2/19/2019

ルース準備中








ルースが準備を始めた。



もう15歳半を過ぎているし、それなりに老犬生活は送っていたが、先週の連休明け頃から、急に足取りがおぼつかなくなった気がしていた。
次の段階へ進もうとしてるのかな、となんとなく感じていた。


それでも食欲は旺盛で、食餌の準備が始まると、寝ていても飛び起きて皆と足もとをうろうろし、自分の食器が運ばれると、はずむような足どりで走ってきた。


放っておいても、ぺろりと完食し、その後も何度も食器を舐めに戻っていた。



それが、14日(木曜日)の夜から、少し食べ方にムラが出てきた。

15日(金曜日)の朝は完食したものの、少し手助けが必要だったので、とても気になりながら出勤。
当直だったので、夕方からブログや動画作りをするつもりだったが、そんな気分にはなれずにいた。

ところが、母から、晩ご飯はぱくぱく食べたとメールあり。
準備中には、今までのように皆と一緒に催促もしていたそうで、心底ほっとした。

2月2日のルース

ようやく気分が晴れたので、ブログや動画を作り始めた。

そんなわけで、昨日更新した日記『暖冬だより』は、金曜夜遅くにできあがってはいたが、その日のうちのアップロードは間に合わなかったのだ。
(家ではネット環境が悪くてアップロードできないので月曜日の更新になった)



土曜日の朝に当直が明けて帰宅すると、ルースはいつもと特に変わらなかった。

母によると、朝ご飯は全部食べたが、少しつっかえて飲み込みづらそうにしたらしい。
これからはもっと飲み込みやすい工夫をしてやらねば、と母と話した。

昨年1月23日
エボニー(奥)と斜面を駆けて私の出迎えに


朝方に雨が上がって穏やかな薄曇りの天気だったので、ルースはデッキ際のベッドで休んだり、デッキを(地面はぬかるんでいたので)30分ずつ2回ほど散歩したり、のんびりと過ごした。

今までより足もとがおぼつかないとは思ったが、概ねいつもどおりの一日だった。



2回目の散歩を終えたルースがテーブル下のお気に入りの場所で休んでいる間に、私は昨夏はじめに分解して洗ってしまいこんでいた、我が家の「玉座」を引っぱり出した。

その日の朝、
 「これがルースと過ごす最後の冬、最後の2月になるかも」
と母と話しながら、ルースが(ほかの皆も)お気に入りだった玉座をこの冬はまだ出していなかったことを思いだしたからだ。



この玉座は、四万十に来た年にガディのために買ったものだ。

2010年
ガディ翁

大きくて、ガディは一頭でいっぱいだったけど、他の犬たちは2、3頭乗れた。
でも、ガディがいる間は、ガディしか乗ることを許されなかった。


ガディがいなくなった後は皆が愛用していた。

左から、ハニー、ホープ、フラ
左から、フラ、ソフィ、ブラウニー


昨年末から年始にかけてソフィが体調を崩したときに、玉座はソフィ専用になった。

ソフィに添い寝するウェル

ソフィがいなくなった後、また皆が愛用していた。


そして、今度はやがてルース専用になるのかなあ、と思いながら組み立て、カバーをかけ、
 「ルース、お待たせ。大好きな玉座出したよ」
と連れて行ってやると、とても嬉しそうに横たわった。

それを見てから、私は犬猫の食餌作りに取りかかった。



だが、そこからルースの様子は急に変わった。

ご飯ができても起きてこない。
鼻先に持っていって嗅がせると、目を閉じ、少し顔をそむけた。
『いらない』と意思表示したのだ。

散り始めたソメイヨシノ

食べるどころか、全身が脱力しており、ほとんど反応がなくなった。
呼吸がとてもゆっくりになっているのを見て、母を呼んだ。
 「ルースが旅立とうとしているかもしれない」
母はプレイステーションでゲームをしていたが、放り出してきた。

