11/06/2009

さらば我が愛車よ

明日更新します〜とか言いつつ、延びに延びて一週間経っちゃった。
できないことを言うもんじゃないな。

           ソノトオリ






パンクはしたものの、大きな危機は回避した我が愛車。

実は、パンク以前から持病を抱えていた。

それは、オーバーヒート。


            冷却中

一年ほど前から、3回繰り返した。
不幸中の幸い、三回とも帰宅後にオーバーフローした(一回目は普通に漏れたのだが)ため、困ったことにはならなかったが、走行中も常に水温計に気を配りながらの運転になった。

もちろん、毎回原因を調べて修理はしている。
だが、最終的には、回ったり回らなかったりするファン(当然取り替え済み)のせいで、クーラーをかけっぱなしで走らねばならないはめになった。クーラーをかければ、必ずファンは回るから。






10月9日金曜日。
仕事を終えて帰宅途上、水温計に目をやると、水温が上がっている。
やばい、持病が出た。しかも、夕方で渋滞の国道だ。こんなとこで何かあったら、他のドライバーに殺される。


とにかく、左車線を走ろう・・・
(またか)


本当はすぐに左に寄せて停めたかったが、通勤路の国道はただでさえ狭い。めいっぱい左に寄せても、大迷惑になる。

5分ほど走れば、いつもお世話になってるガソリンスタンドがあることを思い出し、なんとかそこまで、愛車には頑張ってもらおうと思った。焼けてしまうかも知れないが、背に腹は代えられない。


みるみる水温はMAXまで上がり、ボンネットからは蒸気がもうもうと立ち上った。
そして、何度も耳にしてきた、水がオーバーフローするあの嫌な音。
ローバーが悲鳴を上げている・・・
どきどきしながら、なんとかスタンドに滑り込んだ。






車のことではいつもお世話になっているM氏に連絡を取る。
大手自動車メーカーにお勤めのM氏は、愚弟のバイク仲間であり、愚弟よりずっと年上だが、気さくでとても親切で、車が大好きな方。どれだけ助けてもらったか。

注:愚弟の格好はただのサバイバルゲーム好き。思想とは全く無関係です。

ローバージャパンに直せなかった故障も、M氏が直してくれた。
我が家では『大明神』と呼んでいる。
足を向けては寝られない恩人である。


スタンドのおじさん達が、忙しい合間を縫って、ゆっくり停めておけるスペースを空けてくれた。

40分足らずで、M氏が部下と共に到着。
お二人の姿が光り輝いて見えたのは、スタンドの照明のせいだけではないだろう。





ファンがまた回るようになっていることを確認し、水を補充し、家までM氏が運転して送って下さることになった。
こんな惨事を引き起こしたサボリのファンは、今は何食わぬ顔してぶんぶん回っている。
ローバーはそのまま、M氏がお店まで乗って行き、精密検査をしてくれることになった・・・






数日後。
大明神からの連絡内容に、私は打ちのめされた。

廃車か、高額でエンジンを直すか、どちらかだ、と。
エンジンがひずんでいるらしい。
今のエンジンを使うなら、各面を丁寧に削って修理することになるが、高額になり、それでもきちんと直るかは分からないとのこと。

お金が有り余っていて、無駄金になってもいいからやれることやってくれ!と言えるようなら断然修理をお願いするが、今の私にそのような余裕はない。



こんなに愛しているのに別れなければならないなんて。しかも突然に。
あのハンドルが二度と握れないとは、信じられない。
自分の手足同然だったランドローバーは、私にとっては『ただの道具』ではないのだ。



しかし、春にも大々的なメンテナンスを行ったばかりで、これである。
おまけにタイヤも総替えするつもりだったし。

しかも、今回の修理で直るならともかく、それでも不具合が出る可能性の方が高いらしい。

やはり、英国生まれの彼には日本の気候はあまりに過酷だったのだろう。
私が酷使したしなあ・・・

今年の12月で、まるまる12年乗ったことになるはずだった。
そう、まだたったの12年しか乗っていないのに。







こうして、私の愛車、ランドローバー・ディスカバリーは、静かに任務を終えることとなった。

免許もないうちから憧れ続けたランドローバー、私の初めての車。
いつも誇らしく私を待っていてくれた、泥んこの大きな車。

さようなら、さようなら。
ありがとう。




18 件のコメント:

pippi さんのコメント...

