いろいろあって、我が家で5月末にアローカナという品種の鶏が8羽、孵化した。
すくすく育って、先週の土曜日(7月15日)に、6羽がもらわれていった。
監視はバッチリ
無事送り出せた安堵と、数が減って本来の我が家に適した世話量になったという安堵と、ダブル安堵で午後を過ごしていたら、区長さんから電話が。
迷いヤギを保護したというのだ。
もしや、4月末に盗まれた我が家のめえ太郎かもしれないと、区長さんの家に見に行った。
残念ながらめえ太郎ではなかった。
2ヶ月半前に連れ去られた時のめえ太郎より小さい。
それに、しっぽの長さが全然違う。
とりわけ暑かったこの日、区長さんを含む地区の方々3人がかりで
「せんせーとこのヤギかもしれん」
と、田んぼに落ちたりしながら苦労して捕まえてくださったのだ。
申し訳なかったが、我が家のヤギでないとなれば、捜している飼い主さんがいるはずだ。
うちのヤギではない、とはっきり言わざるを得なかった。
区長さんには警察に届けるようお勧めしておいて、いったん家に帰る。
区長さん宅は集落の真ん中で、ヤギを飼える環境ではない。
子ヤギ盗難後、手をつける気になれなくて放置され、荒れているヤギ小屋を急いで整えた。
飼い主が現れるまで我が家で預かるつもりだった。
そうこうしていたら、駐在さんから電話が。
我が家の子ヤギ盗難の時、届け出をした地域の交番のおまわりさんだ。
何かと思えば、警察にはヤギに適した施設もなく、詳しい職員もいないので、我が家で預かってくれないか、という依頼だった。
ヤギを拾ったのは区長さんで、そういう意味では私は今回ぜんぜん関係ない人間のはずなのだが・・・
(ついでに、ヤギのベテランでもない)
区長さんから話があるなら分かるが、警察から!?と少し驚く。
大阪ではあり得ない流れに、いかにも田舎という感じだなあ、となんだか可笑しかった。
もともと預かるつもりだったことを伝えると、駐在さんは電話の向こうで「ああ〜良かったあ〜」と心底安堵した声を出していた。
翌朝、改めて区長さんに電話で預かる申し出をする。
その日は仕事だったので、夕方に連れてきてもらうことになった。
ここで、少し時間を巻き戻したい。
区長さん宅で、我が家のヤギではないことを伝え、帰ろうと立ち上がったとき、ねじれた係留ロープを区長さんが直し始めた。
逃げようと暴れるヤギ。
「この首輪があったけん、なんとか捕まえられたがよ」
と区長さんが言う。
首輪をしてたんですか、とのぞき込んで息をのんだ。
めえ太郎につけていた首輪だった。
夕方で薄暗かったうえ、黒い首輪の上に、黒いナイロンロープをくくってあったので、首輪が見えず、ロープで直接繋いでいると思っていた。
めえ太郎なのか。
なんで今ごろ。
めえ子は。
でも、このヤギはどう見てもめえ太郎ではない。
混乱したので、その場では何も言わなかった。
日曜日の夕方、区長さんが軽トラに乗せてヤギを連れてきた。
小屋に入れて、改めて確認する。
小屋に入れると、大きさの比較もしやすい。
やはり小さい。
しっぽも、ひょっと切られたりしたのかと調べたが、傷つけられた形跡はなかった。
翌日、うちのヤギかもと思って捕まえてくださったことに対するお礼を兼ねて区長さんに電話し、ありのままを報告した。
一緒に捕まえてくださったお二人にも、お礼の電話をしたときに、報告した。
盗っ人が、また他からヤギを盗んで、あの首輪を使い回したのか、自分のところでもともといたヤギに使ったのか、そんなことは分からない。
だが、このヤギが、めえ子とめえ太郎を盗んだ犯人のもとにいたことは間違いない。
この首輪は、ガディが子犬の頃に買った首輪だ。
それから22年間、我が家の子犬は代々これを使ってきた。
それが今年、めえ太郎と共に盗まれ、エボニーは唯一この首輪を使っていないのだ。
「ガディから受け継いだ首輪だったのにねえ」
やむなくエボニーに買った新しい子犬用首輪を見ながら母と話したこともある。
その、首輪だけが我が家に帰ってきたのだ。
別のヤギを連れて。
これから3ヶ月間、ヤギは我が家での預かりになる。
区長さんも地区の人も、駐在さんまでもが、
「飼い主らあ出てこんろう、せんせー飼ったらええ」
と言う。
いやいやいや、そういうわけにはいかんですよ。
2ヶ月前の私のように、必死に捜している飼い主さんがいるかもしれないのだ。
警察に任せておけないことは、自分の時で分かったので、張り紙もしておこうと思う。
そして、我が家にいる間は、ヤギよ、君の名前はめえ太(仮)だ。
それから、私に頭突きをするのはやめたまえよ。
4 件のコメント:
まるで小説を読んでいるかのような展開ですね。
ガディさんの首輪が別の山羊を連れ帰って来るなんて!
さすがです、ガディさん。
このまま悪人も裁いてくれそうな頼もしさを感じます!
めえ太はせめて、本当の飼い主さんのところに戻れるといいですね。
(犯人の山羊ではなさそうな気がします・・)
預かりヤギでいい事、あるかも!
預かり犬 フェイスで始まった 我が家も。
私が預かったのは、この子はずっと一緒だと
思ったから。
離れないだろうと。
まりこさん、一ヶ月遅れのお返事ごめんなさい!
本当に、私達も驚きました。
こんなことってあるのだなあ、と。
めえ太(仮)の飼い主さんは見つかっていないのです。
いい年の大人ヤギだし、もとのおうちから盗られたのはかなり前なのかもしれません。
jick-jickさんもお返事が一ヶ月遅れですみません。
たしかに!フェイスが今のjick家を作ったとも言えますものね。
縁というものは、不思議で素敵です。
理屈では説明できなくても、はっきり分かるんですよね、縁があるときには。
コメントを投稿