人生で初めて、迷子犬を保護しました。
先週末は、本村セミナーに出るために帰阪していたのですが、四万十に戻るその日に、裏庭公園で見つけたのです。
朝7時20分頃
ソフィとの散歩中に見かける。
それは見事な伏せのポーズで静かにしていたので、真横を通るまで気づかず。(ソフィも無反応だった)
なんといい子で飼い主さんを待っていることよと感心して通り過ぎた。
約30分後
まだ同じ姿勢で伏せている。
ずいぶん長いな、と思ったが、近くにトイレもあるので、
「飼い主さんが急にお腹壊したとかだろうか」
等と考えつつ、また通り過ぎた。
さらに約30分後
この時は、首をめぐらせて私達を見送り、溜息をついて頭を前足の間にうずめた。
帰宅後考える。あの犬の状況は
1)飼い主が遺棄した
2)迷っているのを誰かが見つけてくくりつけた
3)散歩中、飼い主にケガなど何らかの緊急事態が起こった
2)3)であれば、しばらくすれば飼い主もしくは関係者が捜しに来て見つけるだろうから、あまりすぐに保護しない方がいいと思った。
なにしろ、公園のもっとも人がよく行き来する道のすぐそばにくくられていたから、通りかかりさえすれば、100%目に入るだろう。
10時半頃
もう飼い主さんと出会えて、いなくなっていますようにと思いながら様子を見に行ったが、まだいた。
もはや伏せではなく、道の方へはみでるように、横になっていた。
私が知っているだけで3時間。
幸い、時おり小雨のぱらつく涼しい日で、しかも木陰だったので暑くはなかったが、さすがに長い。
そばに、持参した蚊取り線香と飲み水を置いた。
私のショッキングピンクの傘を警戒していたが、人懐こそうだった。
近くで小型犬の飼い主さんが数名立ち話をしていたので話を聞いてみようと思ったが、水をやってから立ち上がったらいなかった。
12時半頃
もしまだいたら保護するつもりで、ソフィを連れて向かう。
もういませんように・・・
だがいた。
看板の足もとを何周かしたらしく、リードがギリギリまで短くなっていた。
人にも犬にも(それをみるためにソフィを連れて行った)攻撃性はない。
穏やかな雰囲気がソフィにも伝わるらしく、旧知のように、ほんの一瞬挨拶を交わしただけで、自然に2頭で歩き出した。
警察に連絡を入れる。
飼い主からの問い合わせが入ってないかを訊くつもりだったが、
飼い主からの問い合わせが入ってないかを訊くつもりだったが、
『拾得物の届けを出しに行ってもらいたいんですが』
そうか、そうだった。
拾得物だったわ。
もよりの交番まで一緒に歩いて行ったが、犬の引っ張る力ってこんなに強いもんなんだと今さらながら驚いた。うちの連中よりずっと小さいのに。
ぐいぐい引っ張りはするが、聞き分けは悪くなく、特に苦労せずに交番に着いた。
警察官は全員若かったが、対応してくれたのはもっとも若そうな兄さん。
見ているうちに、「この人、研修医みたいな感じかね」と内心思う。
まじめで一生懸命だけど、臨機応変に対応できないというか。
まじめで一生懸命だけど、臨機応変に対応できないというか。
そのうち、本署に電話連絡を始める。
犬を撫でながら聞いていると、
『毛色は白』
話の切れ目を狙って「茶色じゃないですか」と言ってみた。
お兄さん、カウンターの向こうから立ち上がって見ながら、
『白、ですねえ』
私 「いや、茶色いですよ、背中とか見て下さい、ほら」
お兄さん『いや、白ですねえ・・・』
なぜかどうしても譲らない。
私 「私が飼い主だったら、茶色で届けると思うんですが」
お兄さん『うーん、茶色っぽい白、ですかね』
ようやく折れた(部分的に)。
でもまあ、茶色という単語が入っていれば、大丈夫だろう。
お兄さん『(本署に電話中)・・・首輪は、えっと』
私 「黄色の」
お兄さん『黄色の首輪です』
私 「黄色のハーネスですね」
お兄さん『(向こうから聞き返されたらしく)黄色の首輪です』
私 「いや、ハーネスです」
お兄さん『えーとあとは・・・』
私 「首輪でなくて、ハーネスですよ」
お兄さん『ええと、黄色のハーネスです』
私 「(ホッ)」