こんにちは。
コメントありがとうございました~(*^^*)

予期していなかった突然の別れ。
最後もうひと走りとかできればまだしも
まさかあの時の運転が最後だとは…。
12年も乗っていたら愛着も相当だったのでしょうね。
整備すると中を開けたりしますし。
そうやって大事に乗ってきたから
12年間もったのでしょうね。
車冥利に尽きるのではないでしょうか。
それだけ大事にしてくれる持ち主に出会って
車も幸せだったと思いますよ。
12年間お疲れさまですね(^^)


私はまだ6年ですが明らかに燃費が落ちてきました。もうこの車も若くはないんだと実感しております。あ、今月1年点検があるんでした。そろそろディーラーから催促の電話があるかな。私もできるだけ長く乗れるようメンテナンスしたいと思います(^^)b

ぴっぴ さんのコメント...

ご、ご、ごめんなさい!
↑のコメントは私でございます。
半角英数字なのを忘れてEnter押したら
そのまま投稿されてしまいました(><;)

むつき さんのコメント...

チャンドラーのようなタイトルですね(^^)
憧れて、大事にして、12年も乗り続けてきた大切な愛車とのお別れは寂しいものでしょうね。ハニフラさんの車に対する愛情を感じます。
でも、とにかく渋滞中の国道で止まらなくて良かったし、タイヤを全て取り替える前で良かった・・・と思うしかないんでしょうね。
で、次のコはもうお迎えになりました?新しい車もローバーかしら?それとも?ワクワクしてアップを待ってますね。
あ、私は7年もののトヨタで、犬小屋と化しています。夫のニッサンはいつもピカピカなんですけどね。

あが さんのコメント...

あ〜このお別れは辛いですね。
むつきさんに続いてチャンドラーっぽく「長いお別れ」
あ、全然関係ないか。すみません。

それにしても今回もやっぱり落ち着いた対応ですねえ。
なじみのスタンドや、すぐに駆けつけてくれるご友人というのもハニフラさんらしく素晴らしい。
お別れは辛いけれど、これだけ色々ありながらも大きなトラブルが一つもなかったのは、大切にしてきたローバーからの恩返しですね。
私が乗っている日産パスファインダー(テラノ)はオットのお下がりの17年選手。
ご機嫌を伺いながら乗っております(笑)

ハニフラ さんのコメント...

ぴっぴさん、突然、というのは辛いですね。
別れは辛いものですが、突然というのはまた格別です。
(と、富士丸くんと父ちゃんのことを思い出す)

私はランドローバーを、国産とか外車とかいう観点で見たことがほとんどなかったのですが、これがいけませんでした。やはり外車の場合は、日本仕様に最初から調整してやらないと、長持ちしないようです。
ランドローバーも、購入時に、ファンを日本向けの、強力なものに替えたりしているとまた違ったのだそうです。当時はそんなこと知りませんでしたしねえ・・・

車は生き物ではないので、あまり感傷的になるものではないのかもしれませんが、ぴっぴさんに「車も幸せだった」と言ってもらえると少し心が軽くなります。
実は、ワタクシときどき話しかけていたんで、クルマに^^;

クルマは、早め早めのお手入れこそ大事ですよね。
適正な時期にがっつりお金かけてするよりも、まだ早いんじゃないの?という時期に、ちまちまメンテしてあげるのが、長く頑張ってもらえるコツなんですって。
(↑大明神ウケウリ)
ぴっぴさんも、ご愛車可愛がってやって下さいね!6年めと言えば、そろそろシニアが近いし、って犬じゃないっちゅうねん^^#

ハニフラ さんのコメント...

ぴっぴさん、だいじょーぶー。
分かっておりますって♪
私もちょいちょいあります。
今度pippiさんとなっていたら、あ、半角英数字だったんだ、と、ちゃんと(?)思いますねー^^#

ハニフラ さんのコメント...

むつきさん、うっふっふ、お気づき頂けましたか。
チャンドラーと、覇王別記をまぜこぜにしてもじってみました。
実はそういうタイトル、けっこう多いのですが、突っ込んでもらえることはごくわずかで、ちょっと残念なんです。

このディスカバリーは、乗った人がほぼ全員、「うそー、パワステじゃないの!?」と言いました(もちろんパワステです)。
見た目も大好きなのですが、そんな、「ちょっと面倒くさい」ところが、より愛着を深くした気も・・・。

ほんと、むつきさんの言う通りです。
他の人に迷惑をかけずにすんだこと、タイヤ総替えの前ですんだこと、本当に最後まで親孝行な子です。

次のコね、実は先週の土曜日に契約しました。
私も早くむつきさんはじめ、読んで下さってる方々にお披露目したいです^^

ハニフラ さんのコメント...

