我が家の猫は完全室内飼いだ。
外にまったく出さない、ということは、安全面では最善なのは誰でも分かる。
が、猫の幸せという点からははどうなのだろうと、考えてしまうこともあった。
その辺りの経緯は以前の日記「おむすびってね・・・」で書いた。
文章の中ほどで、福岡県での取り組み『おうちへかえろうプロジェクト』の中の、『のら猫はしあわせ?』というページを紹介したくだりだ。
見やすく、分かりやすく、とてもお勧め。見たことない方はぜひ。
そして、今は迷いなく、完全室内飼いを徹底している。
・・・・・・徹底していた。
おこぶが、どうしても外へ出たがるのだ。
他の猫たちは、”うっかり”外へ出てしまっても、大慌てで屋内に戻る。
推定3歳頃まで野良暮らしをしていたおむすびでさえ、一目散に飛び込んでくる。
よほど、外の暮らしが辛かったのだろう。
ところがおこぶだけは、何度も脱走した。
も:ナンデ外ナンカ行クンダ
最初はハラハラしたが、ほどなくして帰ってくる。
そして一度外へ出ると、その日はゆったり落ち着いている。
逆に出してやらないと、日がな一日、サッシを開けようと格闘を続けるのだ。
サッシのへりに爪をかけ、全身をくねらせて力を込める後ろ姿は、我らを葛藤させるに十分だった。
ある時、うっかり外へ出た際に、彼の動向をそっと観察してみた。
すると意外に、家の周りをうろついて遠出はしていない。
幸い、我が家は一般道までかなりの距離がある。
また、おこぶは去勢済みなので、繁殖期に行動が変わる可能性も低い。
そういったことを考慮した上で、朝、犬たちと一緒にドアから出ていくのを黙認しているのだ。
(真っ先に飛び出さない日は、わざわざ出したりはしない)
ためしにあちこちうろついてみたが、必ず我らの行くところへついてくる。
行動範囲としては、ゲートのあたりまで。
少しだけ外に出ることもあるが、すぐ戻ってくる。
出しっぱなしではなく、一緒に散歩し、犬たちの散歩終了と一緒に、おこぶも家に入れる。
それでも、心配なことに変わりない。
草を食む
40年近く前、初めて飼った猫は、近所の小さな子供が(私も小学2年の子供だったが)、一軒一軒家を回って飼い主を探していた野良猫の赤ちゃんだった。
おむすびに似た白黒の猫で、ミューと名づけたのは私だ。
毎朝、登校する私を途中まで見送ってくれていたが、ある朝、いつもよりひと辻先までついてきた。
そしてそれきり、帰らなかった。
だから、おこぶだっていつ、それまでと違う行動をとるか分からない。
そのまま二度と会えなくなるかもしれない。
ぐるぐると考えながら、今朝もまた多種族混成の群れで散歩をするのである。
動画どうぞ。
iPhone内蔵マイクの性能上、音量に限界があり、いつも全体に音が小さめです。
目安としては、野鳥の声が自然に聞こえるくらいの音量でどうぞ。
2 件のコメント:
こんなに素晴らしい環境でも悩んでしまうんだなあと思いながら読み進めていきましたが、目の届かない囲まれていない世界に出ていくというのは本当に恐ろしいことなのですよね。
我が家の、もう亡くなってしまった猫ですが、やはり外に出たがる子でした。
一歳前くらいまで放浪生活をしていていつの間にかウチに住み着いたという経緯だったので、外に出られないと心労で死んでしまうんじゃないかというくらい外好きでした。
ただ、確かに行動範囲はそれほど広くありませんでしたし、お気に入りの倒木の上や草むらの定位置でくつろいでいる時間が多かったと記憶しています。
当時の我が家の周りは小さな林と原っぱ、畑という環境だったので出来たことですが、それでも感染症や中毒、ふとした思い付きでの遠出、あるいは第三者による何らかの事故など、色々と考えられますよね。
この子は事故にあうこともなく17歳まで生きましたが、運もあったのだと今では思います。
今も二匹、犬の散歩中に目も見えないくらいの月齢で拾って育てた姉妹猫がいますが、この子たちは完全室内飼いです。
そもそも外に出たがらないので連れ出すこともありませんが、先代の子がそのような生活だったので保護者の心境としては外に出たいんじゃないか、外を知らないのはかわいそうなんじゃないかと考えたりもしました。
ですが野生でない以上、きっとこれが最良なのでしょうね。
おこぶちゃんもほどほどで満足してくれると助かるのでしょうが…仲間と一緒に外に出たいというのもあるのかな?
犬が出入りしているとまた難しいですよね。
SKさん、お返事が遅くなってすみません。
仰る通り、我が家は道路までも遠いですし、猫が外暮らしするには、町中と比べるとはるかに安全だとは思うのですが、「ある時、ふいに」というのがありますから、つい心配してしまいます。
意外に短時間で遠くまで行ってしまいますし・・・
外で過ごすのを楽しんでいたSKさんのご愛猫も、当時の様子を伺うととても幸せだったのだなあと読んでいて暖かい気持ちになりました。
動物を飼っている場合、アクシデントを恐れているとキリがないですし、その子の運命というのもあると思っていますから、そこらの線引きに悩みます。
病気や通常のケガ、野性動物に襲われる、などは自然の中にあることなので、もちろんなるべく避けてやりたいけれど、そればかりに躍起になっても仕方ない。
が、車の事故や、薬物中毒などの自然には本来ない危険からはなんとしても守ってやりたい。
というのが我が家の方針です。
猫については、私達が飼っている「イエネコ」は野性にはいない生き物だということを考えれば、外の世界を知らずに不幸ということはないのだろうと今は思っています。
今のSKさんちの2匹の猫さんも、完全室内飼いで、しかも彼らの本当の幸せについて真剣に考えてくれるSKさんと暮らせて、本当に幸せだと思います^^#
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