12/09/2008

その名は光


今日の写真は、黒くて分かりにくいので、
クリック拡大がお勧め!


ルースは他の犬たちとちょっと違う。
何と言うか、ぽんわかしているのである。


皆がごはんの気配を察知してダイニングへ馳せ参じているのに、独り居間でうろうろしていたりする。

甘える時も、他の子達と違って、体重をそのままぶつけてくるから、叱られる。



寝相ひとつ取っても、何となくそういう雰囲気が
ある。

たとえば昨夜。

        ルース、だ、大丈夫?

            ン?

たとえば今夜。

         これは・・・何?

    また小っちゃく畳まったね、ちょいと!

頭隠して尻隠さず的な寝姿。


          いい夢見てるの?



「お座りしてる子が好き」と母が何度か言ったら、
かまって欲しい時にはかならず座ってるようになった。

我らが外出から帰り、他の犬たちがワーイワーイと迎えに出て我先に甘えている時など、仲間の勢いに叶わないと思うと、すぐ輪の外に出て、三つ指ついて正座する。


こっちは足もとに群がる犬どもを、順位に従って撫でてやるのだが、ルースの番になって初めて、彼が輪の中にいないことに気づく。

はっと顔を上げると、少し離れたところで、見事なスワレをして、ひたとこちらを見つめる、無垢な目。



ああ・・・ルース、あんたって子は。



ガディの、糸が張りつめたような繊細さも、
ソフィの、目から鼻へ抜けるようなキレも、
持ち合わせてはいないが、その純粋さ、ひたむきさが、彼の良さなのだ。

我が家の光・LA LUZ、そのままでいてね。

            スピー

(La Luzは、スペイン語で「光」の意。愚弟命名)

12/07/2008

温泉土産


こないだ正月だったと思ったら、もう師走である。
日本の冬を、温泉抜きでは語れまい。

と、いうわけで、行ってきたぞな有馬温泉。



大学時代のバスケットボール部の仲間で、11月29日から30日まで泊まったお宿は、中の坊瑞苑という。


なかなかにお値段も良かったが、それだけの満足を得られる一泊二日であった。




お湯は、赤茶色の金泉で、つかると小さな傷にちと染みた。
人も少なく、いろんなお風呂が落ち着いて楽しめる。

浴場の外にはくつろげるスペースがあり、りんご酢、
オレンジジュース、麦茶、アルカリイオン水、緑茶、
梅昆布茶、そして夜はビールが、湯上がりに飲み放題である。素敵。




ほどよくふやけたところで、夕食の時間となり別室へ
移動する。
我ら7人が通された別室は70畳の大広間であった。
(私達だけ!)


幹事をして下さった先輩より、「食事は量より質でいきます」とのお達しであったが、なんの、量も十分ではないか。
おかわりもしたけど。

ビールとざくろ酒に、日本酒も少しだけ追加。
この度は、天狗舞と、瀧鯉をいただいてみました。



すっかりお酒が回ってゴキゲンになったところで、そのままもう一度温泉に直行するという、医者にあるまじき行動に出る私達。

           オイオイ・・・

しかも、二日酔いの特効薬だけは抜かりなく持っているという、部分的に医療知識を有効活用する私達であった。

夜はオヤジギャグカルタで微妙に盛り上がり、夜中過ぎ床に就く。






翌朝もしっかり朝食と温泉を堪能してから、散策へ。







炭酸煎餅など試食したりしながら、有馬の町並みを楽しんだ。




古き良き温泉街というものに初めて行ったが、恋人同士よりは、気が置けない友人同士や、家族で来るのがふさわしいように、しみじみと感じた。




















今回、私はお土産で試してみた事があった。
それは、『有馬温泉をお土産に持って帰る』だ。
必要なお土産はこの三つ。

金泉の素。(ま、入浴剤)



中の坊で焚かれていた香。



温泉といえばこれ、炭酸煎餅。



家族がこの温泉の素を入れた風呂に入っている間に、
香を焚く。
(我が家は普段から玄関で香を焚くので、香炉はある)


