冬季限定の散歩道がありまして。
我が家からのびる小道を進むと、山の中へ入れます。
小道を奥へ進むと
行き止まり風な草むらに。
これをかき分け、さらに強引に進むと
急に道が現れる
入り口付近は圧巻の竹林
そして雑木の山の中へ
いちおう道がついてはいるし、しかもいい具合に荒れ放題(ごく稀に人が入った痕跡が見えますが)で、進んでいくとひょっこり人里に出ちゃったなどということもなく、安心して散歩ができるので私も犬達も大好きです。
もちろんハニーも大好き
冬季限定なのは、暖かくなるとマダニと、なによりマムシが怖いから。
昨年はソフィさんがえらい目に遭ったしなあ。
冬でこれ。夏はとてもじゃない
気候にもよりますが、だいたい11月末から5月初旬くらいまで毎朝行っています。
道沿いにずっと流れがあるので、本当は暑い夏こそ通いたい道なのですが、やむを得ません。
今年からはブラウニーも参加しているわけですが、この方が猟犬の血が入っているものだから(たぶん)、もう有頂天。
しかも小さいくせに機動力があり、あっと言う間に山の向こうへ姿を消します。
隊列を離れ
またたく間に稜線(大袈裟)へ
やや帰還地点を誤る
無理もないね、きっとそこらじゅういろんな獣の匂いがするのでしょう。
私が見ても、道中イノシシの痕跡だらけだものね。
でも、まだまだ黒グロ軍団&ハニーに比べれば鍛えようが足りんのか、先日前足の肉球がざっくり削げていました。
(それで治るまで全員が山散歩おあずけ中)
黒犬団:ナニヤッテンダヨー! ブ:ダ、ダッテ
あ、ブラ坊、生粋の猟犬ではない(たぶん)せいか、あっという間に姿を消すけど、あっという間に戻ってきます。
あっまたいつの間に・・・
おかえりー
群れに合流
完璧にしつけが入っていながら山ではオフリードにできない生粋の猟犬
ルーファス君(プチバセット・グリフォン・バンデーン)と違い、そのへんテキトウな感じです。
<2012年ルフュ家と裏山3コマ>
『ワイワイ』『ガヤガヤ』『チョ、尻ツツクナ』
『ア、るー様ダ』
『カッコイー』『オーラガ違ウ』『サイン欲シイ』
(座れと言ったら勝手にこうなった)
カメラは気が向けばたまに持って行きますが、山の中が暗いこともあり、まともな写真があまり撮れません。
(ルフュパパさん&ルーファス君)
時期の違う写真も混じっているのはそういう理由です。
で、今年の1月24日。
朝焼けを見ながら出発
奥の山へ(山散歩ルートは「奥」と「手前」、そして「裏」の三つある)入って少し進んだところで、家の方からクラクションが聞こえた気がし、山散歩を中断して引き返しました。
私は散歩中ほとんどものを言いません。
珍しく愚弟が撮ってくれたワタクシと犬
この時も何も言わずにきびすを返しましたが、犬達も全員が気づいて引き返し始めました—ソフィ以外は。
何かに夢中になっていてこちらの動向に気づくのが遅れることはままあるので、まもなく追いついてくるだろうと思っていたのですが、山を抜けて小道まで戻っても、舗装道まで戻っても、まだ来ません。
<ある日の帰り道>
小道まで帰ったところ
珍しくフラ以外全員写ってる
舗装道まで帰ったところ
この日は気が進まず居残ってたフラが出迎えに。
これも全員写ってるね
ゴール!
もちろんフラも気が乗ればついてくる
いつもと違い、敷地まで帰っても来ないので、さすがに私だけで様子を見に戻りました。
(結局クラクションは関係なかった)
ワナや毒物などが置かれる場所ではないので、そういう心配はしていませんでしたが、まさかイノシシと出くわしてやられたんじゃなかろうな、などと少し心配になり始めた頃、小道の向こうから小走りに戻ってくるソフィを発見。

いつの間にか独りぼっちになっていることに気づいてさぞかし心細かったろうと思いきや、彼女の足取りは弾むようで、頭を高く上げ、口は嬉しそうに・・・いや待てよ。
口に何か咥えてる!
私を10mほど追い越すと、道の脇にしゃがみ込んで囓り始めました。
すれちがいざまチラリと見えたときは一瞬小鳥かと思いましたが、覗き込むともっと黒くて怪しい雰囲気です。
「ガリリ」
ガリリ!?
骨か!一体何の骨だ。
ソフィの口の端からはみだしたブツに、並んだ歯がちらりと見え、一瞬ニンゲンかと思いました。
こんな感じで見えたのだからそりゃビビる
素手で触るのがためらわれたので、出すよう命じましたが、さすがに未練があるらしく、私に「出しなさい」と言われるたびに、5mほどぬるりと移動して囓り直そうとします。
ポケットにうんこ拾い用のビニール袋を持っていることを思い出し、それで骨を掴んで命じると、やっと離しました。
で、これです。

一部はソフィが囓ってしまいました。
一体何の骨だろうと思いましたが、Facebookで専門家の友人達から、去年の春に生まれたイノシシの子の下顎だと教えてもらいました。
これから牙が伸びるところだったんだね・・・

いったいなんで命を落としたんだろう。
私達が入る山道は、猟師も入らないので、人ではないと思うんだけど。
知人の犬は、イノシシの子を見つけると殺すそうだから(私もその犬に会ったことがありますが、人にはとても懐こくて気だての可愛い犬でした)、犬かしらんと思ったり。
先日も、我が家の前の田んぼに柴系の中型犬が二頭、長時間うろうろしていたしな。
で、骨ですが、他の小動物と同じように敷地に埋葬しようかと思ったのですが、生まれ育ったこの里山の自然に帰してやるのが一番だろうと考え、近くの藪の中に戻しました。
それにしても、骨を咥えてこちらに向かってきた時のソフィの嬉しそうで誇らしげだったこと!
頭の上に『ウキウキ』と字が浮かんで見えました。

後日、本体を探してみましたが、分かりませんでした。
たまにそんなものも落ちていますが、我が家に遊びに来てもらう犬連れのお客人には、この山散歩が一番のおもてなしなんです。
小川はないけど風が気持ちいい山散歩コース「裏」
(モデル:ルフュ家)
少し短めでなだらかな山散歩コース「手前」
(モデル:ちりはことさん&こはなちゃん)
足に優しい苔ゾーンもあります
(モデル:rico_chiさんちのちわわさん)
物足りない方には急傾斜コースもご用意
なので、我が家に遊びに来て頂く友人達で犬連れの方には、マムシがいない寒い時期のご来訪をお勧めしておる次第です。
ソフィの拾いもののことを書くつもりが、山散歩コースの紹介みたいになっちゃった。
ま、いいか。