この1週間ほど、少しばかり悩んだ。
前回の日記をアップした翌日、オオサカ先生からメールが届いた。
それは、今度こげもちに打つつもりの、新しい猫白血病ウイルスワクチンについての詳しい情報だった。
製薬会社の学術担当の人にいろいろ具体的に訊いて下さったのだ。

悩みの種になったのは、その情報の中の、感染防御率の点だ。
ワクチンを打った場合の猫白血病ウイルスの感染防御率は、なんと70%なのだそうだ。

ヒトのインフルエンザワクチンなどとは違い、猫白血病ウイルスワクチンはいくつも型があるとは聞かないし、9割くらいは防げるのかとなんとなく思っていた。
(もうひとつ、なんとなく終生免疫かと思っていた)
製薬会社の姿勢としては、感染動物は隔離されていることが前提で、その上での不慮の接触に備えてのワクチン、ということになるらしい。

3割の感染率か・・・
今、おこげもおもちもまったくの健康体であるだけに、少し悩んだ。
(ちなみに、従来の猫白血病ウイルスワクチンに至っては50%台らしい)
しかし、猫達のことを主体に考えれば、本当は悩むことはないのだ。
おむすびの気性を見ていれば分かる。
たぶん、新しい家に行けばすぐにそこで馴染み、新しい飼い主さんのことが大好きになれる子だ。

そうすれば、猫は三匹とも幸せなままでいられる。

おむすびが猫白血病ウイルスキャリアと判明してしばらくは、完全に里親探し方向で考えていた。
だが、それほど日が経たない間に、私がおむすびの虜になり、なんとか陰転させて家族にしたくなったのだ。

やはり、感情に流されず、治療と平行して里親探しを続けておくべきだった。
私がそうしなかったから、ベストの方針にはもうあまり時間をかけられなくなった。
もうかれこれ3ヶ月、おむすびは一部屋で過ごしている。
白血病ウイルスキャリアのおむすびに、すぐ里親さんが見つかるとは考えにくい。
今からさらに何ヶ月も、この小さなスペースで、ただでさえ短い猫生を過ごさせるわけにはいかない。

もともと、こげもちのワクチンを2月下旬に打つことにしていた。
だから、それまで里親探しメインでいくが、それまでに見つからねば、予定通りにこげもちにワクチンを打ち、合流させる。
これが次善策だ。
もちろん、合流後も、おむすびによいご縁があれば結びたい。

合流させることで、もしかしたらこげもちも感染してしまうかもしれない。
それは考えるだけで辛い。
おこげとおもちの健康だって守らねばならない。

猫もヒトもともに無理をしてまで感染を完全に防いでみても、他に何があるか分からない。
先代おもちなんて、猫エイズも猫白血病もマイナスだったけど、ほんの7ヶ月で猫生を終えた。

それも、猫を迎えてから爪楊枝だってしまいこんで気をつけていたのに、体より長い菜箸をしかも縦に咥えて走るだなんて。

だから、あまり一点を見つめて必死になっていると、そばで眺めている『運命』に、笑いながら足もとをすくわれる気がしてしようがない。
頑張ってもムダということではない。最善は尽くさねばならない。
だが、ひとつの事ばかりにこだわり過ぎることなく、少し下がって離れたところから見、全体的に幸せになれているかどうかを考えることを忘れてはいけない。




もともと猫白血病ウイルスはそれほど感染力が強いわけではない。
ワクチンで感染率を7割方減らせるなら、良い方の割合がずいぶん高い。
おもちとおこげの健康にさらに注意を払い、万が一感染してもキャリアにならずにすむように、抵抗力をつける。
おむすびには、こげもちのワクチンが効き始めたら、なるべく早く合流させてのびのび楽しく過ごしてもらう。
そうやって楽しく過ごしながら、もしどこかの時点でおむすびに良い里親さんが見つかったら、迎えてもらう。

急遽、こんな方針にしました。
皆様、もしよい里親候補の方がおられましたら、自薦・他薦問いませんので、よろしくお願いします。
あ、条件は、
完全室内飼い(猫白血病ウイルスキャリアなので必須項目)
必要なお金はきちんとかけられる
おむすびを我が家と同等以上に幸せにしてくれる
です。

おむすびの一生がかかっていますゆえ、がっぷり四つで取り組みますのでいざお覚悟を。