たぶんこのお兄さん、犬に全く興味がない人なのだろう。
首輪もハーネスも似たようなもんじゃないか、細かいことを言う、と思ったのかもしれない。
でも、犬飼いにすれば、茶色と白は全然違うし、カラーとハーネスはまったく別物だ。
たいていの必死な飼い主なら、毛色が違う、ハーネスじゃないと思っても、犬が収容されていると聞けば自分の目で確認しに足を運ぶだろう。
だが、全員がそうとは限らない。
言ってはなんだが、こういうことの積み重ねが、近年の検挙率にも少なからず影響してるんじゃないだろうか。
いや、ここで警察の悪口を言うつもりはない。
実際、この日は皆さん感じが良かった。
先輩と思われる警察官は犬のサイズを測るときも声をかけながらしてくれていたし。
気分良く交番を後にしたのだ。

だがまだ続きがあった。
帰宅して手を洗っていると、警察から電話。
さっそく飼い主さんが見つかったのかしらと喜んだが、拾得物件預かり書類に誤りがあったのでお宅へ届けに行きたいとのことだった。
四万十への出発時間をとうに過ぎていたので、なるべく早くお願いしますと言ったのだが、みえたのは1時間半後だった。

迷子ニナッテタノカモ
なんと、飼い主が現れなかった際に所有権を私が受ける旨申し出ていたのだが、それが書類上「受けない」ようになっていたらしい。
研修医的警察官のお兄さんの仕事を、あとで先輩が間違いないか確認してくれて分かったのだろう。
良かった。
誰しもミスはある。ちゃんとダブルチェックして正してくれればよいのだ。
先輩、さすがですよ。
(ちなみに家に来られたのは研修医警察官ではなく先輩だった)
あと、預かり期間が3ヶ月、と交番で言われていた。
3日とか長くても1週間とかじゃなかったか、と思ったので確認したが、3ヶ月とのこと。
だが、やはり間違いだったようだ。
先輩『物品は3ヶ月なんですが、犬は1週間から10日くらいだそうです』
私 「ですよねー」

3ヶ月を訂正されず、書類の間違いも見つけられないままだったら、と思うとぞっとする。
でも、ごたごたしながらも最後はきちんと収まった。
あの犬も、迷子になったりごたごたしたが、最後はきちんと収まるだろう。
きっと、飼い主さんが迎えに来てくれる。
そう信じよう。
私 「黄色の」
お兄さん『黄色の首輪です』
私 「黄色のハーネスですね」
お兄さん『(向こうから聞き返されたらしく)黄色の首輪です』
私 「いや、ハーネスです」
お兄さん『えーとあとは・・・』
私 「首輪でなくて、ハーネスですよ」
お兄さん『ええと、黄色のハーネスです』
私 「(ホッ)」

たぶんこのお兄さん、犬に全く興味がない人なのだろう。
首輪もハーネスも似たようなもんじゃないか、細かいことを言う、と思ったのかもしれない。
でも、犬飼いにすれば、茶色と白は全然違うし、カラーとハーネスはまったく別物だ。
たいていの必死な飼い主なら、毛色が違う、ハーネスじゃないと思っても、犬が収容されていると聞けば自分の目で確認しに足を運ぶだろう。
だが、全員がそうとは限らない。
言ってはなんだが、こういうことの積み重ねが、近年の検挙率にも少なからず影響してるんじゃないだろうか。
いや、ここで警察の悪口を言うつもりはない。
実際、この日は皆さん感じが良かった。
先輩と思われる警察官は犬のサイズを測るときも声をかけながらしてくれていたし。
気分良く交番を後にしたのだ。

