ガディは、ほとんど舐めることをしない犬だ。
他の犬をなめることはもちろんないし、家族だって、
この13年で私が合計7ペロ(概算)されただけで、わざと顔を押しつけてみても、困ったように顔をそむける。
そんなガディだが、自分から、懸命になめたことが一度だけある。
今から6年ほども前、まだガディしかいなかったころ、
父が自宅で、具合が悪くなったことがあった。
意識が朦朧とした父を和室に寝かせると、畳の部屋は
禁止されていたため、普段は絶対に入らないガディが、我らと一緒に父の布団のそばまで入ってきた。
我々も必死だったので途中まで気づかなかったが、
我らの間から首を伸ばして、父の手の甲をずっとなめていたのだ。
7年前
まもなく意識を取り戻した父は、もうろうとした中で、優しく優しく、手の甲をなめられる感覚だけを覚えていると言った。
それは、まるで羽毛でそっとなぜるような、何ともいえない心地よさで、それを感じているうちに、ふーっと
意識が戻ってきたと。
むーん、私も、母も、弟も、それぞれが、呼びかけたり、手や足をさすったりしていたのに、それらは何ひとつ覚えていなかったのだ。
(注:意識を失った原因は分かっていた)
最近
自分のケガや、あるいは傷ついた仲間を、犬たちはペロペロなめる。
傷口などは、舐めるせいでよけい悪化させてしまうこともあるし、ただ気になるから舐めているということもあるだろう。
だが、案外、それ以上の力を秘めているかもしれぬと
思うのだ。
こう、命を活性化させるというか、体を癒すというか、目には見えないはたらきが。
その約一年後、父が明け方に亡くなったとき、家に一人残されたガディは、長い長い遠吠えをしたという。
それまでも1週間ほど、家族全員が父の病室に泊まり
込んだため、毎晩独りぼっちで留守番していたのに、
ずっと静かに待っていた。
だから、近所の人たちは、長く尾をひくその声に、
その夜は「何かあったのではないか」と感じていたと、後から聞いた。
実は、そのとき、ガディの背中にはすでにガンができていた。
犬は、愛する家族に異変があると、同じような病気になることがあるという。
父が亡くなった一年後、8歳で摘出術を受けた。
そして再発することなく、昨年秋で、4年が経った。
父は助からなかったが、ガディは、幸いにも完治したのだ。
天国での散歩のお供は、もうちょっと先でいいと、父が言ってくれたのだろう。
ありがとう、お父さん。
ガディは、今日で13歳ですよ。
クリックありがとう!
少なくとも、あと10年は元気で一緒にいようよね、
ガディ。
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1/23/2008
絆
ラベル: 季節のたより
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12 件のコメント:
う〜む、いい話じゃあ…(泣)ガディさん、素晴らしい!
入院していた友人が退院したとき、彼女の猫はベッドに上がって添い寝をし、やさしく彼女の髪をなめ続けてくれたそうです。ふだんそんなコトはしないのに。
〈ガディさんへ〉
お誕生日なの、おめでとう! ガンが治ってよかったね。私もガンになったの、何事もなくもう15年も経ったけど。
ガディさん、ハニフラさんの期待に応えてうーんと長生きしてね。
そんなことがあったとは、全然知らなかったです。。。(;_;)
前からガディのファンだったけど、更にファンになりました。
ガディ、お誕生日おめでとう~!!
ガディさん、お誕生日おめでとう!これからもずっと長生きしてくださいね。
お父様が倒れた時のお話を読んで、うちの父を思い出しました。私が里帰りしている間に倒れたことがあったんですよ。ずっと循環器系専門医にかかっていたので、まあそういうことが起きてもおかしくないとは思ってましたが。
私が発見した時には、父は台所の床の上に仰向けに倒れ、目は開いているものの意識はありませんでした。状況から「ヤバイ、後頭部を打ってるかも」と即座に思いました。床はコンクリじゃないけどフローリングで硬いし。また口から胃の内容物を吐いていたので、気道の確認しなくては、と思ったんですが、頭を打っていたら動かすのはいかがなものか?素人ですから、迷うわけです。でもとりあえず食べ物や入れ歯が詰まってないか調べて、一応呼吸してるのも確認しました。脈は、かなり弱かったです。
それから救急車を呼び病院へ運ばれたんですけど、救急隊員も医師も「頭打ってますか」と聞くんですよね。私は倒れた時にそばにいなかったので、打っているのか、発見までどれくらい時間がたっていたのか、全くわからないわけです。発見時の状況から推測して、おそらく後頭部を床に打っているだろう、と言えるくらいで。ま、入院中にMRIなど各種検査でアタマは大丈夫らしいと言われましたが。
人間の頭って重いですから、ドーンと倒れた衝撃で受ける脳へのダメージも大きいですよね。まあ意識を失っちゃたら自分で体をコントロールできないし、難しいですね~。フットボール選手みたいなヘルメットを一日中かぶってるわけにもいかないし。
優しく舐めるのはフェイスもなんですよ
去年の4月から二人の生活が始まり、2ヶ月ほど経ってから
私の寝室で 私はベッド、フェイスはバリケンなしで下に寝ていて
朝私の手が出ている時だけ
手先に鼻が触れるか触れないかの実に微妙なタッチで起こしてくれます
一方アイスは飛び上がって私に着地!
