結局、暖かいまま過ぎてしまったこの冬だったが、春はちゃんと春らしさにあふれている。
先々週くらいにはつくしが生えまくり、
めえ太がたべまくり、
人間も少し楽しんだ。
これからはタラの芽と筍の猛攻が始まる。
タラの木は数え切れないほど生えているので、この時期には毎日採って食卓にのせる。
お気に入りはやはり天ぷらだ。
贅沢な話だが、筍は、今の我が家にとって迷惑以外のナニモノでもなく、毎朝ちょっと頭を出したところを踏み折ってまわる。
うっかり見逃すと、とんでもないところに太い竹が生えてしまい、これを切るのには多大な労力を費やさねばならないからだ。
食べないのか?
そう、初めの頃は喜んで食べていた。
食べ飽きた頃、地元の知り合いの方が、それは見事な筍をとても美味しく茹で上げて持って来てくださるようになった。
さらに、遠方の友人からとても高級な筍を頂くこともある。
わざわざ我が家で下手くそに掘って下手くそに茹でた筍を食べる必要があるだろうか?
イタドリやゼンマイも豊富だ。
春の味覚を存分に楽しめるのは、ここの暮らしの贅沢のひとつである。
食べる話ばかりしているが、花ももちろん次々に咲き始める。
今年は暖冬のせいもあり、ソメイヨシノの若木は梅より早く咲いてしまったが、成木は今満開である。
桜咲くといえば、私も先月初めに結果発表があり、ようやく博士学位が取得できた。
昨年、長期間ブログを休んでいたのは、今年早々の学位審査に向け、最終追い込みをしていたせいだったのである。
脳神経外科は専門医試験が非常に難しく(大学受験の時よりも勉強した気がする)、大学院在学中にそちらを優先した結果、学位の方はそのままになってしまっていた。
学位は足の裏の米粒、取らないと気持ちが悪いが取っても食えぬ、とよく言われる。
しかし私自身は気持ち悪くもなかったのだ。
ただ祖父と母の願いであったから頑張ったのだが、取れてみると、やり残しを片づけたような晴れ晴れとした気分になった。
先月末に母校で授与式に出た。
会場となった講堂は、大学の歴史資料館の一室で、照明がとても素敵であった。