が、こんなのは初めて見た。なんで食べなかったんだ。
食べようとしたところで我らが出てきたので逃げたのか?

20m程歩いたところで、もう一匹、ただ殺されたカエルを発見。
ここで、前日の猫が浮かんだ。
まさかだけど、あの猫が敷地内に戻ってきたのだろうか?
犬がうじゃうじゃしてるのに??
うじゃうじゃしてます

首をひねりつつ家の周りに戻ってきた。

そのまま家庭菜園の手入れをしようとしていたら、ふいにブラウニーが何かを襲った。
いや、襲ったは言い過ぎかもしれないが、アウアウ唸りながら何度も小突いたのだ。
小動物かと思ったら、白黒の猫。前日の猫だ。
タイヒ!

呼んだらブラウニーは離れたが、姐御としてこんな家の近くまで侵入者を許した汚名挽回とばかりに、今度はソフィが小突きに行った。

呼ぶまでもなく、もともとそんなにやる気のなかったソフィはすぐに離れて私のところに報告に来たが、猫が逃げた様子はない。

まさか死んだんじゃ?とおそるおそる様子を見に行ったら、私を見るやいなやすごい勢いで逃げ出し、そばの崖を駆けのぼって、ウバメガシの大木によじ登った。
なんで私で逃げるんだ・・・


グローネンダールはいかにも小動物を襲って食っちまいそうな面構えをしているが、実はあんまり興味がない。(友人知人からは、猫がだめ、という話は時々聞くが)
先日のカニに始まり、鼻先をぴょんぴょん跳ぶカエルも、数メートル先で低空飛行しているカラスも、まったく意に介さない。気にもとめないのだ。
まあ、そうでなくては牧羊犬はつとまるまい。
本来愛玩犬のハニー&フラも同様だ。
それにしては薄汚れすぎ

ところが、ブラウニーは狩猟犬の血が入っているようで、うちに来た当座は、カエルを追いかけまくり、池の平和を大いに乱して私の不興を買った。
動くものはとにかく追いかけて捕まえたいらしい。
これは今まで我が家において皆無だったことなので、慣れるまで多少の不都合が生じたのは確かだ。

それと、モノを噛んで壊すのが好きだ。これも初体験だ。
うちでは唯一、ホープがケージや壁などを噛み壊した経験があるが、目的達成(つまり脱出)の手段であって、噛むこと自体は目的ではなかったのだが・・・


まあ、そういうわけで、逃げ去った猫を我が家のオリジナルメンバーはもはや誰も気にかけなかったが、ブラウニーだけは崖の上まで追いかけていった。
そして、しばらく猫の木の下から離れなかった。

木に登った猫を見たら、なんだか小柄だったので、余っていたソフィ用の腎臓食フードを器に入れてデッキに置いてみた。
向こうは確かに木の上から見ていたようだったが、結局それを食べることなく姿を消していた(当たり前か)。

そのまましばらくは犬達の届かない場所に置いておいたが、数日後の土砂降りでダメになり、結局捨てた。
あれだけ怖い思いをしたし、もう二度とここいらには寄りつかないだろうと思った。




そうして姿を見ないまま数日が過ぎた。

週末になり、母が用事を済ませて帰高したので、駅まで迎えに行き、ゲートまで帰ってきたら、なんと白黒のお尻がゲートの中へ入っていくところだった。
懲りずにまだ辺りをうろうろしていたのだ。

我が家の最寄りの民家まで、1km以上離れている。辺りは田んぼと山だけだ。
たまたま通りかかったとは考えられない。

うちが気に入ったのかな?
試しに、夕方当直に出がけに、ゲートのそばに煮干しを数匹置いてみた。

翌朝帰ってきたら、きれいになくなっている。
小さくガッツポーズをしたが、猫とは限らない。
カラス、とんび、サギ、タヌキやイタチ・・・煮干しを食べそうなメンツは枚挙にいとまがない。

それから2、3日、朝晩必ず食べに来るのを確認し、今度はポンプ小屋とフェンスの間の、狭い隙間に移動してみた。
ここなら少なくとも鳥は食べに来ないだろう。
こうして、毎日朝と晩に、ポンプ小屋わきに数匹の煮干しを置いてやるようになった。




初めて餌を置いてから5日目くらいか。
仕事に行こうとゲートを出たら、車の下から白黒の猫が走り出た。
あの時の猫だ。
逃げ抜けるかと思ったら案に相違して、すぐそばの道路脇の草むらで座った。
やはり、かなり警戒心が薄いようだ。
モチット用心シナヨ

オ前サンガ言ウナ

ナンデー?