だがまだ続きがあった。
帰宅して手を洗っていると、警察から電話。
さっそく飼い主さんが見つかったのかしらと喜んだが、拾得物件預かり書類に誤りがあったのでお宅へ届けに行きたいとのことだった。
四万十への出発時間をとうに過ぎていたので、なるべく早くお願いしますと言ったのだが、みえたのは1時間半後だった。

なんと、飼い主が現れなかった際に所有権を私が受ける旨申し出ていたのだが、それが書類上「受けない」ようになっていたらしい。
研修医的警察官のお兄さんの仕事を、あとで先輩が間違いないか確認してくれて分かったのだろう。
良かった。
誰しもミスはある。ちゃんとダブルチェックして正してくれればよいのだ。
先輩、さすがですよ。
(ちなみに家に来られたのは研修医警察官ではなく先輩だった)
あと、預かり期間が3ヶ月、と交番で言われていた。
3日とか長くても1週間とかじゃなかったか、と思ったので確認したが、3ヶ月とのこと。
だが、やはり間違いだったようだ。
先輩『物品は3ヶ月なんですが、犬は1週間から10日くらいだそうです』
私 「ですよねー」

3ヶ月を訂正されず、書類の間違いも見つけられないままだったら、と思うとぞっとする。
でも、ごたごたしながらも最後はきちんと収まった。
あの犬も、迷子になったりごたごたしたが、最後はきちんと収まるだろう。
きっと、飼い主さんが迎えに来てくれる。
そう信じよう。

ずいぶん長くなったが、ついでなので一気に書いてしまおう。
犬を見ながら、あれこれ推測した。
看板から解放され動けるようになった時、真っ先に犬がしたのは、少し離れた藪に移動して、たっぷりおしっこをすることだった。
それから少し移動して、もりもりと良いうんこも。
繋がれていたところには、まったく排泄の跡はなかった。
それを見たとき、この犬はきちんとした環境で暮らしていたんだろうなと思った。
そして家の前まで帰ったところで、もう一度うんこ。
二回とも、とてもいい便だったし、なかなかたくさんだった。

昨日まで、十分に食べ物ももらっていたのだろう。
痩せてもいないし。
その一方で、耳の下やしっぽには、結構大きな毛玉があった。あまりブラッシングされた形跡もない。
目の下のハゲも、ダニに咬まれた痕に見えなくもない。
恐らく、外飼いだった。でも、可愛がられていた。
そこから、なんとなく、飼い主さんはネットとはあまり縁のない、年配者なのではないかと想像する。
年配の方が、可愛がっていた愛犬を失ったとしたら、どんなにショックだろう。
祖父母がそういう体験をしていたので、いろいろ考えてしまうのだ。

それと、リードは看板の脚に、細い針金を巻き付けてしっかりとめてあった。
犬を飼ったことがある人間なら、ナスカンを外して手元の輪っかをくぐらせてつなぐと思う。早いし確実だ。
きっと最初にこの犬を見つけた親切な人は、犬が嫌いではないが、飼ったことがないのではないか。
だから、あれこれ頭をひねって、手持ちの針金で一生懸命固定し、決して外れないように(すぐそばは交通量の多い道路なので)しっかりつなぎとめてくれたのだ。
誰か知らないけど、ありがとう。
あなたがこの犬の命を救ってくれたのです。

ちょっと残念だったのは、今回初めて帰阪の際にパソコンを持って来ていなかったこと。
あれば、すぐにもチラシを作って貼ってから出発できたのに。
(まあプリンターもないけど)
でも、ブログ友達のJOJOパパさんが、親切にも、お忙しい中、私が大急ぎで作ってメールしたチラシを見やすく手直し(さすがプロ!)した上でプリントアウトして貼りに行って下さった。
他の友人も、TwitterやFacebook、ブログなどで流してくれた。
皆さん、ありがとう。
きっと飼い主さんにつながるはず。
犬よ、もう少し待っててね!