お風呂から上がったら、その香り漂う中、炭酸煎餅を
お茶とともにどうぞ。

これは、大成功であった。
愚弟など、風呂上がり炭酸せんべい片手に、
「ここは有馬や!」と喜んでいた。

          イイオ湯デチタ

もちろん、赤錆色に濁り、塩辛い本物の金泉と異なり、家で入るお湯は濁ってはいなかったが。

温泉みやげにキーホルダーも悪くないけど、いかがですか、温泉まるごと持ち帰り。
幸せ気分が続くことは保証いたします。





おまけ

夕食の一部はこのような感じ。
胃の中にて写真が撮れなかったものも多数。

          食前酒と前菜

       焼き茄子、汲いゆば掛けなど

          寒鰤うす造り

      これは、座敷で焼いてくれました

      あんぽ柿、真っぷたつのぶどう


けっこうでございました。

11/25/2008

おもち飛べ飛べ



所変われば、という。
今まで自宅や山荘などで
“家の新築”は経験したので、上棟式の時に宴を催したことはあったが、高知の辺りでは、落成式を大々的にやるようだ。



実は2年程前から土地探しを始め、四万十川の畔近くに、田舎暮らしを楽しみつつ、7頭の犬たちと人間が、お互い楽に過ごせる(はずの)家を建てていた。


それが、この10月いっぱいで、完成したんである。

工事に伴い、意外に賑やかな起工式(地鎮祭含む)、あっけないほど簡単な上棟式、そして何とも大がかりな落成式を経験することができた。
盛大に行う順でいうと、落成式>>起工式>上棟式、である。

           起工式


去る11月3日は、まったく盛大な落成式だった。
私のような年端も行かぬ小娘にとっては

           コムスメ?

身の縮む思いであったが、とにかく神事と宴には60人を越す人々が出席してくれたのだ。

しかし、山場は餅まきであった。




紅白の餅をまくのだ、と聞いた時、なるほど、では100個くらいは要るのだな、などとぼんやり考えていたら、「二俵じゃ足りんろう」という声が聞こえてきた。

二俵・・・
二・・・
俵!?

            エッ


100〜200人は来るとのことで、結局、お餅は三俵半
(なんと、お餅は地元の方達が寄付してくれた!!)、袋菓子を一万円分、おひねりをある程度(額はご想像のままに)、用意することになった。




唐突で申し訳ないが、祖父の遺稿集「西生」の、「父が口にした警句」と題した文の中に次のような一節があった。

 「祝いの投げ餅はねや、遠いくにおる人に
  投げちゃり
。近まわりはひっとり落ちるけのう。」
 (祝いの餅は、遠いところにいる人に投げてやり
  なさい。近いところへは、ひとりでに落ちるもの
  だから。)

太字の所は、実際に太字になっているところである。

           宴もたけなわ

この意味は、単に餅まきの話にとどまらないと思っているが、今回は餅まきそのものに対する警句として、胸に刻んで臨んだ。




だが、意外に思った程飛ばないのだ。

おまけに、すぐ足もとで、餅拾いのプロ(?)とおぼしきおばさん方が、しっかりこちらの目を見ながら「こっちへ投げて〜」と叫ぶ。
このプレッシャーに勝つのは容易ではない。

        雨天に200人来てくれた

聞くところでは「餅拾いクラブ」みたいな団体が各地にあり、けっこうな遠くへも、餅まきがあると聞きつけると、バンで乗り付けるそうな。

そうでなくても、慣れたお婆さんなどは、普段は絶対に役に立たぬであろう、バカバカにでかいポケットの付いたエプロンなんかを着けていて、曲がった腰を曲がったままに、地べたに落ちた餅を素早く拾い上げていくのだそうだ。


実際、餅まきは10時半からだったにも関わらず、8時過ぎに現地入りしたら、もう沿道には餅拾いに来た人たちの車がずらっと並んで停まっていた。

        上向きに投げすぎです。


それと、予想外だったのが、身体的にきついこと。
餅まきがあんなにしんどいとは思わなかった。

餅の入った籠は足もとに置いてあるから、それが空になるまで、立ったりしゃがんだりをひたすら繰り返すことになり、最後はへとへとだった。

        (にぎやかな音が出ます)


落成式が終わってしばらくは、ちゃんと遠くへ飛んでいなかったようだ、後ろの方の人はあんまり拾えなくてがっかりして帰ったんじゃ、などと、あれこれ考え込んだりもした。

でも、ほんの10分程ではあったが、お餅の入った袋やカゴ(や特大ポケット付きエプロン)を携えて、三々五々帰路につく人々を見送ると、なにやらとても嬉しく、心から「良かったなあ」と思ったのだった。


それは、うまくいって良かった、もあるけれど、地域のみんなに来てもらえて良かった、なのである。




学んだこと。
餅は、ぞんがい遠くへ飛ばん。

          そんなもんじゃ