グローネンダールという犬種はイタズラはあまりしないので、子犬の破壊行動に手を焼いたことはなかったのだが、ホープにはいろんな物を壊されたものだ。
ソフトクレートも、家のドアも、玄関の柱も。
また留守番させると、外から帰宅する我らをいち早く見つけるためにテーブルに跳び乗る(すると窓から外がよく見える)ものだから、上のものを落としていろいろ壊す。
エネルギーに溢れるあまり、ちょいちょいルースやブラウニーにちょっかいを出して嫌がらせたりもしていたが、本質は優しい子で、子猫時代のおもちやアニューの面倒を良く見てくれ(もんでくれたとも言う)、
ことの始まりは9月6日(火曜日)。
私は当直で家におらず、母が犬たちを夜のトイレに出してくれた。
頃合いを見て室内に呼び戻すと、ホープが入って来るなり部屋の真ん中に座り、
「ホオー、ホオー、ホオー」
と鳴いたのだそうだ。
左前足をわずかにあげていたため、母はてっきりマムシに咬まれたと慌ててくまなくチェックしたが、何の異常も見つからなかった。
ホープもそれっきりで、翌日以降も、日に一度程度鳴くことがあったが、それ以外はいつも通りだった。
ただ、散歩中などに少し腰が下がっている気がして、ウンコのキレが悪かったかな?とお尻を見たがきれいだった。
10日(土曜日)は一度も鳴かなかったので、ホッとした。
寝違えとか筋肉痛とかだったかな、犬でもあるのかも、などと冗談を言った。
9月11日(日曜日)、日中は私は当直で家におらず。
昼ごろに母から、ホープに元気がなく、朝ごはんを食べなかったというメールが来た。
心配はしたがそれほどとは思わず夕方帰宅すると、どやどやと犬猫が私を迎えに集まる中、ホープは横たわったまま、目の玉も動かさなかった。
驚いて体に触っても、痛がったり鳴いたりするわけではないが、代わりにようやく目だけ動かしてこちらを見るだけ。
ぐったりしていた。
唇をめくると口腔粘膜がいつもより赤く、マズルも熱っぽい。
それでも、ごはんどきには自分で起きて食餌場所(めいめい決まった場所で食べる)にスタンバイし、夜は完食した。
9月12日(月曜日)。
やはり元気がない。
朝ご飯の時は持ち場に来たものの、待ってる間に横になる。
完食はする。
夕方、仕事を早退してシマント先生に連れて行った。
熱が40℃あり、白血球がわずかに高かったが、他は特に異常はなし。
この時、久しぶりに左前足をあげていた。
全身をチェックして下さったがやはり変わったところはなく、他にできることもないので、抗生剤の注射をして、さらに内服で5日分処方してくれた。
外に出て気分が変わったのか、帰宅後はちょっと元気を盛り返していた。
夜ご飯も勢いよく食べ始めたが、少し残した。
翌日はまた元気がなく、相変わらず熱っぽい。
抗生剤もそうすぐは効かないだろう。
食事時も寝たままで食べに来ないが、口元に持っていってやるとそれなりに食べた。
朝晩の散歩は、声をかけると自分でゆっくり起きてついてきて、皆と一緒に歩いたが、少し草の深いところに来ると、ごろんと寝てしまう。
歩行時も腰が下がっており、寝ころんだ姿もしんどそうだった。
14日ごろだったか、初めて、左肩甲骨と背骨の間くらいに、ごくわずかに固く張ったところがあるような気がした。
毎日全身に触っていたから断言できるが、それまでは無かった。
本当にかすかな変化で、気のせいかもしれないと思った。
18日頃から、オシッコの時に片足を上げられなくなった。
四つ足を踏んばってしている。
散歩以外はほとんど動かずひたすら寝ている。
前日で5日分の抗生剤を飲み終わったが、結局効果はなかった。
9月19日(月曜日)、ついに口元に持っていっても、あまり食べなくなった。
いく切れかは、むりやり飲み込ませたが・・・
夜はほとんど食べなかった。
左肩には、明らかに盛り上がった部分がある。
見ても分からないが、触れば掌くらいの範囲だ。
そこが少し熱っぽい。
9月20日(火曜日)には水を飲むだけで、食餌はほとんど食べず。
トイレの時は最小限の時間、ウロウロする。
排泄に関しては、調子を崩してからもずっと問題なし。
また、一度も吐くこともなく、内臓的には問題なさそうだった。
この間、再度地元の動物病院に連れて行くことも考えた。
シマント先生のところは設備がなく、これ以上のことは分かり得ない。
他に、もう少し設備が整った病院もあるにはあるが、考えた末に、行かなかった。
内臓が正常で、でも食欲も元気もなくなり、肩の辺りに腫瘤・・・
病態の詳しいことは知らなかったが、なんとなく骨肉腫とかの肉腫系じゃないのか、という恐ろしい予感が頭の片隅に生じていた。
ならば逆に、数日で急変ということはないだろう。
そして、中途半端にあれこれいじられるのは避けたい。
そう思ったからだった。
もともと、9月21日の夜からフラの眼科で帰阪予定だったから、ホープも連れて帰り、オオサカ先生に診てもらうつもりでいたのだ。
それにしても、どんどん元気を失うホープを前に、あと4、5日の受診までの日が、どれほど長く感じられたことか。
ようやく21日の夜、いつもより早く準備が済み、そろそろ大阪へ向けて出発するわと言ったその時、母がテーブル脇にかけてあったブラウニーのリードに足を引っかけて転んだ。
四つん這いになった際についた左手首が痛いという。
変形はしていないし、みるみる腫れるわけでもないが触った感じ、ヒビが入っていそうだった。
うちの当直医を電話で確認すると残念ながら泌尿器科の先生。
弱り切ったホープを優先することで母も私も意見が一致し、母に任せていく予定だった家事諸々をできるだけ片付け、段ボールで即席のギプスを作って母の手にはめさせて、後ろ髪を引かれつつ、予定よりだいぶん遅くなって四万十を出発したのであった。
6 件のコメント:
えええ?ホープもお母さまも大丈夫ですか?
もう、こんなスリリングな終わり方で、ドキドキします。
次が読めるころには、どちらもよくなっていることを祈っています。
心配です。
どちらもたいしたことありませんように…
お母様もホープもどちらも心配です。
どちらも回復なさっていることを祈ってます。
ベックマンさん、いやあ、ドキドキさせるつもりはないのですが、一回にまとめられなくて^^;
全4部、もしくは5部作になりそうです。
なるべく早く全部アップするようがむばります。
ゆずゆきんさん、なんだか引っ張るみたいな感じになってすみません^^;
まだ続きますので、ゆるりとお待ちくださいまし。
じーまーさん、妙なご心配おかけしてすみませんです。
ただいま鋭意推敲中ですので、もう数日お待ちくださいm(_)m
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