1/25/2014

おむすびってね・・・




はっきり言って、おむすびはかわいい。
とってもかわいい。
本当に本当にかわいい。
なにがかわいいって、まず、人懐こい。
それから、優しくて、嫌なことをされても爪を立てたり噛みついたりしない。
それから、根に持たない。




人懐こい話・・・


保護当初はお客用寝室をおむすび部屋にしていたのだけど、広くて板張りなので暖房効率が悪いため、私の寝室に移動させた。

足音で人が近づくのが分かるのか、ドアを開けるとたいてい入り口の真ん前で待機している。
巣箱の中で眠り込んでいたときは、急いで起き出してくる。
(いつもってわけにはいかない。
眠くて目が開かないことだってある)

そしてニャニャニャ・・・と顔を見上げて鳴きながらベッドに駆け上がり、ごろんとヘソ天になる。
視線はずっと人の顔に向けられたまま。
そして大音量のゴロゴロゴロ。
お腹を撫でてやったら、嬉しくてもだえている。

部屋を出ようとするとヘソ天のまま前足を伸ばし、行かないで、とばかりに両手でこちらの手をつかまえる。
そのつかまえ方がまた、ふわりと柔らかい。

人の手をぺろぺろ舐め、奥歯でそっと囓り、顔だの背中だのをこすりつけてくる。
一緒にいる間中、ずっとゴロゴロ言っているのだけど、膝に乗って眠り込んでしまったときだけ、ゴロゴロがやむ。


これほど人恋しくて、甘えん坊の猫が、山の中で独り過ごした日々はどんなだったろう。


実はおむすびに餌をやり始めた当初は、飼い猫にするかどうか決めていなかった。

自然の中でうまく生きていくなら、それもよいだろう。
ただ、どうしても避妊もしくは去勢までは受けさせておきたい。
それ以降は、捕まえてからの猫の様子次第にしよう、と考えていたのだ。
(集落に避妊去勢をせず増えるままにしている家があるのだ)

無理に人間や犬や他の猫に慣れさせてまで飼い猫にするつもりはなかった。


しかし、餌づけ開始後のおむすびの私への親しみようは予想外のものであった。

そして実際、捕まえて世話をしてみて、ああ、この子は人と共にいてこそ幸せな猫だと確信し、そこで初めてこのまま保護猫にしようと決めたのだった。



後押しになったことがもうひとつある。

おむすびに限った話ではなく、「野良猫を保護する」ということそのものについて少しばかり悩んでいた。

犬と違って群れで行動しない猫は、人間に飼われるより自分で自然の中で生きていく方が幸せなんではないか。
もしそうなら、たとえば交通事故に遭って死んでしまったとしても、それまでの猫生は彼(彼女)にとって充実したものであり、人間に囲い込まれて長く生きる猫よりも幸せかもしれない。

ちょうどそんなとき、Facebookでこのサイトを見かけた。

   おうちへかえろうプロジェクト
    —のら猫はしあわせ?—

特に、”冒険より睡眠。”の項。
ここを読んで、思わず知らずうなずいていた。

猫の行動範囲は広く、毎日何キロもなわばりのチェックに移動する—ということばかりが頭にあったけれど、考えてみれば、おこげもおもちも、ほとんど寝ている。
母のふかふかの羽布団などの快適な場所を選んで。
黒犬を枕にしつつ、茶犬に枕にされる

そしていったん遊ぶとなれば、家中を縦横無尽に駆け回り、エアコンの上まで駆け上がったり、流しでいたずらをしたり、お互い取っ組み合ったり、犬を獲物に見立てて狩りをしたりと、存分に楽しんでいる。
炊事の見学が大好き
でもよく寝落ちする

客観的に考えても、こげもちは外で暮らす猫に比べて不幸なようにはみえない。
外ニ行ッテミタイカッテ?
寒ソウダシ・・・

ならば、おむすびだって、彼女の気性次第では、飼われる方が幸せという可能性は大いにあるだろう。
生き物相手なのだから、どうするのがベストかは一匹一匹に合わせて考えればよい。