あがさん、ナイス連携プレイ♪

落ち着いてなんていませんよ〜。
ここでへたってしまったらどうしようと思うと、もう心臓がバクバクでした。
運悪く母の友人と、母とを乗せていたのですが、もう意識の外。
「頼む〜。もってくれ〜、もうちょっと〜〜」とずっとぶつぶつ独り言を言っていたので、さぞかし不気味だったと思います。

あがさんは17年もののテラノですか!おお〜♪
そこから、ニコちゃんニヤちゃんがしゅたっと降り立つ姿、かっこいいなあ。
丁寧に乗っておられるのですね。
長年乗りこんだクルマのご機嫌を伺いながら、というのもまた楽しいものです。
そういえば、あがさんのご愛車の写真って、拝見したことないような・・・?

そしてむつきさんご夫妻はトヨタとニッサン。
我が家も今回、両方検討しました。
結果は近々(←ほんとか?)ご報告します!

ウズラ さんのコメント...

懐かしい車。
後ろでフェイスがバリケンごと横転していた車。
アイスがソフィーさんに一喝された車。
ウェルにゲロされた助手席。
残念でしたね。
ウズラもアイスを06年5月から飼い始めて、フェイスも来て、赤い大きなトラックに乗って羊蹄山の麓を走っていたけれど、7月、無知ゆえに帰宅途中でオーバーヒートしてそのまま廃車。マロンパパに迎えに来てもらった時のことを思い出しました。
「カボチャの馬車がカボチャに戻らず、ボン!シューッ!そのまま消えた」的なショックで唖然としました。
12年ということですが、走行距離はどのくらいだったのでしょう?
犬達との遠出も多かったでしょうから、結構走ったのでは?

ルフュママ さんのコメント...

ハニフラさんの愛車にそんな事件が><

12年というとハニフラさんと青春を共に過ごした相棒・・・といった存在だったでしょうね。う~ん、車に話しかけておられたお気持ち、よく分かります。

元はルフュパパの車だったカムカムも、私は途中から関わった間柄(?)でありながらお別れはつらいものでした。思い入れのせいでしょうか。コツコツお手入れしてたのは私の方で、異音などに敏感だったのも私でした。
機械じゃなく、家族の一員になっているんですよね~気がつくと。

ハニフラさんとフォレストグリーンのローバー、とってもお似合いでした^^。

次のコ、決まったんですね!

Liou さんのコメント...

こんばんは。
ローバーさん残念でしたね。
本当に素敵な車でした。

私の車もそういえば13年超えました。車検はこまめになって税金も上がると思うのですが、手放したくありません。
真夏に熱風が突如吹き出したこともあり、機嫌をうかがいながらですが・・・買い替えるばかりがエコじゃないと思いたい。
北海道でお世話になった牧場の車は64万キロ走っていましたし。
でも別れはやはり突然来るかもしれませんね。

覇王別姫は大好きな演題で京劇でも何度か見たことがあるのですが、毎回胸を打たれます。
ハニフラさんのショックがうかがえます。

Kyoko Alscher さんのコメント...

あ、これはショック。
突然はいけませんよね、心の準備ができてないもの。
せめてもう一週間だけ、とか思っちゃいますよ。
私はこれまでに中古車ばかりを6台乗ってきました。
そのうち廃車に追い込んでしまったのが2台。
若かったなぁ。(笑)

車への愛着って快適さとはまた違ってて、うん、犬にも似ている感じ。
車なりの癖や手のかかるところが人間の心を掴むのだと思います。
ドイツ車だといずれも30万キロ走って当たり前だそうですが、うちのイタリア野朗は何年持ってくれるでしょうかね?
今からドキドキしてます。

Aya さんのコメント...

12年といったらホギャアと生まれた赤ん坊が小学校卒業するほどの年月ですから、思い出の宝庫でしょうね。道具ではなく相棒、というよりもすでに身体の一部というの、ハニフラさんが今まで書かれた文章から伝わってきていました。シアワセなローバーだと思います。

たしか以前、お父上の言葉として、車は自分の手足と同様に扱えなくてはいけない、という意味のことを書かれていましたよね(探したけれどどこに書かれていたか発見できなかった…)。私はまだまだ手足のようにというわけにはいきません。でも心にとめておこう。パンクの時もそうでしたが、イザというときには落ち着いてハニフラさんの対応を思いだそうと思います。

右手、お大事に。わたしも右手だったのでよくわかります。トイレの後ついうっかりパンツでも上げようものならイテテテテ!っと。あ、喩えが悪かったですね…。何をするにもしばらくは不自由ですが、神が「休め」とのたまっている、と解釈してください。

ハニフラ さんのコメント...

