7/18/2013

仲間入り





茶色い新入りは、とても気だての良い犬だ。



その雰囲気を察したか、引き取った翌日の夜には、もう猫達が様子を見にいっていた(たんなる野次猫かもしれない)。
犬達との顔合わせもまったく問題なかった。

まず部屋の境のドアを少し開けておいて、お互いの匂いに慣らし、黒犬達が散歩から疲れて帰ったタイミングで柵越しに屋外で会わせた。
全員、ほんの一瞬鼻を合わせただけで終わり。実にあっけなかった。


引き取って3日目、すなわち7月7日には、遊びに来てくれたご近所さんとこのような光景が。
この時はブラウニーもだが、おこげもおもちも初めて会うご近所さんにあっという間に懐いてしまった。
他人に冷淡で、ともすれば追い払おうとするグローネン達との暮らしに慣れている身には、この様子は珍しくまた喜ばしい。
(もともとこのご近所さんは、犬にも猫にも好かれる方なのだが)


帰高する朝には、庭で黒犬軍団と一緒にしてみたが、問題なく溶け込んでいた。




四万十までの道中では少し事件があった。

三木の辺りで、急にブラウニーが激しく鼻を鳴らして鳴き始めた。
母も私も、排泄の要求ではないかとすぐに気づいたが、気づいたところでどうしようもない。サービスエリアまではまだ5kmほどある。

 「がんばれ、ブラウニー!」
 「もう少しだからね」
 「ちょうど三木にはドッグランがあるからね」

無駄と知りつつ口々に励ます私達。
ますます鳴き叫び、辺りのものを囓ったりして悶えるブラウニー。

まもなく、ブラウニーがぴたりとおとなしくなった。
それと同時に、濃厚な匂いが漂ってきた。
アア・・・

三木サービスエリアに辿り着き、後部ドアを開けると、そこは予想以上の惨状だった。

健気なブラウニーが、自分の粗相を何とかしようと頑張った結果、二重に敷いておいたマットはまるめられ、むきだしになった布張りの床のそこかしこにうんこがなすりつけられていた。

さらにブラウニーは、そこから逃れようとして、前足が届く限りの周囲のものを汚染しまくっていた。
バリケンが間に合わず、やむなくリードで繋いでいたため、被害が拡大したのだ。

そして、昨秋こげもちを連れ帰ったときと同じく、今回もまた、ブラウニーの居場所はホープのケージの前だった。
ケージの中までめりこんできたブラウニーのうんこを前に、ホ坊は黙って座り込み、力なくこちらを見ていた。

あの時と同じく、今回もまた、もっとも被害を受けたのはホープだったのだ。
本当にすまない・・・
ブ:ゴメンナサイ・・・

汗だくになって車に応急処置を施し、ブラウニーの四つ足をドッグランの足洗い場で念入りに洗って、小1時間後、再び出発した。




四万十の我が家に到着したのは夜10時を過ぎていただろうか。
全員を下ろすと、ブラウニーも黒犬チワ犬に交じって走り回っている。
交じって一緒に行動してはいるが、微妙に距離があるのが、まるで人間の子供の転校生のようでなんだか可笑しい。

そろそろ部屋に入ろうと、ホープに
 「ブラウニー呼んできて」
と声をかけると、ちゃんと呼びに行った。
ほほう、うちの連中も、もうブラウニーを覚えているのか。


だが、まだ群れの仲間ではなく、お客扱いである。
それが分かったのは、水飲みの時。

長時間の移動で、喉がカラカラの犬達であるが、必ず順番待ちをする。
これは私が教えたのではなく、犬達が自分たちで決めた厳しいルールである。
ところがそういうルールを知らないブラウニーは、こともあろうにソフィが飲んでる横から顔を突っ込んだ。
当然一喝されると思って見ていたが、驚いたことに誰もが黙認したのだった。


話は前後するが、ブラウニーは家に入るとまず、私に連れられて順に各部屋を見学している。(シーザーさん流)
念のためおむつを装着され、たっぷり水を飲んだ後、もう一度室内を調べていた。