ま、こんな感じのことを考えながら餌やりを続けていたのだった。




優しい話・・・


おむすびは穏やかな猫だ。

今年になって獣医さんで採血をされたとき、バリカンの音が怖くてパニックになり、診察室から逃げ出した。
待合室の隅でシッポが倍くらいに膨らんで縮こまっているのを見つけたが、鼻先へ指を出したら匂いを嗅いだので、そっと抱き上げると暴れもせずにクレートに収まった。
その間、一度も引っ掻くそぶりも噛みつくそぶりも見せなかった。
少し落ち着いたのを見計らい、引き続き、耳のチェックや注射をすることができた。

なんだか暴れる猫よりストレスを溜めやすいのではないかと思う。
こちらが気をつけてやらないと。

毎日のインターフェロンの経口投与も初めはちょっと嫌そうだったが、すぐに慣れ、逆に喜んでゴロゴロいうようになった。




根に持たない話・・・


以前にも書いたとおり、保護当初、おむすびのしっぽのつけねには咬み傷があった。
その後、部屋の入り口から犬や猫が覗いた際、ブラウニーに火を吹いたのを見て、やっぱり犯人はブラウニーだったんだということになった。

ストレスがかかると免疫に悪いので、基本的に犬猫には会わせていなかったのだが、獣医さんに行くときには短時間ながらクレート越しに犬の姿を見ることになる。
初めは、私の手からクレートごと吹っ飛ぶ勢いでブラウニーに怒っていた。


ところが、いつのまにやら許してやったようだ。

今は、私の部屋を外から覗く犬達に、ガラス越しに寄っていくし、ブラウニーにも前足でちょいちょいとちょっかいを出そうとする。
黒犬を前足でエアちょいちょい中

全然犬達を怖がっていない。
む『ア、カミカミ君ダ』
む『コンニチハ』
ぶ『オヤ、コンニチハ』
(・・・ブラウニー、この猫咬んだこと忘れてるやろ)

この様子だと、犬猫と合流させてもすぐに馴染みそうだ。




さて、そんなおむすび、保護してから約2ヶ月間、猫白血病ウイルスをやっつけて脱キャリア、を目指して頑張った。
そして今月7日、意を決して再チェックを受けた。

結果は、やはり陽性。
強陽性ということになるのだろうか、コントロールより青々している。
一縷の望みをかけていたが、結果は残念だった。

だが、陰転しなかった場合の覚悟もしてあったので、もうこれ以上思い悩んでも仕方ない。
できるだけ発病しないよう、そして平均よりはるかに短い猫生であったとしても十分に幸せだったと感じてもらえるよう、最善を尽くすとしよう。

この2ヶ月間おむすびにしてきたことは、暖かくストレスのない環境を整えてやること、しっかり栄養をつけさせること、免疫によいと思われるサプリなどを使うこと。
おむすびのおかげで自室に煖房器を購入

そしておむすびの大好きな、愛情をたっぷり注ぐこと。
これらを同じように続けていくだけだ。


それと、インターフェロンは、ぷっつりやめてしまうのではなく、もうしばらくは無理ないペースで続けていくことにした。
これからは陰転が目標ではなく、抵抗力をつけさせ、発病させないことを目標として続行するのだ。(いつまで続けるかは未定)

経口投与はまったくストレスになっていないので、今まで通り。

注射は、シマント先生と相談し、今まで週に一回打っていたのを、2週に一回程度に減らすことにした。


こげもちには、まず猫白血病ワクチンを打たねばならない。
新しいワクチンは、シマント先生のところにはなく、仕入れるとなると10本単位になるため入れられないとのことで、オオサカ先生に取り寄せてもらって打つことになった。
おもて
うら

すぐには帰阪できないので、あと一月ほど隔離生活が続くのが可哀想だが、こげもちのワクチンが済んで皆と合流すれば、おむすびの幸せ度はさらにアップするに違いない。
コンナコトヤ
コンナコトシテ一緒ニ遊ボウ

それからもうひとつ。

いつか発病したときには、もちろんできるだけの手を尽くすが、もう和らぐことのない苦しみがおむすびに訪れたなら、私がその苦しみをできるだけ早く取り去ってやることも決めている。

できるだけ長く一緒にいたいのは当然だが、一緒にいる長さだけが大事なのではないことを、理屈ではなく身をもって、ムギや先代のおもちに教えてもらった。
最後まで、幸せなままでおむすびを天国に送りたい。




はっきりいって、おむすびはかわいい。
とってもかわいい。
本当に本当にかわいい。

他の猫より短い時間しかこの世では与えられなかったから、他の猫より何倍も愛されて幸せを受けられるように、神様がはからったのかもしれない。


7 件のコメント:

ゆずゆきん さんのコメント...

