それにしても昨日は空気が輝いていた。
大陸からの汚染物質で四万十の空も黄色く濁った日が続いていたから、南からの強風で洗い清められた空が眩しかった。
天気予報どおり、この土日の風の強さはものすごく、折れた枝などがけっこう飛んでいて危なかったので、午前中は部屋の中でもぞもぞしていた。
が、屋内にいても、何かがこすれるような音、大きなものが飛んでいってぶつかるような音が頻繁に聞こえる。
家に問題が起こってないか少し見て回ろうと、午後になって黒犬達をお供に外へ出てみた。
そして、空の高さに驚いたのだ。

あんまり気持ちが良かったので、つっかけにも関わらず敷地奥の湿地へ行ってみたらば、ますます我慢できなくなり、家にとって返し、母と弟を呼び出し、ハニーとフラも連れ、長靴に履き替え、忘れていたiPhone(カメラ代わり)を持って、もう一度湿地へ戻った。

ここは、家が建っている高台のふもとの土地(ウバメの段やパーク)からは、崩れかけた小さな水路と灌木の茂った土手で区切られた、少し奥まった場所。
本来の地名をそのまま取って、『オリオ』と呼んでいる。
放棄田だった土地なので、ほぼ自然に戻った今も、湿地のままなのだ。

ウバメの段とパークも放棄田だった。

こちらは土を大量に入れたお陰で、今は乾いた土地となっているが、周囲を湿地で囲まれている。

大阪から移住してきたばかりの頃は、湿地を目の敵にしていた。
気軽に踏み込めないから使えないし、湿った場所というのは病気や害虫が発生するイメージがあって、不健康な気がしたのだ。

さっさと埋めてしまわなかったのは、単に予算不足と、これが最大の理由だが、私が物事をテキパキやらない性分のせいに他ならない。

そして今は、湿地を残していて本当に良かったと心から思う。


写真は全然撮れてないけど、湿地にはいろいろな生き物がくる。
小鳥たちはもちろん、サギなどの大きな水鳥。
小川には魚たち。
もちろんカニやカエルなどの水生動物。
イノシシ、イタチだかテンだか。
植物だって多様だ。私はこちらへ来て、生まれて初めてガマの穂を見て感激した。
そして、天候によってガラリと姿が変わるのがまたいい。

自然には、実にいろいろな顔があって、そのどれもにそれぞれの良さがあるんだという、当たり前のことを改めて感じる。

膝の悪い母も、




だいいち、さっき私が登ったときは知らん顔してたじゃない。
ひととき、湿地の恵みを身体いっぱいに受けた。



全員でにこにこしながら家に戻り、


人どもは熱いお茶を煎れ、犬達は足や腹の泥を洗われてから私のマダニチェックを受けたのち、部屋の中で満足そうに寝っ転がった。


今朝はまた、目の前の山も黄色く霞む無念さよ。
「ニューおもち」の話はこの次に。

10 件のコメント:
四万十の高く澄んだ空はどれほど気持ちがいいでしょうね(o^^o)
前回、お邪魔した時は、湿地の苔に感動しました。
埋めてしまわなくて大正解!予算が足りなくて良かった(笑)
はにふらっちのシャッターチャンスにお顔を出したお茶目さんはルース君かなぁ?
お母様&弟さんとみんなで湿地散歩。とっても素敵ですね〜^^
ニューおもちっちの記事、楽しみにしてまーす♪
こんなところは是非残して頂きたいです。湿原はとても長い年月で少しずつ出来上がっていくのでとても神秘的です。必ずお邪魔しますので出来ればそのままで。
生き物の宝庫ですね!
水あるところには、たくさんの生物。
私たちが知ってるのなんて、ごくわずかで。
読んでいるだけで、洗濯される気が致しまする。
そんな中だと、チワワもワイルドですねー。
そうっ!日曜日はホントに空気がキレイでしたよね!
ワタシも車を走らせながら、山ばかり見ていました。
いつもはおにぎり山が一つの大きな物体に見えるんですが、
この日は木(気)の集合体に見えました。
遠くからでも一本一本木の様子が見えて、しかもちょうど
緑が若々しく 芽を出しまくってる感じが迫ってきて!
残念ながら、あんなに空気が澄んでいる日って、一年のうちで
そんなにないんですよね。。
写真、どれも素敵です!
ワタシも絶対お邪魔させて頂きたいです♪(高速も伸びたし~)
ニューおもち、最初の写真より顔立ちがハッキリしてきたせいか
ますます おもちに似てきてますね。
おこげの反応が楽しみ~(*^_^*)
初めまして。
猫は死ぬのではなく、木曽の山奥に修行に行くそうです。
で、立派になって戻って来るのです。
おもちちゃんも修行に行ったけど、原因がハシだし、若すぎるので、追い返されちゃったのでしょう。
ちりはことさん、それが高知県西部は北九州と気候が近く、PM2.5や黄砂の影響がかなり強いのです。
犬達も室内で過ごす時間が長くなり、つまらなそうです。いい季候なのに・・・
あっ、ちりはことさんが前回、苔に感心していたのは散歩コースの山の渓流ですね。
我が物顔でご案内しましたが、実はうちの敷地ではないのであった^^;
ハニフラの数少ないシャッターチャンスを潰してくれたのはホープです。
あのまぬけ面は、あやつしかおりません。
ニューおもち、だいぶ体重が増えて、元気になってきました!
jick-jickさん、大丈夫、湿原はこのまま残します。
けっこう年々様相が変わるので、数年後にはどんな風になっているか想像もつきませんが、大切にしますので、遊びにいらした折には楽しみにして下さいね。
はたはたさん、生物多様性なんちゅう難しい言葉が滑稽に思えるほど、ごくごく自然に多くの生き物たちがそれぞれの生を全うしている場所ですね。
歩き回りたいけど、踏み荒らしてもいけないし、あれこれ方策を考え中です。
チワワ、たくましいですよ〜。
湿地はもちろん、岩場もガンガンいきよります。
まりこさん、そちらもきれいだったのでしょうねー!
おにぎり山が息づいてる様子が目に浮かびました。
生命に溢れた輝くばかりの季節なのに、普段は霞んでますものね。
大阪との行き来の時、瀬戸大橋を渡りつつ、四国側が黄色くぼやけてしか見えないことが多いんですよ。
そうそう!
高速が延びて、地道を走る時間が1時間程度になりました。
3年前は2時間強かかっていたことを考えると、いや〜、近くなったもんだ!
(前も同じような台詞を聞いたような^^)
遊びに来て下さるのを待ってますよ。
いや、その前に再び押しかけるかも。
前回はホ連れだったから、今度はチワワ組で(笑)
匿名さん、はじめまして。
木曽の御嶽山の山奥で、前世を終えた猫達が修業をしている・・・
じめじめした場所からカラリと乾いた場所に出たような気分になれました。
ありがとうございます^^
ニューおもちは尾が短いので、「しっぽと一緒に厄を落としてきたな」なんて言ってたのですが、きっと追い返される際に、落としてもらったのでしょうね。
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