呼ぶとかろうじてまぶたがピクつく。
胸の動きはどんどん弱くなる。
もう今にも止まるかと思われた。

彼岸に行っている時のルース

家族が旅立つときの話は普段からよくしている。
もうなのか、という寂しさはあっても、うろたえるという状況ではなかった。

母とふたりでルースを撫でながら、
 「ルースはすごいよ、我らもかくあるべし」
 「こんな風にいけるのが理想だね」
と感嘆していた。



だが・・・
ルースはまだ旅立たなかったのだ。

1時間ほど経った頃、急に目に力が戻り、起きようとした。


支えて立たせると、オシッコをした。
(オムツが温かくなり、匂いがするので分かる)



ルースは1年ほど前から室内ではオムツをしていたが、排泄したくなるとちゃんと外へ出ようとした。
間に合わないことがあるのでしているだけだ。

昨年2月5日
まったく寒そうじゃない

粗相が増えてついにオムツをするようになった時、これは特別で、ルースだけができるのだと誉めた。

 「かっこいいの、しようか」
というと、オムツをはめる間、誇らしげに待っていた。

長い腹の毛が巻き込まれないよう気をつけながらオムツを装着し、
 「できたよ、かっこいいね!」
と腰をぽんぽんと叩いてやると、意気揚々と歩き出すのだった。



それから、数時間ごとにルースは起きようとした。
理由は、オシッコだったり、体の向きを替えたくなったりだ。

さらに、吸い飲みで水を飲ませてみると、しっかり舌を動かし喉をならしてゴクゴク飲んだ。

そうして、翌朝も、翌々朝も、今朝も、ルースはまだ、ここにいてくれている。



土曜日の夜から日曜の朝にかけ、アニューとめえ太を除く室内組の犬猫たちは、皆ルースに挨拶をした。

エボニーは玉座に乗らなかった

日曜日の午前中、ルースの足の向くままに母と支えて歩かせると、部屋からデッキへ出て行き、さらに歩いて、アニューのところへ行った。
アニューはキュウキュウ鳴きながら柵越しにルースの口元を嗅ぎ、ルースも応じる。

と、アニューが朝食べた肉をルースの目の前に吐き戻した。
狼犬は、子犬にせがまれると雄でも吐き戻して面倒をみることがあるという。
アニューはルースが昨夜から食べていないこと、弱っていることを感じとり、ルースのために吐き戻したのだ。

 「アニューせっかくだけど、ルースはもう食べられないんだよ」
と言い聞かせて部屋に戻る途中、どこからかめえ太もやってきた。

昨年1月23日

めえ太は、他の犬たちには無遠慮に突進したり、角を振り回したりするのに(実際に当てることはまずないが)、ルースだけは特別扱いしていた。

そっと頭を寄せて親愛の情を示す。

ルースがよろめいて転ぶと、鳴いて私達に知らせる。
自分でも懸命に足や頭を使って起こそうとし、起き上がった後は心配そうにしばらく寄り添って歩いていた。

この時もデッキの柵越しにいつものように頭を寄せ、おそらくこの世では最後の挨拶を交わした。



その後はひがな一日、ルースは玉座で静かに過ごした。


私たちは、ルースが意思表示をしたら起こしてやり、オムツを替え、体の向きを変え、できるだけ快適に過ごせるよう敷物や掛け物を整えた。

いつでもいってしまいそうなのに、まだいかないでいてくれる。
私たちの”心”が”頭”に追いつくのを待ってくれているのかもしれない。

静かな日曜日だった。
寂しくて、胸を締めつけられるのに、穏やかな時間。
そんな時間を私たちに与えてくれる。
ルースは本当にすごい子だと思う。




月曜日の夜中、ルースが望むので支えて立たせていたら、ふらふらとテーブルの下へ歩いて行く。
そして、いつもしていたようにテーブルの下で寝た。


テーブルの下は、ずっとルースの指定席だった。
ルース用に、体圧分散マットを敷いてある。

玉座は嬉しかったが、やはり慣れ親しんだ場所で過ごしたかったのだと思う。

また足もとにルースがいる喜び
(すでに日付は19日)

自分の席に座って自分の足先がルースに触れ、ときおりルースが身じろぎするのを感じる。
毎日何気なくしていたことが、ほんの2日ぶりなのに、こんなに懐かしく嬉しいとは。


