我が家の猫は完全室内飼いだ。
外にまったく出さない、ということは、安全面では最善なのは誰でも分かる。
が、猫の幸せという点からははどうなのだろうと、考えてしまうこともあった。
その辺りの経緯は以前の日記「
おむすびってね・・・」で書いた。
文章の中ほどで、福岡県での取り組み『
おうちへかえろうプロジェクト』の中の、『
のら猫はしあわせ?』というページを紹介したくだりだ。
見やすく、分かりやすく、とてもお勧め。見たことない方はぜひ。
そして、今は迷いなく、完全室内飼いを徹底している。
ん?
(4月5日)
・・・・・・徹底して
いた。
おこぶが、どうしても外へ出たがるのだ。
他の猫たちは、”うっかり”外へ出てしまっても、大慌てで屋内に戻る。
推定3歳頃まで野良暮らしをしていたおむすびでさえ、一目散に飛び込んでくる。
よほど、外の暮らしが辛かったのだろう。
外ナンテ二度トゴメンヨ
ところがおこぶだけは、何度も脱走した。
も:ナンデ外ナンカ行クンダ
も:・・・ナニ嗅イデンダ
最初はハラハラしたが、ほどなくして帰ってくる。
そして一度外へ出ると、その日はゆったり落ち着いている。
逆に出してやらないと、日がな一日、サッシを開けようと格闘を続けるのだ。
サッシのへりに爪をかけ、全身をくねらせて力を込める後ろ姿は、我らを葛藤させるに十分だった。
ある時、うっかり外へ出た際に、彼の動向をそっと観察してみた。
すると意外に、家の周りをうろついて遠出はしていない。

そこで、今春から思い切って、希望通り出してやっている。
幸い、我が家は一般道までかなりの距離がある。
また、おこぶは去勢済みなので、繁殖期に行動が変わる可能性も低い。
そういったことを考慮した上で、朝、犬たちと一緒にドアから出ていくのを黙認しているのだ。
(真っ先に飛び出さない日は、わざわざ出したりはしない)

外をおこぶと歩いてみると、猫なのに、犬たちと一緒に団体行動をしているのに少し驚いた。
ためしにあちこちうろついてみたが、必ず我らの行くところへついてくる。
行動範囲としては、ゲートのあたりまで。
少しだけ外に出ることもあるが、すぐ戻ってくる。
出しっぱなしではなく、一緒に散歩し、犬たちの散歩終了と一緒に、おこぶも家に入れる。
私が気づかなくても犬たちが居場所を教えてくれる
それでも、心配なことに変わりない。
草を食む
(家ニ帰ッテ布団ノ上デ吐キ戻ソウ)
40年近く前、初めて飼った猫は、近所の小さな子供が(私も小学2年の子供だったが)、一軒一軒家を回って飼い主を探していた野良猫の赤ちゃんだった。
おむすびに似た白黒の猫で、ミューと名づけたのは私だ。
毎朝、登校する私を途中まで見送ってくれていたが、ある朝、いつもよりひと辻先までついてきた。
そしてそれきり、帰らなかった。
だから、おこぶだっていつ、それまでと違う行動をとるか分からない。
そのまま二度と会えなくなるかもしれない。

だが、明らかに幸せそうに外の世界を満喫しているおこぶを、少しの時間出られさえすれば、あとは落ち着いて家で過ごすおこぶを、それでも閉じ込めるのは正しいことなのか。
ぐるぐると考えながら、今朝もまた多種族混成の群れで散歩をするのである。
私の枕の上で何をくつろいでおるのだ
動画どうぞ。
iPhone内蔵マイクの性能上、音量に限界があり、いつも全体に音が小さめです。
目安としては、野鳥の声が自然に聞こえるくらいの音量でどうぞ。