元気丸出しオテンバ娘です
ガディさん、13歳おめでとう。
これからも健康で、いつまでも皆のそばにいてあげてね。
ハニフラさん、ラブ膝についてありがとうございます。
そうですね、焦らず「あら?いつのまにか!」を夢見ておとなしゅうしておきますね。
Bunさん、動物は皆、仲間が具合が悪い、傷ついている、弱っている、ということを敏感に感じ取る力があるはずなのですよね。もちろん人間も。その感覚が鈍磨しないように生きたいと思います。
ガディにお祝いの言葉をありがとうございます。Bunさんもガンに打ち克たれたのですね!
治ったから言えることですが、そういう病気ですらも、人生の深さを増す糧になるのだなあと思います。本当に、いろいろ考えさせられますもの。
しましまさん、ガディは本当に細やかな神経を持っていて、ときどき、人間が何かで姿を変えられてるんじゃないかと思うことすらあります。えへへ、親バカまるだし。
いやいや、実際、彼が若い頃は、もしや、どこかのやんごとなき御方の仮の姿ではないかと思ったりして、ガディの前ではオナラもできませんでした(するなするな)。
お祝いありがとう!
素敵なお話ですねえ。
ガディ君、元気になって本当に良かったです。
「犬に癒される」という言葉を安易に使うのは
あまり好きではないのですが、
ガディ君とお父様のお話はそれ以外の言葉が浮かびませんね。
私は慢性病持ちで時々起きられなくなりますが
そんな時には必ずニコが添い寝しに来ます。
ガディ君、改めてお誕生日おめでとう。
ずっと元気で長生きしてね!
TABIママさん、ガディにお祝いをありがとうございます。
お父様、そんな大変なことがあったのですね。循環器系なら、急に意識を失うことはあり得ますが、たとえば、立ちくらみのような、意識を失う原因そのものは大したことではなくても、それで倒れて頭を打ち、そのせいで後遺症が残るということも、実際けっこうあります。
お父様の場合は、MRIで大丈夫でしたら、心配は要らないと思います。それは不幸中の幸いではありますが、倒れた原因の方は大丈夫だったでしょうか。
家族に、突然の変事が起こると、身も心もつぶれる思いがしますね。私は、父が血圧が高かったため、脳卒中や循環器系の疾患ばかり心配していたら、ガンに隙を突かれました。
頭を打っているときに、動かしてはいけないとよく言われますが、実際のところ、気道確保のために体位を変えるくらいは、何の問題もありません。まず気道の確認されたのは大正解です!
冷たい床に倒れていれば、マットの上に移すなども構わないのですが、意識を失っている人間というのは、意外に動かすのが大変なのですよね。頭もちゃんと支えてあげねばならないし、慣れない人が無理に動かして、また頭をぶつけたり、頸椎損傷になったりするといけないので、動かすなと言われるのだと思います。
あと、クモ膜下出血の人は、移動の衝撃でまた破裂することもあるので、医療従事者でも搬送には気を使います。
そんなことに遭遇しないで済むのが一番なのですが。
TABIママさん、蜂蜜のこと調べられてましたね!
マヌカハニーなどは、こちらでも売られるようになってきました。抗菌作用などについては、UMFという独自のランク付けがあるのですねえ。あれは、業者が自分のところの蜂蜜に、勝手につけているのでしょうか?
よく分からないまま、UMF+18というのを購入してときどき食べてますが、普通の蜂蜜と比べると、かなり独特の風味です。
私はしょっちゅう風邪をひくので、ローヤルゼリーを飲んでみたり、あれやこれや苦労しています。
jick-jickさん、フェイスは別犬になりましたね!
いや、トラウマがなくなって、本当のフェイスが現れたのですね、きっと。
犬は、年をとればとるほど、愛おしく、真のパートナーになってきますよね。フェイスは、今とても満ち足りているように見えます。
アイスは、まだまだエネルギーの塊。
優しく舐めてくれるのは、まだ先かも!
(ネット環境はまだ整わないのですねー)
RuMiさん、ガディにお祝いありがとうございます。もう何年も前から、首や胸にぐりぐりはありますが、自然のままに、彼が天から授かった寿命を健やかにまっとうできるように、そう思って一緒に歩んでいます。
その授かった寿命が・・・あと20年くらいありますように!!(←さらに伸びてる)
そうそう、ラブ膝。
あれ?おや?いつの間にか!のココロで、いきましょうね^^
そうそう、車。
RuMiさんのところに書き込もうと思ったのですが、じ、実は、今日もう納車できるんですって!
13日に契約して、2週間足らず・・・ 早っ。
なので、拙ブログで自慢、いえ、発表しますね。むふふ。
あがさん、いつも元気炸裂のニコちゃんも、あがさん不調の時にはやはり、寄り添ってくれるのですね。家族のいたわりはもちろん嬉しいのですが、それとはまた違う嬉しさがあるんですよね。
それにしても、あがさん、慢性病をお持ちなんて。まさに西海岸!という感じに、心が晴れるようなブログを書かれているので想像もできませんでした。
ニコちゃん、ニヤちゃん、ふたりのSmilesで、慢性病に負けず、お元気で過ごされますように。
(あっ、オット様も!)
ガディにお祝いを、ありがとうございます!
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