さらに驚いたことには、夜中過ぎ頃から、何度か歩いた。

完全に脱力していたのに、自力で立ち上がり、少しの距離ではあるが、ふらつきながら歩く。
前日の夕方までしていたように、部屋の中をゆっくりと確認しながら回ったりもした。


まるで、このまま良くなり、またご飯も食べられるようになるのではないかと錯覚しそうになる。
でも、そんなことは決してないこともまた、よく分かっている。



ルースは、ゆっくりと自分のペースで、旅立ちの準備をしている。
彼の邪魔をしないよう、そっと手助けをするのが、我らにできる最善のことだと思っている。
16日の夜
寄り添うエボニー

今日も、彼岸と此岸を行ったり来たりしながら波に揺られる小舟のように、ゆるやかに変化しているルース。

まったく反応がなく呼吸も微かな時は、彼岸に行っているのだと思う。
目に力が戻り、立ち上がるときは、此岸に戻っているのだ。

此岸に帰ってきている時のルース


急がなくてもいいし、頑張らなくてもいいよ。
ルースのペースで、思うとおりにやりなさい。
耳元でそうささやいている。








2/18/2019

暖冬だより












前回、冬らしくないとぼやいた後に寒波が来たそうだ。
が、四万十までは辿り着けなかったらしい。

遠イモンネ四万十
(1月末の大阪・裏庭公園)

ずっと春のような過ごしやすい気候で、蚊は飛んでいるわ、梅より先に桜が咲くわで、やっぱり変な冬である。

満開のソメイヨシノ(若木)

もちろん蛙も鳴いている。
夜と朝だけはぐっと冷え込み、かろうじて冬の体裁を保っている。



地面にも緑が増え、めえ太は大喜びでウバメの段に繰り出すが、本当の春ほどは草が伸びきっていないので、たらふく食べるというわけにはいかない。

ソメイヨシノの成木はまだ枯れ木
モズのはやにえがあった

食欲の矛先は、木の枝や皮や花に向くことになる。

その食欲のさまを動画でどうぞ。




ふきのとうも、気づいたらかなり開きつつあった。

これはもう食べられぬ

開いていないものをいくつか摘み、天ぷらにしていただいた。




2月9日の夜、仕事から帰りに四万十川を渡ろうとしたら、川面一面の灯り。
しらす漁である。

車を橋のたもとに停め、橋の真ん中まで歩いて行ってなんとか撮ろうとしたが、ものすごい強風でみるみるiPhoneが氷のように冷たくなり、動作しなくなった。

川へ吹き飛ばされそうになりながら頑張って撮った動画も写真もほとんど保存できていなかった。

なんとか撮れた一枚

ウナギは、急激に数が減少しており、レッドリストに載ったそうだ。
そんなウナギの幼魚シラスウナギを捕ってもいいのか気になっていたが、先日詳しい話を聞くことができた。

夜間、川面を泳ぐしらす(つまようじほどの小ささ)を一匹一匹、小さな網ですくって捕るのだそうだ。
それを養鰻場に持っていき、一年以上かけて養殖し、食用にするとのこと。

河津桜も満開

詳しい話をしてくれたのは、外来にみえた患者さんだ。

あの寒風吹きすさぶ中、船の灯りを頼りに、あるいはウェーダーを着て水に浸かり、川面に目を凝らすシラス漁は
 「もう目もかすむし肩も凝るし、きっついよ」

そりゃちっとも血圧が下がらないわけだよ・・・と苦笑すると同時に、一網打尽にする漁でないことにほっとした。

漁期は毎年この時期の一ヶ月ほどだという。

実際に私が見たとおりの写真があったので
こちらからお借りしました
産経フォト2017.1.28のニュース

四万十のウナギは名産として、昔から親しまれてきたそうだ。

この、地道な昔ながらの漁法がどの地域でも守られていたなら、密漁などが行われなかったなら、もしかしたらウナギはレッドリストに載らずにすんでいたかもしれない。
(捕り方の問題だけではないだろうけど)



