我が家の黒犬ベルジアン・グローネンダールという犬種は、けっこう気難しい。
そして、上下関係に厳しい。
他のグローネン飼いさんのお話を聞いてもそうなので、うちの犬だけというわけではないと思う。
アニューと暮らす上では、それがとても良い方向に働いた。
上下関係をしっかり守る狼犬の気質に合っており、アニューは最下位を受け入れて気楽に暮らしている。
人間も助かっており、アニューは我らを
「自分より偉い兄貴姉貴よりさらに偉い」
と認識していると思う。たぶん。
昨日の散歩の時、どこからかアニューがイノシシの頭蓋骨を見つけてきた。
私や他の犬が近づくと、
「ヒャワワ」
とか
「ハガガガガ」
という鋭い声をあげてさっと咥えて逃げる。
これは、威嚇ではなく
「イヤダ、取ラナイデ!」
という訴えだ。
人間と違う(?)のは、最下位だからないがしろにされる、ということはない点だ。
権利はちゃんと尊重され、たとえば下位の犬が先に水を飲んでいれば、上位の犬は静かに後ろで待つ。
今回のように、皆よだれを垂らして欲しがっていても、アニューが咥えているのを横取りはしないのだ。
川の奥からハッスル広場まで咥えてきた
自分から寄っていって見せている
ただし、いったん放せば話は別だ。
一瞬の隙をウェルは見逃さなかった。
つい地面に置いちゃった・・・
(ブラウニーにちょっかいかけようと思ったらしい)
こうなると、アニューも必死に悲鳴を上げてすがりつくが、結局は怖い姉さんが飽きるまで遠巻きに指をくわえているしかないのだ。
(動画では空きペットボトルをくわえていたが)
というわけで、動画でどうぞ↓
(動画では空きペットボトルをくわえていたが)
というわけで、動画でどうぞ↓
そうこうしていたらお嬢さん、わりとバリバリ噛み砕き始めた。
ウェルはお腹が弱く、食欲が旺盛なわりに、すぐ吐いたり下痢したりする。
ある程度は楽しめたろうし、アニューに権威も示せたろうし、取り上げることにした。
ウェルから取り上げることは簡単だ。
その後、アニューが私から取り返そうとしないかが一番気になる点だった。
だが、欲しそうに見上げるものの、取り返そうと飛びついたりはせず、少しつきまとっただけですぐ諦めた。
こぶりの頭蓋骨だったがそこそこ重く、持って帰るわけにもいかないので、山の斜面の上の方に放ったつもりが転がり落ちてきた。
それでも、それを誰も取りに行かなかったのは感心感心。
私がダメだと言って取り上げたのだから、今は触ってはいけないと思っているのだろう。
今朝は冷え込みがマシで、明け方まで雨が降っていたためか、霧が濃かった。
ソフィも一緒に来たが、はたして昨日の頭蓋骨のところまで来ると、ブラウニー、ウェル、ソフィの順で集まり、順次楽しんでいたようだ。
早い者順
アニューはしばらく別行動で姿を消していたと思ったら、別の部位の骨をくわえて追いつき、私の前でぽとりと落としてそのまま行ってしまった。
拾わずにいたけれど、ひょっとして手土産だったのか。
川コースで遊んだ帰路で、昨日の頭蓋骨をアニューがくわえてきた。
わざわざ私の通り道で地面においてこちらを見ている。
正直、アニューが「取ラナイデ!」と言っている口元から取り上げるのはちょっと怖い。
もちろん、攻撃で咬むことはないと思うが、なにせ犬の1.5倍ともいわれる大きな牙だ。
当たり所が悪ければけっこうな痛い怪我になるだろう。
私は、昔から変なところで臆病で、あれこれ悪い想像をしてしまうたちだ。
たぶん、何食わぬ顔して取り上げても、その瞬間のわずかな緊張や、掌にかく汗などをアニューは感じるんじゃないか。
そうすると、私が実は意外と小物だとバレてしまうではないか。
ということで、もっと大物のふりをすることにした。
「私なんて偉すぎて、そんなものなんの興味もないわ」
という風情で、見もせずに跨いで通ったのだ。
通り過ぎる瞬間、アニューは案の定
「ヒャン」
と鳴いて急いで頭蓋骨に口を持っていったが、私が興味を持っていないと分かると、安心してその場で囓り始めた。
そばの小枝が気になったらしい
取り除く
夢中になっているアニューを置いて、他の犬たちとともに帰り道を往く。
しばらく帰らないかと思ったが、ものの数分で追いついてきた。
骨も置いてきたようだ。
頭蓋骨の誘惑にも負けず、群れが揃って家まで帰ってくるのは上出来だ。
それはいいんだけど、囓ったりスリスリしたりで、みんなどこかしら臭かった。
そういう私も、臭いのかも・・・
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