それに、じっとしている姿を見ると、草でハッキリは分からないが、思った以上に華奢だ。子猫に毛が生えたくらいの月齢ではないか。

そっと車で横を通ったが、逃げもせず見送っていた。
やはり、餌を食べていたのは他の動物ではなく、あの猫だったのだ。


その晩から、雨になった。

帰宅すると、器には水が溜まり、食べられなかった煮干しが浮いていた。
台風が近づいていたので、段ボールにビニール袋をかぶせて簡易の屋根と壁を作り、ついでに地面にも一枚段ボールを敷いて、なんちゃってハウスを餌場に設置してみた。
それから、子猫用ドライフードを購入して置いた。




結論から言うと、不気味な段ボールハウスにも臆することなく猫は通い詰め、日に日に車の下から逃げる速度が遅くなり、10日目頃から、餌を入れる際にちらちらと姿を確認できるようになった。
会えるのは、いつも夕方暗くなってからだったが。

白黒なので、お海苔とか海苔むすびとか呼んでいたが、そのうち『おむすび(仮)』になった。

そして、今も保護を目指して餌やり続行中である。




8 件のコメント:

ベックマン さんのコメント...

こういうのって続くもんですね・・・(o^-^o)
しかし、ハニフラ家のサイズをなんと表現したらいいか・・・考えちう(スゲーヨケイナオセワww)

ブラウニーの狩人レベルは、アラゴンに近いかも(笑)でも、我が家のブル君はこの5年近く何一つ捕まえたことも、噛んだこともないので、動くもの+ニオイを追うのが楽しいみたいです。お腹すいてないしね(笑)

さてと・・・「おむすび」やいかに・・・?w

ゆずゆきん さんのコメント...

おむすびくん(ちゃん?)、ハニフラ家に加わる日も遠くないのではと。
だってこれだけのメンツがそろってることわかってて離れていかないんですもん、
きっと仲間に入りたいんだと思うなぁ^^
楽しみ(笑)

ブラウニーさん、うちの姉妹と似てるかも。
我が家の猫に対してはどうでもいい感じだけど、
外で猫を見たら追わずにはいられないし、キツネだってシカだって
とにかく追いかけたいのです。
鳥はなんでもじゃなくて好みがあって、シギ・チドリとかの
水鳥を見つけたら延々と追い続けますねー。
でも追いついたからって実際に狩るわけじゃなくて
追うのが楽しいだけみたいです。↑アラゴンさんと一緒!

jick-jick さんのコメント...

ブラウニー頑張ってますね!! 立派な護衛犬?

我が家の追っかけ隊はアイス隊長です、
その後でフェイス隊員が意味もわからず吠えまくり

ぴっぴ さんのコメント...

ほぅほぅほぅ。
なかなか興味深い展開ではないですか。
ブラウニーちゃん柴の血も入っているかな?
以前飼っていた柴は動くものを追うのが好きでした。
猫を見ると遊びたくって追いかけてました。
軽ぅく逃げられていましたが。
おむすびちゃん保護できるといいですね(^^)


ハニフラ さんのコメント...

ベックマンさん、続くもんですね−。不思議です。
正直、犬はもうこれ以上は無理です。でも、猫だからなんとか・・・
よいサイズ表記が見つかりましたら、教えて下さい。とほほ。

アラゴンくんも追うのが好きなんですか!
あまりそんな印象はなかったです。アビーちゃんの方がどちらかというとハントしそうに思ってました。
狩猟というより、ゲームなんですね^^#

ハニフラ さんのコメント...

ゆずゆきんさん、ね、なんかあんなおっそろしい目に遭ってもなお寄ってくるって、来るべくして来てるのかという気になりますよね。
実際我が家に馴染めるかどうかはまだ分かりませんが。

なんだかJUDY&MARY姉妹は、猫さん達と穏やかにくっついて寝てる姿の印象が強く、そんなにワイルドに追ってる様子は想像できないわ−。
アラゴン君と同じく、とても意外です。
うちの連中なんて、私が焚きつけても、「いやだよーめんどいよー」とのらりくらりとかわして、絶対に追いかけません。
追いかけるのは、前の道路を通る人間だけ(-"-)
それだけは追わないでくれ(汗)

ハニフラ さんのコメント...

jick-jickさん、今のところ、ブラウニーの頑張りは残念ながら”よけいなお世話”ばかりです(笑)
これから活躍の場面ができることを期待しているところです。

アイスの追っかけ隊長は変わらないんですね^^
ふふ、フェイスは生き生きしましたねー。

ハニフラ さんのコメント...

ぴっぴさん、ブラウニーは、耳がぶ厚くて三角なので、柴か秋田の血が入ってる感じはします。
我が家では、ホープとブラウニーが猫と遊びたがります。
幸い、遊んでもらえるので嬉しそうです。
どちらが年上なんだか分からない感じです。