ウズラさん、そうだったよね。
フェイスのバリケンが、静かに横転しているのを見た時は、驚くやら、可笑しいやら。
あの一日だけでも、思い出がいっぱい。

あ、でもいっこ違うよ。
ウェルがゲロしたのはシフトノブのところ。
で、助手席は、帰り道でアイスがオモラシしたの。
でも、ぜーんぶ、きれいにできました。
そんな、たくましいところも大好きだったな。

クルマの前を乗り上げて傾けておいて、車内を水洗いしたこともあったっけ。
あ、これは信州でのことだけど。

そうそう!
ウズラちゃん、赤いトラックだったね〜。写真でしか知らないけど、お似合いだったわ。
その後のぽこぽこウズラ号も。

走行距離はどのくらいなんだろう?
12年中、一番よく走った4年間、トリップメーターが回ってないからなあ。
でも、たぶんまだまだ走って欲しい位の距離じゃないかしら。

ハニフラ さんのコメント...

ルフュママさん、仰る通り、機械だけど、りっぱな家族の一員でした。
高速を走って帰った後など、ガレージで一人でボンネットをなでなでして、「お疲れさん」て言ったりしたものです。

ルフュママさんも、カムカム号をそれはそれは大事に乗ってらっしゃったですものね。
カギとかすごいことになっていたのに、大事に直して乗っておられたから、お別れのつらさは私以上だったのではないでしょうか。

>ハニフラさんとフォレストグリーンのローバー、とってもお似合いでした^^。
ありがとうございます!
そんな風に言っていただけると、ほんとに嬉しいです。

ええ、ローバーを懐かしんでばかりもいられず・・・車がなければ始まりませんから、次のコはもうすぐやって参ります。
それはそれで、楽しみなんです^^#

ハニフラ さんのコメント...

Kyokoさん、心の準備、できてるようでできてませんでした。
ステッカーなどを買っても、ひょっとして近々不具合で買い換えねばならなくなるかもと思ってしまい、結局貼ってないんです。

そういう感じでこの4、5年くらいはきてました。
でもその一方で、現実としては考えておらず、”あまりにも不具合が頻発して、もうこれは買い換えざるを得ないと決心する”、というふうになるのかなあと漠然と思っていましたから、こんなにいきなりとはねえ。
あ、じゅうぶん”あまりにも不具合が頻発”に当てはまっていたのかしら、この一年ほどは(苦笑)。

ドイツ車は30万キロが当たり前ですかー。
いいなあ。それだけ乗れれば、「存分に乗ったよな」と思えそうですね。
でもその分、お別れは辛そうですね。

イタリア野郎(笑)
ドブ郎くんですね。頑張れ、ドブ郎!
けど、友人でPuntに乗っていた子が、原因がはっきりしない不具合があっても、「だってそこはほら、イタ車だから」「ですよね」みたいな会話になるんだと笑いながら言ってましたよ。
大事にしてやって下さい^^;

ハニフラ さんのコメント...

Ayaさんちのコメント欄で、私とローバーのことを書いて下さいましたね。
あのとき、すでにローバーはおしゃかになっていたのですが、とても嬉しかったです。

そっか、赤ん坊が小学校を出るくらいの年月なんですね。
そんな風には考えたことなかったです。
たった12年と思っていましたが、けっこう長いですね。なるほどなあ・・・

Ayaさん、昔の文章をよく覚えておいでで!
たぶん、Dogblogの方の記事にリンクを張っていたのを読んで下さったのだと思います。
こちらではないでしょうか。

http://web.mac.com/kawatas/DogBlog/Blog/エントリー/2006/7/23_単なる移動手段?.html
いざ、ってことなんか、ないのが一番ですが、なかなかそううまくはいかないですものね。

Ayaさん、そうそう、トイレが辛いのですよ〜!
トイレで右手が使えないのは不便きわまりないです。使えるようになったときはガッツポーズでした。
神様のお言葉、最大限に活用させていただき、がっちり休ませていただきました(笑)

ハニフラ さんのコメント...

あっれ?Liouさんへのコメントがいっこ、反映されていないわ。
ごめんなさい!

Liouさんのお車も13年ですか。
あの、山に行った時のではない車ですか?あれは新しかったですよね。
エコロジーといえばなんでもアリ、になってますが、確かに、乗れる車を手放して、エコカーを新たに買うばかりがいいわけでもないですよね。
大事に乗る、お手入れして乗る、その心こそがエコロジーではないでしょうか。

ろろろ、ろくじゅうよんまんキロ!?
すごいなあ。冬の北海道は車にとっては過酷でしょうに。
大事に使われているのでしょうね。

生き物でも、機械でも、大事に思っていれば、別れは辛いものです。
もうすぐ2ヶ月近くになりますが、まだ落ち込んでます。
でも、近々新しい車も来ますから、落ち込んでばかりもいられません!
早く手足になってくれるよう、馴染む努力をせねばなりませんからね^^