いろんな思いがいっぱいあふれる記事でした。
ハニフラさんありがとうございます。
感じたことをうまく表現できない自分がもどかしいです。

うちの蛍も生粋の野良猫で抱くこともできない状態で我が家へ来たけど
だたの一度も外へ逃げようとしたり、出たがるそぶりもありません。
タイガーさんも元の飼い主のところで8歳になるまで自由に外へ行ける暮らしをしていたけど、我が家へ来てから脱走もないし、蛍同様、出たがるそぶりもなく暮らしています。
もちろん個体によって差はあるでしょうけど、室内で飼うことが必ずしも猫にとっての不幸ではないと思います。
そして、群れという概念がないと思われてる猫だけど、うちの8匹を見てるとやっぱり群れを感じるし、いざという時はすごく団結するんですよねぇ(笑)
そういうの見てると、気の合う数匹で安心できる室内暮らしって、猫にとっては幸せなんじゃないかと思ったりします。まぁ、本人たちがしゃべってくれないからほんとのところはわからないけど^^;

まりこ さんのコメント...

やっぱりきっと、先代おもちの時と同様、猫は生まれながらに自分の運命を知ってるのかもしれませんね。
だからおむすびは、ハニフラさんのもとに姿を現し、超~甘えん坊で、優しくて根に持たない子なんだと思います。

みんなと合流するのが今からすっごく楽しみですね♪
おむすび、きっと今まで以上に毎日が楽しくて幸せいっぱいになるんでしょうね~!

それにしても、我が家に居たチャーちゃん(チビニャンコ)とおもち、小さいころからよく似てたけど、成長してもお顔の模様とかよく似てますね♪

ハニフラ さんのコメント...

ゆずゆきんさん、犬や猫の幸せって、考えれば考えるほど分からなくなることがありますね。
野性動物ならむしろもっと分かりやすいんだけど。
特に猫は、心底幸せと思っているのか、不幸せでないだけなのか、人間がくみ取り、読み取りしていくしかないような。

ゆずゆきんさんちの猫達(犬も)は、皆ゆったりと本当に幸せに暮らしているように見えます。
それを眺める人間も幸せ、そういう関係って最高ですね。
そうそう、蛍さんも、もうそんな過去はまったく感じさせません^^#

猫にも群れ意識があるというのは、たかが二匹(おむすびはまだ合流していないので)の我が家の猫を見ていても感じます。
お互いを大事にするし探すし、犬達のこともちゃんと群れと認めて個々を見分けているし。
生き物って本当に奥深いです。

ハニフラ さんのコメント...

まりこさん、私がよく知ってる猫なんて、こげもちむすびのたった三匹だけど、それでも彼らを見ていると、猫には不思議な力があると言われたりするのも分かる気がします。
なんだか、いろんな事が分かっているけど、それを黙っているような。

ほんとに、お友達のブログに全然行けてなかったので、まりこさんちに遊びに行ってチャーちゃん見てきましたよ!
そそそ、そっくり〜〜!シッポの長さまでほぼ同じ。
あり得ないと分かっていても、兄弟じゃないかって思うくらい。
もしうちに来てたら、おもちと見分けがつかなくて困ったことでしょう(笑)

ぴっぴ さんのコメント...

あれ、2つも更新されてた。
今年もよろしくお願いします☆☆

おにぎりちゃん可愛いんだ~。
いいなぁ、いいなぁ。
いっぱい好き好きしてたくさんゴロゴロするんだよ~。
ゴタイメンの時が待ち遠しいですな。


ぴっぴ さんのコメント...

まぁちがった!
おにぎりじゃなくておむすびちゃんだったYO!
ごめんね~。

記事のタイトルがまた目じりが下がってるね。


ハニフラ さんのコメント...

ぴっぴさん、な、なんで目尻が下がってるの分かったんすか!?(笑)
いやもう、ほんと可愛いんですったら♪

しかし、合流作戦に少し変更が出ました。
今日新しい日記に書きましたが、ワクチンが意外に弱いと判明したもので・・・

おにぎり、けっこうよく間違われます。
母ですら時々間違います。
おにぎりでもいいですよ、それも可愛いから^^#