日々頂く食べ物の背景を知ることは、とてもとても大事だと、ほろ苦いふきのとうを口に運びながら思ったのであった。







2/08/2019

雪が降らん











今冬は暖かい。





庭のソメイヨシノの若木など、1週間ほど前から満開だ。

一昨日は、部屋でブヨに首筋を咬まれて、今現在なかなかつらい痒みと闘っている。
もう地球はおしまいなんじゃないかという気すらしてくる。


寒い気候が大好きで、真冬でも日中はコンクリートでお腹を冷やしているアニューのためにも、一度くらいは雪が積もってほしいものだ。

去年はこんな日もあったのに

昨年の夏、一番暑い盛りに雪の話を書いて、涼しい気分になるのもいいな、と考えていたのだが、結局できなかった。

その代わりというわけでもないが、冬らしくない今この時期に、ちょっと冬っぽい気分になるのもいいな、と思うのだけどどうだろう。

ということで、1〜3年前の雪の日の様子です。




アニューは初めての冬、ホープ兄ちゃんに存分に遊んでもらった。
とても楽しそうだった。

2016年1~2月
嬉しい顔
この後くしゃみ連発する
(既出だがお気に入りの一枚)
みんなで家に帰る
このあと朝ご飯だしね


次の冬が来る前にホープはこの世を去り、残されたアニューは寂しそうだった。
(ウェルもブラウニーも遊んでくれないので)

ブラウニーは単独散策派


そして次の冬、生意気な弟分ができてアニューはふたたび生き生きと雪の中を跳ね回り、シニア犬たちはのんびりと散策できるようになった。

2018年2月
弟分を見守るまなざし

いつもの散歩も楽しいが、雪の日の楽しさは別物なのだ。



皆が待ってる雪の日。
まだ2月上旬、冬将軍にはひとがんばりしてほしいものである。


・・・でもほどほどにヨロシク、と猫たちが申しております。

2/05/2019

復活







前回の日記は真夏だったのか・・・





ブログを始めてから、こんなに間が空いたのは初めてだ。


昨年に入ってから、自分の仕事のことで取り組まねばならないことがあり、夏前から本格的に忙しくなって、8月からはブログを開くことすらなかった。

余暇が全然無いわけではもちろんなかったが、私にとってのブログは楽しみながら書くものなので、簡単に言うと心の余裕がなかったのである。





でも、それももう終わりだ。

先週に最大の山場があり、昨日で私がやらねばならないことがようやく完了した。
あとは結果待ち。
(結果が明らかになったらきちんとご報告します)

これからは、また今までのように、楽しみながらブログを書いていきたいと思う。
もちろん動画も作るのだ。趣味だから。


他のメンバーも皆、変わらず元気です。

予想通り全然『白』米じゃなくなった白米
(と、地面に散らばるヤギのフン)
獣医さんでやや緊張の面持ちのおこぶ
ヒゲを見せびらかすめえ太
いつもの

だからといって、このブログが”毎日更新”ということは間違ってもナイだろうけれど、またのんびりとよろしくお願いします。


7/30/2018

遅いプール開き






今年の夏はひときわ暑い。




なのに、なんだかんだしている間に日が過ぎて、アニューのプール開きがすっかり遅くなってしまった。


さかんに催促されていたが、先週ようやくプールを設置してやることができた。

催促の様子を動画で。





といっても、お日さまに温められてすぐに温水プールになってしまう。

例年は、日中はスプリンクラーを回して、常に新しい冷たい水が入るようにするのだが、そのスプリンクラーの部品がどうにも見つからない。

6月末の名鹿の浜

せっかく設置したのに、ぬるいプールは不人気だ。
今日、帰りに部品を買うつもりである。



当直中は、熱中症の患者さんが次から次へと運ばれてくる。

人間も動物も、暑さ避けの工夫が欠かせない。
ひと夏に一度、『30℃を超えた!』とニュースになっていた私の子どもの頃とはもはや別世界だ。

この暑さでも、夕方のまだ暑いうちに犬の散歩をさせている人を見かけるので、やりきれない。

外、出タクナイ

かわいがっているから、「自分が暑くても散歩に連れて行く」のだろうと思うが、だからよけいに歯痒いのである。