その晩は少しの餌をもらって、皆すぐに休んだ。




翌朝から、いよいよブラウニーの四万十田舎暮らしの始まりである。

意外と物怖じせず、藪でも水でも調べて回る。
崖の上でホ坊のお尻を嗅ぐ余裕を見せる

初めは大阪での散歩時のように草ムシャをやっていたが、すぐにそれどころではなくなった。
調べなくちゃならないものがたくさんあるからね。

ブラウニーにお構いなく私達群れが移動するので、慌てて追いついては、先頭に走り出てどんどん進む。
小さな子供が初めてのひろっぱで、興奮して走り回る姿のようだった。
私も、犬達同様まだ客人扱い(正確にはゴマメ扱い)で、好きにさせてやった。




変化は3日目だった。
朝の散歩から帰ってソフィが水を飲んでいるところへ、いつもの調子でブラウニーが近づくや、一喝されたのである。
群れの一員と認められたからこそだ。
ちょっと姿が似ているふたり


おこげ様おもち様が仲間と認めるにはもう少し日数がかかった。

猫達の方から寄っていって観察はするが、新参者ブラウニーごときの方から近づいて嗅ぐことはおゆるしにならなかったのだ。
控エイッ

ちょうど10日目にようやく、おこげ、おもちと続けて、いつもうちの黒犬達とするように、鼻と鼻を合わせる挨拶を交わす姿を目にした。




さっ、これからは叱られることも出てくるだろうけど、おうちがハッキリするまで、大事な家族。楽しく暮らそうね、ブラウニー。

10 件のコメント:

あが さんのコメント...

ブラウニー君順調にハニフラ家に馴染んでいってますねえ。ハニフラさん大丈夫ですか?イヒヒヒヒ。
それにしても最初はきちんと客人として扱い「あ、一緒に居るんだ」と悟ったらきちんとルールを示すハニフラ家のパックはなんと素晴らしい。本当にできることならうちの犬達をブートキャンプに送り込みたいくらいです。あ、代わりにその間ハニフラちゃん達をお預かりするとか(笑)

おもちちゃんがお客様に寄り添って座る姿良いですねえ。猫のいる風景って犬とはまた違うホッコリ感がありますね。でもこげもちちゃん達もやっぱり猫様なんだ。新入りさんはそう簡単には挨拶させて頂けないのね(笑)

これからも変化を続けて行くであろうブラウニー君を拝見するのを楽しみにしています。

まりこ さんのコメント...

ふふ、面白いですね~。
黒犬さんたちと初めて会う犬に対して、いつもハニフラさんが
細やかな気配りを見せているの、とっても勉強になります。

トトは黒犬さん達と正反対だから、誰が来ても基本ウェルカムな感じです。(イタリア男だからか?)
「群れ」や「上下」の意識も低いので、トトがソフィ姐さんに
会ったら、すっごく無礼な態度をとって怒られるんだろうなぁ、っていつも思います・笑

ブラウニー君は、四万十暮らしもすぐに慣れてしまいそうですよね。
ワタシもブラウニー君の変化を楽しみにしています♪

はたはた さんのコメント...

そのンコ事件は、わかりすぎるほどわかり
その車内の惨状とニオイもフラッシュバックするざんす。

しかもなすすべもなく、運転し続けなければならぬのよのう。

仲間入りのしるしって、ウチも水飲みが一番わかりやすいかも。
新入りの性格によって、日にちは違うけど、人間には
ある時突然、一喝されたように見える・・けど、
きっと、その前からサインはありますよね。
あまり無礼すぎる子は、その一撃が流血、ショックで
引きこもりになったりするんだけど、先住を怒れないし、
犬に任せて大丈夫な時と人間の介入が必要な時と、
結構判断間違うと、大型犬だけに、惨事に・・。

ブラウニーくん、人にも犬にも、OKで、よかったですね。
次は、室内でのいたずら、何かやらかすかなー!?
人事だと楽しみです~(笑)

ハニフラ さんのコメント...

