なにごとにもめりはりというのは大事なものだ。
初日の朝はそこらじゅう一面の落ち葉が美しいと思ったが、愚弟と手のひらをひりひりさせながら一生懸命掃いた翌朝、枕木の小道と、周りの落ち葉がくっきりとコントラストを描いた様もまた見事であった。
ウェルも晴れ晴れとおちっこ中である。
いま血尿が出てもぜんぜん分からんな。
多くの犬達は落ち葉が大好きだ。
うちの犬も同様で、とっぷりと幸福感に包まれているようだ。
うまい具合に、グローネンの長毛に落ち葉が好き放題ひっかかる。そして一度からまったらなかなか落ちない。
せいだして枯れ葉をまとおうとするホ坊。
枯れ葉のカサカサ言う音だけですのでご安心を。
たしかに黒毛に落ち葉はよく映えるから私も見とれるけれど、一日の終わりにはえらく難儀なブラッシングが待っている。
枯れ葉ルックのお洒落に関心があるのは若者だけではない。
さあ、それはどうだろう。

枯れ葉の落ち葉のと言っているので、一本だけ樹の紹介を。

この大木は山桜で、「父の樹」である。
父自身はこれが咲くのを見られなかったが。
馴染みの植木屋さんが、頃合いを見て手入れをしてくれるので、年々元気に大きくなっている。

枯れ葉とたわむれさせてるだけというのも締まりがないので、黒犬達は日に2回は散歩に出かけた。
愚弟が連れると、犬達がさらに小さく見えるからいやだな。
結局犬達は散歩に行くか、落ち葉に潜るかして、おおむねだらだらと過ごしたのだった。

夜はさすがに冷え込む山。
夜食を食べつつふと振り返ると、愚弟の肩掛けかばんがチワワたちに大人気だった。


どうか私にも教えておくれ。

チワワといえば、この日は、彼らを大きめの岩のぼりにチャレンジさせてみた。

登るのはいいけど、岩肌はしみ入る冷たさらしい。

フラものぼろうね。

後でこの写真を見た愚弟が
「フォレスト・ウィテカーに似てる・・・」

それから、彼女は「フラスト・ウィテカー」と呼ばれるようになった。

なにがお洒落編だか分からないが、黒犬達なりの(落ち葉の)お洒落について語った、ということで。