あがさん、鋭いツッコミが!!
危険ですよブラウニー。ほんま、めっちゃ可愛いです。
それこそ、穏やかで従順なオーラを纏ってます。
でも、だからこそ安心して新しいお家に出せそうです。この子だったら、どこに行っても、本犬も迎えた人間も最高に幸せになれます。

んもー、ニコニヤちゃんが参加してくれるたらと想像しただけでも顔がにやけます♪
が、意外とうちのブートキャンプはちょろいですよ。
あ、それと、ブートキャンプの隊長はハニーなので、代わりのお預かりはこげもちでお願いします(笑)
高体温で寄り添う猫達に、汗をかきつつほっこりしてください♡

ハニフラ さんのコメント...

まりこさん、いえね、うちの連中がなかなかキツイので、必要に迫られて、ですよ。気を配らざるを得ないんです(><)
トトさんのようにウェルカム〜!な子だったら私ももっと気楽に対面させられるのですが。

いつもたくさんの犬友達と遊んでいるトトさん(ディオっち&チワぞうも)の、何にソフィが怒りましょうや。
きっと逆に、犬作法のあれこれを勉強させてもらうくらいだと思います。

ブラウニー、馴染みまくってます。
たぶんお散歩なんかもきちんとさせてもらっていたんだと思うんです。
ただ、ちょっと後ろ足の運びになんかぎこちなさを感じるので、今度診てもらうつもりです。

ハニフラ さんのコメント...

おーさすがはたはたさん。
そうなんです、分かっているのにどうにもできないもどかしさ。
一番気の毒だったのはブラウニーか、ホープか、決めかねます。

出入りの激しいはたはた家でも、水飲みシーンが一番分かりやすいですか。
そう、ちょっとずつサインはありますね。
で、新入りの方も探り探りあれこれ試していく、という感じなんだけど、どこかでやっぱり一喝されるときがきます。

はたはたさんのように、保護犬の面倒を見ておられると、社会勉強をさせてもらえていなかった犬や、それまでの経緯で萎縮気味になっている犬などがいますから、よりいっそう人間側の配慮が大切になるでしょうね。
すごいなあ。

ブラウニー、優等生過ぎて・・・なんかかえって心配なくらい。
はたはたさんのご期待には添えないかも!?(笑)
きっと、どこに行っても幸せに暮らせると思います^^#

ベックマン さんのコメント...

ホープ様、あなたにはとてもとても素晴らしい「運」がついているのだと思います。ハニフラさんの代理で宝くじ選んでください(笑)

犬同士の折り合いのつけかたっておもしろいですよね。まぁ我が家は黒々さんたちの( ・ิΘ・ิ) キリッっとしたかんじは全然ありませんので(笑)これまた、各犬の性格によるんだなぁっと・・・
アラゴンは・・・一喝の入れるところがね「えっ?そこなの?」ってかんじで結構、私的には笑えるところが多かったです。

ブラウニー心強い仲間がいっぱいで、幸せだね♪♪♪

jick-jick さんのコメント...

何事もなくあっさり仲間入り、いい感じ!  

ますます四万十に遊びに行きたいです!

ハニフラ さんのコメント...

ベックマンさん、ほんと、ホープには運がついてるとつくづく思います。
彼の運は彼のためにしっかり使ってもらうことにして、私は宝くじは諦めて、せこせこ働いて稼ぐとします^^;

アラゴン君は鷹揚なイメージ。
大きな心でアビーさんを迎え入れてくれたと想像しています。
「??」というところで一喝入れるところも、いいなあ。
ベックマン家、ほんとに素敵なチーム(←?)ですよね!

ハニフラ さんのコメント...

jick-jickさん、たぶんにブラウニーの穏やかで落ち着いた気性が大きく影響していると思います。
うちの連中はけっこうセコいので、幻滅するかもですよ(笑)